猪狩さんの海外歴と学校歴
0歳〜5歳 | アメリカ ニューヨーク州生まれ |
5歳〜8歳 | 日本に帰国 |
8歳〜11歳 | アメリカ ニューヨーク州の小学校(A.P. Willits Elementary School) /ペンシルバニア州の小学校(Bridle Path Elementary School) |
12歳〜13歳 | アメリカ ペンシルバニア州の中学校(Pennbrook Middle School) |
14歳〜17歳 | 日本 桐朋女子中学校・高等学校 |
18歳〜現在 | 日本 早稲田大学政治経済学部 |
英語の所持資格
英検1級・国連英検特A級・TOEIC980点・TOEFL116点 |
バイリンガルになって良かった!と思えた瞬間は?
日本とアメリカにそれぞれ10年間住んでいたので、両方のカルチャーを客観的に捉えることができる点です。英語が話せることはもちろんですが、言語の奥にある文化も理解できたことが大きいと思っています。
ある時、留学生の友人に、「なぜ日本人はマナーがしっかりしているの?」と聞かれた時に、アメリカの個人主義と比較して、「日本は集団意識が強いからマナーがしっかりしているんだよ。農耕の歴史があるから集団で活動することを大切にしていたんだよ。」と私の意見を伝えることができました。
猪狩さんの将来の夢は?
写真とジャーナリズムに関心があるので、フォトジャーナリストになりたいです。
以前は、マスメディアによる情報発信が中心でしたが、インターネット時代に入って、誰もが写真や動画を使ってメッセージを広げることが可能になってきています。
私が伝えたいことは、「すべての人に、同じ人間らしさがある」ということです。
日本とアメリカの両方の生活をして感じることがあります。それは、日本人は相手が可哀想だなと同情する(sympathize)ことはできるけど、共感する(emphasize)という、その人の気持ちになって考えることが、あまり得意ではないのかなと、感じることがあります。
例えば、バスを降りる時にバスの運転手さんに「ありがとうございます」という一言がなかったり。コンビニで何かを買った時に、「ありがとう」と言わなかったり。すごく些細なことですが、人がしてほしいことは共通していると思うので、相手に共感して、行動することの大切さを伝えたいなと思っています。それは国が違っても同じことで、同じ人間なので、みんな同じ人間なんだってことを伝えたいですね。
日本はルールやマナーを守ることは得意ですが、自分の心に従ってアクションを起こすことは苦手なのかもしれません。写真や映像を使って、もっと人間らしい社会づくりに貢献したいと思っています。
小学3年生でアメリカの現地校に入った時の英語の苦労は?
英語が話せなかったので、友達が作りにくかったことが一番の苦労です。転校した時は、新しい生徒だからと、みんなが話しかけてくれたのですが、私が英語を話せないことがわかると、みんなが引いてしまったんですね。英語が話せないと友達ができないと思って、ESL(English as a Second Language)という英語を第二言語として学ぶ人向けの授業に通ったり、自宅でお母さんと音読したり、英語のテレビを見たり、少しずつ英語を身につけていきました。
英語力が一気に飛躍した、猪狩さんの英語勉強法
一気に英語力が伸びたのは、当時流行していたチャットサービスのMSNのおかげです。友達と英語でチャットするので、分からない単語や伝えたい表現は、辞書で調べたり、お母さんに聞いてボキャブラリーを増やしていきました。1年くらい経つと、現地の友達も増えていきました。
英語力が上がってきた時期に本が好きになって、図書館の興味がある本は全部読んでしまったり、毎週末、本屋さんで本を買ってもらいました。あまりに本を読むので、最後には親が「もう本は買わないぞ」みたいな空気を出していましたね(笑)やはり、本を読むことが大切だと思います。
それから、ライティングを伸ばすために、自主的に本の感想文を書いて、先生に添削してもらっていました。文法や内容を細かくチェックしてもらって、それを繰り返しているうちに、ライティングが楽しくなって、上達していきました。
早稲田大学政治経済学部 英語学位プログラム(EDESSA)
2010年に、政治経済学部の中に新設されたプログラムで、すべての授業が英語で行われています。私は、このプログラムの生徒ではないのですが、政治経済学部の生徒は、同じ授業を受けられるので、留学生たちとプレゼンテーションやディベートができ、英語力を発揮する機会を得ることができています。
>>早稲田大学政治経済学部 英語学位プログラム(EDESSA)>>
子どもの英語学習にオススメの本
The Chronicles of Narnia
映画「ナルニア国物語」で日本でも人気ですし、アドベンチャーストーリーなので読んでいて面白いです。
The Twits
「チャーリーとチョコレート工場」を書いた人気作家の本です。意地悪な夫婦に対抗して、動物たちが仕返しするストーリーが面白いです。
Good night moon
絵を見ただけでも内容がわかるので、英語をこれから始めるお子さんにおすすめです。
英語を学ぶ子どもたちにメッセージ
英語は人と人とのコミュニケーションツールなので、英語を習得することで人間関係の幅が広がっていきます。だから、ぜひ英語学習を続けてほしいです。
様々な勉強法がありますが、結局自分がどれだけ勉強に時間を費やしたかで能力に差が出るので、なるべく毎日英語に触れることが大切です。
私も、最初は英語が下手で全然書けませんでしたが、何度も書いて、先生に添削してもらうことによって、ライティングも上達することができました。英語に触れる時間を増やせば、必ず上達するので、ぜひ続けてください。