附属校に通う小中高生へ。受験がない環境だからこそできることを考える | バイリンガルへの道

附属校に通う小中高生へ。受験がない環境だからこそできることを考える

小中高大の一貫校などといった附属校に通う最大のメリットは受験がない点。受験がない分、お子さまが好きなことや興味のあることに時間を費やせるのが魅力かと思います。一方で附属校生は中学受験・高校受験・大学受験がないため全く勉強しなくなるのでは?と思われる方もいるかもしれません。

今回は受験がないからこそ附属校に通うキャタル生に考えておいてほしいことと、受験のない附属校に通った3人のケースをご紹介します。

受験のない附属校生にこそ考えてほしい将来の目標

附属校生は受験する必要がないため「勉強しない」というイメージを持たれている方も多いですが、これは受験という分かりやすい目標がないから勉強しないと考えることができます。附属校に通う生徒は、中学受験・高校受験・大学受験のためだけの勉強に時間を割く必要はありませんが、その分の時間を将来の目標に向けて有効に使っていただきたいと思います。

そもそも、将来何がしたいのかわからない人は何をしたいかを見つけるために時間を使ってみてください。具体的に将来やりたいことや実現したい夢があるのであればそのために必要な勉強や準備に時間を使ってください。受験がないからこそ、やりたいことに注力できるのが附属校生のアドバンテージです。自分の人生設計を考え、そのために必要な勉強に集中してみませんか。

中高一貫校・附属校であることを最大限に活かしたケース

ここでは実際に、受験がないことを最大限に活かして学生生活を送った3人の例をご紹介します。

慶應義塾大学に内部進学後、交換留学へ

Yさんが留学したアレゲニー大学

Yさんが留学したアレゲニー大学

慶應義塾を内部進学したYさんは現在法学部に通う4年生です。昨年、大学の交換留学制度を活用してアメリカのアレゲニー大学に1年間、留学していました。ペンシルベニア州にあるアレゲニー大学は1815年創立という長い歴史を持ち、幅広い勉強ができるリベラルアーツであることでも有名です。

中学校から慶應に通っていて、高校・大学と受験をしなかったYさんは高校生の頃から何かにチャレンジしたい気持ちがずっとあったそうです。そして大学進学とその先を考えた時、中学から慶應に在籍している自分の環境では、視野が狭くなってしまうという危機感を感じ、自分の価値観や常識が全く通用しない世界に飛び込んでみたいと思うように。高校生の頃に大学での交換留学を目指し始めました。

アレゲニー大学は留学生にはTOEFL iBTで120点中81点の英語力を最低条件として設けていました。これは、他の英語圏の大学に留学するにも必要な最低限の英語力になります。帰国子女ではないYさんは高校までは英語とはほとんど無縁で、興味が無かったそうです。初めて受けたTOEFL iBTスコアは30点台。しかし留学を決意後、YさんはTOEFL勉強に取り組み、1年間でTOEFLiBTのスコアを50点も伸ばすことに成功。85点を取得し、留学が実現しました。

大学内部進学を辞退し、海外大学へ進学

中高一貫校に通っていたKさんは、関西の私立大学に推薦で進学予定で受験を考えたことがありませんでした。しかし6年間同じ環境にいることに危機感を感じた彼女は受験がないことを活かして、高校時代はサマースクールや国際交流イベント、英語のスピーチコンテストなど外部のイベントに積極的に参加。夏休みにはオーストラリアに3週間の短期留学も経験しました。その中で、高校卒業後の進学先を日本国内の大学に限定する必要がないことに気づき、急遽進路を変更することを決意。

受験がない分、英語学習に時間を充てていたことが功を奏し、高校3年生の時に初めて受けたTOEFL iBTで90点を取得。また、海外大学の入試選考では学業以外の評価が占める比率も大きいですが、学校の試験勉強以外は部活動や課外活動に注力していたことが評価され、アメリカ・ニューヨークの大学へ無事進学することができました。

附属校在籍中、高校生で留学を経験

小中高大と一貫の附属校に通うIさん。受験がないことをメリットに感じつつも、ずっと同じ環境で勉強することに疑問を持ち始め、新しい世界をみてみたいという気持ちと、好きな英語を伸ばしたいという気持ちから留学を検討することに。TOEFL Juniorに挑戦し、760点を取得。並行して英検にもチャレンジし2級にも合格。2022年夏からカナダの高校へ1年弱の留学が決まりました。

大学へは内部進学も可能ですが、留学を通して勉強したい興味分野を見つけ、自分の勉強したいことが勉強できる大学に進学する予定とのことです。

一貫校・附属校だからこそできること

附属校に通った3人の共通点

3人に共通していることは中高一貫校・附属校に通っていて受験がないという条件を最大限に活かしてきたこと。そして3人とも、同じ環境でずっと過ごすことに危機感を感じ、広い世界を見るために行動したということです。そして受験がないからと勉強を全くしなかったのではなく、好きな科目の学びを深めるための勉強や目標を達成するための勉強に時間を存分に費やしていました。

3人の場合は留学や英語に時間を活用していましたが、広い世界を見るための手段はもちろん英語学習だけではありません。附属校に通っていて受験がない分、時間に余裕のある小中高生の皆さんにはぜひ好きなものや興味があることを軸に、少しずつ外の世界を見る経験を増やしていっていただけたらと思います。

附属校生が受験がなくても勉強するためには

勉強をするためには頑張るためのモチベーションとなる夢や目標が必要です。附属校生であっても、成し遂げたい夢や目標を持っている生徒の多くは自主的に勉強に取り組んでいます。一方で夢や目標がないという人も多いことかと思います。その場合は、夢や目標となるものを見つけることが必要になります。これは決して簡単ではなく、ベストな方法と言うものはありません。Iさんのように、キャタルに通うことで海外経験豊富なキャタルの先生から刺激を受け、海外へ留学することが目標となり、勉強に取り組む、というパターンもあるでしょう。他の2人の例を見ても、井の中の蛙になることなく、広い世界を見たいという気持ちが勉強へのモチベーションになることは附属校生にはよくあることなのかもしれません。

学習へのモチベーションは人それぞれです。まだ夢や目標が見つかっていない人はたくさんの人との出会いを大切にしてみてください。新たな刺激を受けたいと感じている人はキャタルにもぜひ遊びにきてみてください。キャタルでは不定期でFireside Chatというイベントも開催しており、様々なバックグラウンドを持った先生のこれまでの経験を聞くチャンスがたくさんありますよ!