グローバル人材の幼少期は?世界で活躍中の元キャタル教師 河野さん | バイリンガルへの道

グローバル人材の幼少期は?世界で活躍中の元キャタル教師 河野さん

グローバル人材の幼少期は?世界で活躍中の元キャタル教師 河野さん

グローバル人材がいかにして育つのか、世界で活躍中の元キャタル教師の3名にインタビューを実施し、どのような幼少期を過ごしたか、グローバルで活躍するために必要なことを聴きました。

一人目の現役グローバル人材の河野裕人さんは、早稲田大学先進理工学部在学中にキャタルのスタッフとして活躍し、大学を卒業後、現在は独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC)に勤務しています。
英検1級、TOEIC990点、TOEFL104点の高い英語力と、成長過程で身につけたコミュニケーション力を武器に、世界を舞台に仕事をして3年半。
まさにグローバル人材として活躍中の河野さんに、これまでどのような勉強や経験をしてきたのか、インタビューしました。

河野さんが勤めている機構が主催した国際会議でセッションモデレータを務めたときの写真。 「通り一辺倒の対応では講演者も飽きてしまうので、できるだけ日本に興味を持ってもらうよう、日本にまつわる話を盛り込みました。」

河野さんが勤めている機構が主催した国際会議でセッションモデレータを務めたときの写真。
「通り一辺倒の対応では講演者も飽きてしまうので、できるだけ日本に興味を持ってもらうよう、日本にまつわる話を盛り込みました。」

在米時に身につけた英語を日本で伸ばした

どのように英語力を身につけましたか?

親の仕事の都合で、2歳から7歳までアメリカに住んでいましたので、幼少期は英語を身につける環境が用意されていました。
小学校2年生で帰国して、啓明学園(東京都昭島市)で高校卒業まで過ごしました。
啓明学園は幼稚園から高校まであり、私がいた時は、海外に住んでいたとか親が外国人であるというような、何らかの海外との接点がある生徒が3分の1以上を占めていました。ですので、クラスで誰が何語をしゃべっていても当たり前、という環境でした。

多様な生徒に対応できるように、例えば受験して入学してきた日本人の生徒も、英語の特別なカリキュラムが用意されていますし、帰国子女でも日本語がちゃんとできる生徒であれば日本語で授業を受けます。海外から帰ってきたばかりで日本語が不安な生徒には国際学級というのが用意されており、中学から入学したけど小学校の漢字からやりましょう、などというように、個々に合ったカリキュラムが用意されていました。
最近はこのような対応ができる学校が増えてきているようですが、当時は私の近くには啓明学園しかありませんでした。

帰国子女であっても、まだ幼い時に帰国してしまうとバイリンガルになれない人が多いです。ほとんどの人が、小中高と学年が進むにつれて英語力は落ちていくんですね。危機感を持って留学してみても、幼少期に身につけた発音はもうできなくなっているという人が私の周りにもたくさんいました。
私の場合は、啓明学園で毎日友だちと英語で会話していたので、英語力を下げることなく成長することができたのは幸運だったと思っています。

日本にある、アメリカ現地校のような学校

なぜ啓明学園を選んだのですか?

両親は7歳の私が通う学校を自分で決めさせてくれました。
母は家から近い公立の小学校と啓明学園の両方を見学しに連れて行ってくれました。
公立の小学校に行ったときはみんな日本人で、どんどん話しかけてくれたのですが、私はアメリカでもインターナショナルスクールではなく現地校に通っていましたから、日本語を話す環境がなかったんですね。家でも、親が日本語で話してきてもそれに英語で答えていたと思います。だから、公立の小学校で話しかけられても答えられず、不思議な目で見られていました。
一方、啓明学園に行ってみるとそういう雰囲気は全くなくて、私のような日本人の顔をしている人も普通に英語で話していたので、アメリカにいた頃の環境に近い方がやはり心地良く感じられたので啓明学園を選びました。

グローバル人材として活躍できる国際性は授業で身につけた

日本にいながら国際性を身につけることができたのはなぜですか?

「国際性」というのは、国際社会で生きていくために必要な「自分の意見を伝える力」が身についているかどうかだと思うんです。私の場合、その力は啓明学園の授業で身についたと思っています。
日本の授業で一般的なのは、先生が一方的に話して黒板に書いたことを、生徒がひたすら写すという授業ですが、啓明学園での英語の授業は、それとは全然違い、みんなで答えを考えよう!というスタイルでした。その部分は私が以前通っていたアメリカの現地校と同じでした。

学期ごとに一冊の課題図書が渡され、それをみんなで読むんですね。
例えば、家でチャプター1を読んでくるというのが宿題で、学校ではどういう話だったかみんなで確認した後、先生からその本の書かれた時代背景や作者がどういう人なのかという知識のインプットがあります。
それを踏まえて、この主人公の発言は何に基づいているんだろう、作者の意図はどういうものだろう、などというテーマについてみんなで考えてディスカッションして、それを発表するという流れです。
とにかく「なぜだろう」「どうして」を考えて、相手に伝えるんです。この授業のいいところは、正解がないことだと思います。作者がどう考えているかなんて、作者本人じゃないとわからないので、誰の意見も正解になり得るんです。
こうやってみんなから出たさまざまな意見を先生がうまくまとめ、最終的にこれはこんな本でしたね、という結論がでます。

