語学を学ぶコツはその言語を愛すること。上智大 斎藤さん


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斎藤さんの海外歴と学校歴

0歳〜2歳 ルクセンブルグ
2歳〜8歳 日本
8歳〜14歳 アメリカ ニュージャージー州 現地校
15歳〜18歳 国際基督教大学高等学校
18歳〜 上智大学 外国語学部フランス語学科

 

英語の所持資格

英検1級、TOEFL iBT 104

 

母のサポートで「しゃべりたい!」という気持ちを力にした

-海外で苦労したことは何ですか?

学校でも家でも勉強漬けだったことです。引っ越した当時は全く英語が話せず、現地校だったので授業についていくのも大変でしたが、家に帰ってからも大変でした。小学校2年生レベルの宿題を終わらせるのに毎日夜10時までお母さんに手伝ってもらいながらやっていたのを今でも覚えています。例えば算数の問題でさえも、日本の計算ドリルのような計算問題がずらりと並んだ問題ではなく、文章問題が多かったため、問題を解く前にまず文章の意味を理解する事から始めました。寝る前には教科書をまた読み、少しでも早く英語をしゃべりたいと予習も欠かさずしていました。
最初の4年間は日本に帰りたいと思っていましたが、最後のミドルスクールの2年で仲の良い友達ができ、それまでのことが帳消しになるほどいい思い出です。今では諦めずに英語を頑張ってよかったと思っています。

 

小学生で読みやすく秩序だった文章作りを叩き込まれた

-海外での教育はどんな感じでしたか?

日本の学校でいう「国語」の授業はリーディングとライティングの2つに分かれていて、毎日この授業がありました。リーディングの授業では何冊もの本を読み、チャプターごとにあるシーンでの主人公の感情の変化であったり、このシーンはストーリー全体にどのような意味をもっているのかなど、クラスでディスカッションをして、時には小グループでお互いの意見を発表したりしました。
ライティングの授業では先生にテーマを与えられて自由に書くジャーナルがありました。毎月その月に合った物語、12月であればクリスマスにまつわるものなどを書き、先生に添削してもらい、清書したものは教室に飾られていました。小学校の時点で相手に読みやすい、理解できる文章の書き方を教え込まれ、秩序ある書き方やスターティング(キャッチーかどうか)を考えたりしていました。それが違う視点からの書き方を習得することになり、クリエイティブライティングの授業などでアドバイスができるようになりました。 

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ミドルスクール卒業プールパーティにて 一番右が斎藤さん

 

英語漬けの環境で英語を身につけていった

-英語をどのように身につけたのか?

小学校を卒業するまで住んでいた地域は日本人が少なく、学校には日本語を話せる生徒が一人もいなかったので、家族以外とは日本語を全く話さないという状況でした。当時は辛かったですが、今振り返ると英語を学ぶには非常に良い環境だったと思います。特に英語を学ぶために何かをしたという訳ではなく、英語漬けの毎日の中で自然と身に付いたのだと思います。また、私はテレビっ子だったので、よく家でアメリカの子供達に人気のディズニーチャンネルやスポンジボブを弟と一緒に観ていました。まだ英語が話せない頃は何を言っているのかわかりませんでしたが、言っていることがわからなくても笑うツボは一緒なので、爆笑しながら見ていた覚えがあります。そういう環境に置かれたことで辛くても英語を身につけられたのだと思います。

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初めてのtrick-or-treating 右から2番目が斎藤さん

 

バイリンガルだからこそ世界の生徒と学べた

-バイリンガルでよかったと思えた瞬間とは?

高校2年生の時にSGLI (Student Global Leadership Institute)というプログラムに参加し、世界中の生徒と学ぶ機会が与えられたことです。2週間ハワイのPunaho School (アメリカのオバマ大統領の母校)で世界中から集まった生徒達とあるテーマについて学んだり、ディスカッションをしたり、プレゼンテーションをしました。私が参加した年のテーマはFoodだったので、自分たちで食に関する質問をいくつか考え、街頭アンケートを行ったりもしました。
食べ物に関する学びだけでなく、他国の同い年の子達の発言力や自分の国に対する関心や知識に圧倒され、様々なことを吸収できた2週間でした。特に他の国の生徒は、発言力が強く、相手に伝わるまで徹底的に伝えようとする意志に、それまで同級生など身近な人としかディスカッションを行ってこなかったので伝える技術からして違うと感じました。
この経験もバイリンガルであったからこそ経験できた事であり、バイリンガルであることによって可能になることはたくさんあると思います。
 

キャタルで働いたからこそ言語に興味がわいた

-将来実現したい夢は?

今は自分の生まれ故郷のルクセンブルグに行って、現地の人とフランス語で会話をする事が夢です。日本では店員さんと世間話をするという事はあまりないですが、アメリカではレジでお客さんと店員さんが会計をしながら世間話をすることが多いです。同じような事をルクセンブルグでもフランス語でしてみたい、というのが私の小さい頃からの夢だったので、是非叶えたいです。そのために今フランス語を勉強中です。

また、キャタルで働いてから英語を子供たちに教えることで、より言語学に興味がわいて、社会文化と言語の関係についても学びたいと思っています。それも含めて、フランスへ留学をしようと決めました。
 

言語を使いわけることで表現していきたい

-日本に帰国後、英語力維持の方法は?

