英検?TOEFL?小中学生が今やるべき勉強は? 大学入試に必要となる民間試験について考える


2018年3月、大学入試センター試験に替わる新しい共通テストの英語について、4技能をバランスよく評価するために活用する民間の資格試験・検定試験を、TOEFL、TEAP、TEAP CBT、GTEC、英検、TOEIC、IELTS、ケンブリッジ英語検定の8種類にすると大学入試センターが発表しました。

これについて、英語塾キャタルの三石郷史代表が、現状と問題点、今やるべきことを明確に答えていきます。


教育スクールビジネス研究所の小林正弥氏(左)と英語塾キャタルスタッフで海外歴14年のバイリンガルの笹原瑚都さん(右)がリスナー代表として質問をし、三石代表(中央)がそれに答える形で収録が行われた

 

発表によると、民間試験には受験回数制限があり、高3の4~12月に2回までと設定されています。
8種類のテストを受けたいだけ受けて、その最も良いスコアを提出することはできないのですね。

そのような制限が設けられた理由は、家庭の経済力によって何度も受験できる生徒とできない生徒で不公平が起きないようにする、という観点です。国内だけをみればそのとおりですが、例えばNY大学に行きたい生徒は、TOEFL100点が絶対必要ですが、2回受けたら98点だったとします、普通ならもう一回挑戦して100点を目指しますよね。同じNY大学を受験する他の国の学生は、3回も4回も受けられるのに、日本の学生だけが2回しか受けられないことになるのは、とても不利ですよね。ですからなんでも横並び主義で考えるのは、本末転倒だと思います。
ただ同時に、テスト料金の問題もあって、確かに高額なんですよね。TEAPだと15,000円、TOEFLは235ドルですからだいたい25,000円くらいということになります。大学に行きたい人が誰でも4技能試験を受けられる機会の平等に対して、文科省が用意すべきお金だと思います。

 

民間試験はどれを選択すべきですか?

それぞれの民間資格試験の点数を、共通に評価する基準があります。それがCEFR(セファール)です。一番下から順に、例えば英検と当てはめると、A1が英検3~5級、A2が準2級、B1が2級、B2が準1級、そしてC1が英検なら1級でTOEFLなら95点以上です。
(放送後にCEFR対照表が更新されました。ラジオ収録時は下記のCEFR対照表を参照して話しています)

東大を受ける学生が英語で差を付けたければ、C1を狙いますよね。C1を取るためには英検かTOEFLです。GTECやTEAPも満点ならC1ですが、満点を取るというのはまた違う要素が必要ですから、現実的ではありません。では英検かTOEFLかというと、僕ならTOEFLを選びます。なぜなら、世界で通用するのはTOEFLで、英検は海外に行くとほとんど知られていないからです。

 

TOEFL100点は学校の授業だけで到達できますか?

実情から考えると、大学受験をする学生のレベルは英検でいうと準2級から2級、つまりA2かB1にいる人たちがほとんどと言われています。このくらいの学生たちにとって、TOEFLへの挑戦はあまりにジャンプアップしすぎということになってしまいます。今までの学校での英語教育でTOEFL100点を目指せるか、それとも他の試験にしなければならないか、というのは、中学3年生の時点でどこのレベルに立っているかで決まると思います。
今TOEFLを目指せない人たちは、学習環境に恵まれていないということです。これは社会的に大きなボトルネックになっています。

まずは英語を書いて自分の意見を示せるようにならなければいけません。そのためにはたくさん書く必要がありますが、ただ書いても上達はしません。その文章が正しいかどうか、もっと良くするにはどうしたらよいかをフィードバックしてくれる人が必要です。今の学校教育の現場では、教室の人数も多すぎるし、先生が忙しすぎて時間もないので、全員の書いた英語をフィードバックすることは不可能です。
また先生の能力にも問題があります。文科省の2016年の調査で、中高の英語教員のうち、B2レベル(英検準1級、TOEFL80点、TOEIC730点)を持っているのは、中学の教員で28.8%、高校の教員で55.4%しかいないという、かなり厳しい数字です。
これから生徒たちはTOEFL100点を目指さなければいけないのに、中学で最初に教えてくれる先生の英語力がB2レベルにも到達していない、というのが現状なのです。

 

各大学の求める英語力は上がっているのに、生徒を育てる側の教師は不十分である、という問題の根本はどこにあるのでしょうか?

国として、TOEFL100点への英語を教えられる人材を海外から連れてくるために、もっと大きな予算を用意するべきだったと思います。
現在、文科省は世界で活躍する人材を育成するために、スーパーグローバル大学に認可されている全国37の大学に補助金を出しています。中でもトップ校の13校は年間4億2千万円を10年間もらって、4技能を推進し国際化を進めています。牽引型の20数校にも1億7千万円くらいの補助金が出ています。大学を変えるために大きな予算を使うことは素晴らしいことなのですが、ではそれに対して高校の、スーパーグローバルハイスクールというのが県に2~3校あるのですが、そちらへの補助金は1校あたりたったの約1千万円です。これでは、海外からの先生なんて1人か2人しか連れて来られないですよね。

先ほどの民間試験の話に戻りますと、もしもすべての日本の高校生が受けるTEAPの受験料15,000円を国が用意するとしたら、50万人ですから75億円になります。確かにこれは大きな数字です。しかし、例えばオスプレイは1機100億円、それを17機買ったので1,700億円かかったんですよね。オスプレイの是非はともかくとして、1機減らしてTEAPにまわしても良かったんじゃないかなって思いますよ。

今、危機感を持つべきことは、日本はOECD加盟国の中で、GDPに対して教育にかける公的資金の比率が最下位から2番目なんですよ。圧倒的に、教育にかける予算が少ない。
予算がないから教えられる先生がいない、ではどうするかと言うと、結局は各家庭がそういった先生がいるところを探して、学校ではできない「書く」トレーニングをして、フィードバックをしてもらうという、つまり英語教育を家庭が支えていかなければならない状況にあるんですよ。

 

英語力がないといい大学に入れないしいい教育を受けられないのでしょうか?

なぜ受験で英語が大切かというと、例えば理系で医学部に行きたい生徒は、みんな数学は得意、生物や化学ももちろん得意、では何で差が出るかというと英語です。ましてや文系の人はみんな英語ができて当然ですから、差別化したいとなれば結局英語なんです。
4技能の新テストがどっちに進むのかいまだ不透明なままですが、今回のこの改革がなぜ行われるのかというと、世の中のグローバル化はもう止められないんですね。国際化はますます進み、これからの時代に英語力が必須だということは決まり切っているんです。
これからの子どもたちは、政府がどっちに行こうが、大学が何と言おうが惑わされずに、話せて、書けて、ちゃんとフィードバックできる人を探す。そういう家庭のマインドが一番大切だという結論になります。

 
この記事は、2017年7月14日、ラジオ”In the Dreaming Class”の内容を、2018年5月現在の状況に合わせて再編集したものです。
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