こういった授業から、国際社会で生きていくのに大切な自分がどう考えているか、なぜそう考えるのかを発言することができる素地が整ったと思っています。
学校生活でも、国際交流の時間がありましたが、その人たちとの交流の時間よりも日々の英語の授業での議論やインプットが、役に立ったという実感があります。

大学院時代のニュージーランド旅行。「海外旅行が趣味です。暇さえあれば海外に行っています。英語が話せる、というアドバンテージがあることで世界どこに行っても臆せず、現地の人とコミュニケーションをとったりできます。」

大学院時代のニュージーランド旅行。「海外旅行が趣味です。暇さえあれば海外に行っています。英語が話せる、というアドバンテージがあることで世界どこに行っても臆せず、現地の人とコミュニケーションをとったりできます。」

教師が生徒のロールモデルになれる塾

それはキャタルのレッスンと相通じるところがありますね

そうなんです。キャタルでは、一冊のストーリーブックを読んで進めていくのですが、レッスンの中でなぜ?どうして?を生徒に問いかけて考えさせるということをしています。

私がキャタルをスペシャルだなと感じているのは、他の、英語を使って遊ぶ子ども向けの英語塾や、または文法中心の受験対策のための英語塾とは一線を画しているところなんです。
キャタルのやり方は、将来海外で働きたいとか、英語を使った仕事をしたいとか、外国の友達を作りたい、と思っている子どもたちの将来には非常に役に立つと思います。
たぶんそれは、英語力だけでなく、モチベーションアップにも寄与していると思います。ここでは教師はみんな英語しか話さないし、周りにいる日本人の生徒も英語を話しているわけですから、恥ずかしいとか間違ったら嫌だな、と思うことなく、誰もが抵抗なく英語を話す環境ができています。
さらに、教師と先生の距離がとても近いので、英語が話せるようになるとこんな経験ができたよ、こんなに楽しいことがあったよ、という英語ができることで得られる経験を直接伝えてあげられて、先生がその子のロールモデルとなることはキャタルならではですね。

海外で仕事がしたくて選んだ職場

なぜ今のお仕事を選んだのですか?

小さい頃から理科が好きだったこともあり、大学では化学を専攻し、大学院に進む際にエネルギーの勉強ができる研究室を選びました。そのため就職先もエネルギー関連を考えていました。
日本の社会や経済を支えている主要なエネルギーというと、石油や天然ガスです。となると、日本ではガソリンスタンドで有名な企業が候補に挙がりますし、同期にもそういうところに就職した人がいます。
しかしそういう企業は、製油所が日本にあるので、仕事の舞台も日本だろうな、と想像しました。私は海外を舞台に、英語を使って仕事をしたかったのです。一方、外資系で働くという手もありましたが、ガツガツ働くイメージがあって私の性に合わないと思いました。
日本の企業だけど海外でエネルギーの仕事ができる、その中で受かったのが今いるところでした。

常に英語を使える環境が欲しい!

海外で仕事をしたいというのは、持っている英語力を発揮したいということですか?

まさにそうです。大学に6年間いて感じましたが、大学って英語を使わないんですよね。英語の授業は文法ばかりだし。論文を英語で読むことはありましたが、読んだり単語を調べたりでインプットだけ、アウトプットは日本語なんですよね。だから全然足りなくて。
また、読んだり書けたりできても話せないとコミュニケーションはできません。話せるからこそ人と知り合えるしビジネスが進むんだと思うんです。

実はキャタルに入ったのも自分の英語力低下を少しでも緩やかにしたいという気持ちからだったんです。英語を話す環境に身を置かなければ、と思いキャタルに来ました。大学2年生から卒業まで教師として働きました。
使っていないと英語力は保てないと思います。だから私は常に英語を使える環境を欲しています。

バイリンガルだからビジネスチャンスが掴める

バイリンガルであることや自分の意見を持っていることが、今のお仕事にどのように役立っていますか?

