東京都立高校入試改革でスピーキングテスト導入?ESAT-Jの出題内容と対策ポイント | バイリンガルへの道

東京都立高校入試改革でスピーキングテスト導入?ESAT-Jの出題内容と対策ポイント

2022年度から始まる東京都内全公立中学校の中学3年生を対象とした「中学校英語スピーキングテスト(ESAT-J)」の実施について今回はご紹介します。東京都立高校入試改革では中学校英語スピーキングテスト(ESAT-J)の結果を都立高校入試に活用する予定もあるとの発表があり、気になっている方もいることかと思います。今回はその導入背景と、これまで行われてきたプレテストの問題と共にスピーキングテスト対策をご紹介します。

東京グローバル人材育成計画について

そもそもの話にはなりますが、東京都立高校入試改革は、東京都教育委員会が平成30年2月に発表した「東京グローバル人材育成計画」の取り組みの1つになります。

東京グローバル人材育成計画は「社会や世界の動きを見通し、自ら人生をたくましく切り拓く人材を育成」し、「日本の未来を担い、東京の発展を支え、リードする人材を輩出 」することを目的としています。その育成計画において世界中の人とコミュニケーションが取れる能力や国際感覚の醸成や多様性への理解などといった資質・能力・態度が必要とされています。

3つの柱を踏まえた政策は20個用意されています。教員の英語力・指導力の向上や小学校英語の教科化などの対応がリストアップされる中に授業改善に向けた4技能評価の導入やICTを活用したスピーキング能力の向上も記載されており、これが東京都立高校の入試改革へとつながっているのです。

東京都立高校入試改革について

東京都教育委員会は、小・中学校で身に付けた英語コミュニケーション能力を、高校でさらに向上させるため、小・中・高校で一貫した英語教育を目指しています。その1つの方法として、令和4年度から都内全公立中学校の中学3年生全員に対して「中学校英語スピーキングテスト」を実施し、その結果を都立高校入試に活用すると発表しました。

コロナの影響を受けて、スケジュールに変更があったものの、今年中に約8万人*もの生徒が確認プレテストを受験するとのことです。ちなみに令和元年に行われた77校・約8000人を対象としたプレテストの平均点は100点満点中54.5点*で、英検3級レベル程度の英語力という結果となったとのこと。90点〜満点とれれば英検準2級レベルとのことですが、全体で準2級レベルの点数を獲得したのは令和元年で4.1%程度。点数にしっかりと差が出るテストとなっていることがテスト結果の分布からも伺えます。

東京都教育委員会は今年のテスト結果も踏まえて、公平性・公正性・安全性を含めてさらに改善を行い、令和4年11月27日*に本格実施予定とのことです。

*東京都中学校英語スピーキングテスト事業 令和2年度実施概要参照

中学校英語スピーキングテスト(ESAT-J)の出題内容

中学校英語スピーキングテスト(ESAT-J)では主に4つのパートに分かれて問題が出題されました。絵を見て質問に答えたり、状況を説明したりする発声の実技テストとなっており、音声をタブレット端末に録音する形で実施されました。

  1. 英文を読み上げる音読問題
  2. 質問を聞いて回答する問題
  3. ストーリーを英語で話す問題
  4. 自分の意見を英語で述べる問題

各パートにおける評価ポイントは全部で3つです。

ア) コミュニケーションの達成度(2段階)
・コミュニケーションの目的の成立
イ)言語使用(5段階)
・語彙、文構造、文法の適切さ及び正しさ
・内容の適切さ(一貫性・論理構成)
ウ) 音声(4段階)
・発音、強勢、イントネーション
・区切り

これまでのプレテストの結果では解答すべき内容が明確で、語句単位で表現できる問題では、正答率が高く「場面に応じて 適切に表現する」、「状況を描写する」、「意見の根拠を伝える」などが求めらた問題では、正答率が低い傾向にあったとの結果が報告されています。

中学校英語スピーキングテスト(ESAT-J)対策のポイント

中学校英語スピーキングテストで高得点を狙うためにやっておくべきことは2つあります。

タブレットへの録音シミレーションを行う

ESAT-Jではタブレット端末に録音した音声が採点されます。直接会話して採点されるのと異なり、録音された音声の場合、自分ではきちんと話しているつもりでも音がこもって聞こえるなど聞き取りにくい場合があります。そのため自宅にあるタブレット端末に英語の本を音読した声を録音して確認してみることをおすすめします。自分ではハキハキと読んでいるつもりでも、録音された音では違って聞こえませんか。ハッキリと読む・抑揚をつけるなど工夫して英語で読む・話すの練習をしておいてください。

3級・準2級の英検過去問で対策

ESAT-Jの出題例は東京都中学校英語スピーキングテスト事業 令和2年度実施概要にも掲載されているのでぜひ見ていただけたらと思いますが、全体的には英検の面接試験と似たような問題が多くあります。ESAT-Jの過去問題集などはないため、対策を行う場合は英検2次試験の過去問(英検3級・英検準2級)を使用するといい練習になるでしょう。

スピーキングテストにはなりますが、単語力やリスニング力も必要となるテストですので英検過去問の面接問題を練習するだけではなく、一次試験の問題も解いておくのもいい対策になります。また、出題内容としては中学1年〜3年で学んだ内容となっているので、過去の教科書の復習を行うことも対策になるかと思います。

キャタルのスピーキング対策

キャタルのレッスンはESAT-Jのスピーキング対策にも対応しています!

バイリンガル教師からのスピーキングフィードバック

録音した音で採点されるESAT-Jのように、キャタルでは毎回必ず、英語の本を音読してiPadで録画。そして録画したものをバイリンガル教師と一緒に見て、フィードバックを受けます。どのように読むといいのかなどのコツをバイリンガル教師から直接受けることができるので、自宅でタブレットの録音シミレーションの練習は不要です。日頃からiPadに向かって音読を録音するという中学校英語スピーキングテスト(ESAT-J)に似た形式でレッスンを行っているので、テスト当日の不安緩和にもつながります。

たくさんの音読でスピーキン力も向上

キャタルでは毎回、何度も本の音読をレッスン中に行っていただきます。本を読むだけでスピーキング力は向上しないのではないかと思われる方もいますが、スピーキング力が自然と伸びた理由として音読を上げられる方が多いです。ネイティブの発音を聴き、音読するという作業を何度も行うことで正しい発音やイントネーションが身につきます。実際にキャタルでの音読をしたレッスンの様子をまとめた記事もございますので合わせてご確認ください。

2022年から始まる中学生英語スピーキングテスト(ESAT-J)に不安を感じられている方もいることかと思います。まだまだ不確定な点もありますが、現在中学2年生の方は今から準備を始めておきたいところ。ESAT-Jに向けて、対策を行いたい方はぜひ英語塾キャタルにご相談ください。学習カウンセラーがお子さまの目的やレベルに合わせたカリキュラムを提案させていただきます。