ICU高校では2/3が帰国生で、英語の授業では実際にアメリカの高校で指定されている本を読んだり、エッセイを書く課題が出されていたので英語力を維持できていたのだと思います。大学では高校に比べ英語を学ぶ時間は減ってしまいましたが、英語で開講されている授業を取ったり、洋書を読んだりしています。スピーキングはキャタルで生徒達や他の先生方と話したり、アメリカの友達とskypeをしているので、それで維持しています。

私自身、高校に入学する前に日本の学校に入っていたのですが、その時は英語と日本語を混ぜて話すことができず、苦痛でした。その点、ICUでは使いたい言語で表現して大丈夫な雰囲気が自分にとても合っていると思います。英語でしか表現できないこともあるので、今は話しているトピックによって言語を使い分けています。
 

国によって違うとらえ方を色々な言語から学びたい

-なぜ今の大学に進学を決意したのか?

ルクセンブルグ生まれということもあって、昔からフランス語に興味がありました。日本語と英語以外の言語を身に付けたいという思いから上智大学のフランス語学科への進学を決意しました。

小学校5年生の時に1か月ほど福岡の小学校に通ったことがあるのですが、その時に広島の原爆のリサーチをみんなで行うことがありました。アメリカでは第二次世界大戦といえばパールハーバーから始まったことというアメリカからの視点でしか教えられていなかったので、同じ内容のことでも日本では全く違うことを学んでいることにびっくりしました。それも含めて、アメリカでの海外経験から異なる視点で物事を捉えるという事を強く意識するようになり、単なる文化の違いだけではなく、同じ出来事であっても報道のされ方や捉え方も国によって異なり、その違いに気付くたびに面白さを感じるようになりました。

日本語だけではなく英語でも物事を捉えられるようになってから、次はフランス語を身につける事でフランス語圏の視点から物事を捉える事ができるようになりたいと思うようになりました。上智大学は海外の大学との協定校が多く、留学がしやすいのと、第2外国語だけでなく、日本語と英語と第3外国語の3つを重視する教育方針であったので、その方針に共感し入学を希望しました。

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友達のバースデーパーティーにて。 一番左下が斎藤さん

 

子どもの英語学習におすすめの1冊

Rick Riordan “The Lightning Thief Series”
全部で5作あり、人間とギリシャ神話の神ポセイドンとの間に生まれた少年のアドベンチャー物語です。ちょうど主人公が自分と同じ年代で、共感できるところが多かったのと、ファンタジーと現実を上手く織り交ぜた本の世界観に魅了され、大好きでした。

 

中途半端な立場だからこその自分の良さ

-ご自身のアイデンティティは?

パスポートは日本人と書いてあるのに生まれはルクセンブルグで、小さい頃の思い出というとアメリカの思い出が強いという状況から、時々自分のアイデンティティに悩むことがあります。つい先日の話ですが、リオオリンピックではやはり日本の選手の活躍を見るたびに嬉しくなり、自分は日本人だなぁと思うことがあったのですが、君が代よりStar Spangled Banner(アメリカの国歌)を先に歌えるようになったので、メダルの授賞式では君が代よりStar Spangled Bannerを口ずさんでしまいます。でも、この中途半端な立場こそが自分のアイデンティティなのかな、とポジティブに捉えています。

また、高校の時は帰国子女が周りに多く、言葉に出さなくても同じ環境で苦労していることを感じていました。日本語と英語混ざっていても何もいわれない、日本で起こっていることだけでなく、アメリカや世界で起こっていることも話題にできることが視野の広さになり、くくりを作っていない分、ポジティブになれたのだと思います。

 

言葉を愛することで学ぶパワーが生まれてくる

-現在、英語を学ばれている方へのメッセージ

私も今現在フランス語と韓国語を学んでいる身なので、語学を学ぶ事がどれだけ大変か毎日感じています。英語に関しては「学ぶ」という姿勢で英語を習得した訳ではないのですが、こんなに勉強しているのにどうして聞き取れないのだろう・・・。本当に話せるようになるのだろうか・・・。とフランス語に関しては不安ばかりです。しかし、街中でフランス語の文章を見るとテンションが上がり、映画で少しセリフが理解できると嬉しくなります。
語学を学ぶコツはその言語を愛することだと思います。「私、語学に向いていないから英語話せない」と言う人がいますが、これは嘘です!愛が少し足りないだけです。言語は1日2日で結果が出るものではないですが、やった分だけ必ず結果に繋がり、努力次第で誰もが習得できます。英語が話せるようになりたいのであれば、とにかく英語を愛してください。本をたくさん読んだり、音楽を聴いたり、映画を見たり、愛し方は自由です。いつか話せるようになったらこんなことがしたい!そんな夢を持って楽しい勉強を継続させていけば必ず話せるようになります。

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8年生の修学旅行で行ったワシントンDC 一番右が斎藤さん


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