私の仕事は、海外で技術営業をすることが多々あり、現地の人とビジネスの話をする機会があります。
日本人は英語でプレゼンはできるんですよ。その後に質問が来たりディスカッションになるとおどおどしてしまう。これは英語力だけじゃなくてコミュニケーションの問題でもあるかもしれませんが、仕事の後にじゃあご飯でも行きましょう、という際にも、自分のことは話さずに静かただ座っているだけという人が多いです。
相手のことに興味を持って、何気ない会話から相手のことを引き出して、打ち解けるような英語はビジネスにおいてもとても大事だと思うんです。

新人だった頃、海外でキャンペーンをする際に「河野くんは英語が得意だから展示会でこれを紹介してきて」と駆り出されることがありました。
今でも、技術のことは私よりも先輩やプロフェッショナルの方のほうが詳しいですが、私はその方たちと一緒に海外でプロモーションをする中で、何気ない会話の中からそれ以外のことを聞き出すことを意識するようにしています。ビジネスの目的はそのプロモーションですが、他に何か困っていることはないか、他に興味を持っていることはないか、実は私たちはこんな技術も持っていますよ、という別のアプローチをすることによって、新たなビジネスチャンスを掴むことを心がけています。

海外の展示会で説明員として活躍したときの写真。「日本の団体であることをアピールするためにハッピに着替えました。ブースを訪れる人の対応はもちろん英語。技術的な説明にも全編英語で対応しました。英語でプレゼンをすることは、社会人であればほとんどの人ができると思います。しかし、展示会のようにどのような質問が飛んでくるかわからない状況ですの対応に苦労する人もいるのではないでしょうか。そういった点では、文法に偏らない実践的な英語力を身につけておくことは重要であると感じます。」

海外の展示会で説明員として活躍したときの写真。「日本の団体であることをアピールするためにハッピに着替えました。ブースを訪れる人の対応はもちろん英語。技術的な説明にも全編英語で対応しました。英語でプレゼンをすることは、社会人であればほとんどの人ができると思います。しかし、展示会のようにどのような質問が飛んでくるかわからない状況ですの対応に苦労する人もいるのではないでしょうか。そういった点では、文法に偏らない実践的な英語力を身につけておくことは重要であると感じます。」

親に感謝しているのは7歳の私に決めさせてくれたこと

グローバルに成長するために、親がしてくれたことは何ですか?

さきほどの、小学校を7歳の私に決めさせてくれたことがそうですね。私は、自分で選んだ所だから言い訳できず、一生懸命学習に取り組んできました。
親は、どうやったらせっかく身につけた英語を維持しつつ、かつ正しい日本語を身につけることができるか、それを考えていろいろ調べてくれたんだと思います。普通であれば、近所の公立の学校に行くと思います。またはインターナショナルスクールという手もあったはずですが、それはバイリンガルになることを望んでくれていた私への選択肢にはなかったです。インターナショナルスクールだと英語は磨かれるけど、日本語の勉強にはならないですから。

私は2歳から7歳までアメリカにいましたが、実はそれを延長する話もあったそうです。でも、母親の強い希望で打ち切って帰ってきました。それは、私の日本語力に危機感を持っていたからなんです。日本国籍で日本人の顔をしているのに、日本語はしゃべれない。このままだとアイデンティティを喪失してしまうと不安だったと言っていました。
実際、当時の私は自分のことをアメリカ人だと思っていました。アメリカに住んでアメリカの学校に行ってアメリカ人の友だちと遊んでいましたから。母は、あなたは日本人なんだよ、と伝えたかったのだと思います。

日本に帰ってきて大学まで10年、アメリカの生活より長くなり、ようやく自分が日本人であるというアイデンティティを持てるようになりました。このように導いてくれたことを親に感謝しています。

今は日本が好きです。だからこそ、海外に留学することも外資に就職することもなく、日本の大学に行って日本の企業に就職することを自分で選択しました。
日本のために海外で働きたいと思っています。そして余生は日本で暮らしたいし、死ぬ時もやっぱり日本がいいですね。

子どもに問いかけ、多様な経験を

お子さんに「グローバルに活躍してほしい!」と考えている親御さんにアドバイスを

とにかくアウトプットが大切だと思います。なぜ?どうして?をどんどん問いかけて、考えさせて、意見を言わせてあげてください。
日本にいると、勉強はひたすらインプットなんですよね。とにかく暗記して得た知識をそのまま吐き出す、それがずっと日本の大学入試でした。インプットは確かに重要ですが、それに対して自分の感性や感じたこと、これまで経験したことを合わせて、自分の言葉にして返す、それができるようになるためには、いろんな視点に触れさせなくてはいけません。

例えば国語だったら、先生が言っていることがたったひとつの正解だと思ってしまうかもしれません。でも他の人の意見を聞くことによって、いろんな考え方や感じ方があるんだなぁと気づきます。
大人がたくさん問いかけてあげることと、さまざまな経験をさせてあげることが、視野を広げて自分の意見を言える力につながっていくと思います。

私の場合はたまたま親の仕事で5年間アメリカで生活できましたが、そういう環境にはない人がほとんどだと思います。でも海外経験がなくても私に似た環境に身を置けるとしたら、それはキャタルだと思います。
自分が働いていたのでわかりますが、キャタルは100%英語の環境で、ストーリーブックを読み、教師がいつもなぜ?どうして?と問いかけています。日本にいながらにして、バイリンガルになりグローバルな力を身につけるためには、キャタルで学ぶことを提案します。

河野さんの学生時代のバイリンガルストーリーはこちら

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