(左一番前が本間さん)
なぜ、本間さんは3ヶ国語も話せるんですか?
14年間、中央アメリカ南部に位置するコスタリカ共和国で暮らしていました。
国の公用語はスペイン語なので、街での買い物や友達との会話はスペイン語、もしくは英語で、私が通ったインターナショナルスクールの授業は英語が中心で、家では日本語で話すルールになっていたので、3ヶ国語が使えるようになりました。
今振り返ってみると、それぞれの場所(街・学校・自宅)で、それぞれの言語(スペイン語・英語・日本語)しか使わなかったので、それが同時並行で語学力を鍛えたのだと思います。
コスタリカ共和国ってどんな国なんですか?
コスタリカは、スペイン語で「豊かな(Rica)海岸(Costa)」の意味があって、南は太平洋に、北はカリブ海に面している、海の美しい国ですね。
人口は、457万人の小さな国です。街の雰囲気は、ラテンの国なので、すごくみなさん明るくて、元気があって、本当に温かいっていうような表現がピッタリです。すごく自由な国ですね。時間に関しては結構ルーズだったり、ルールに縛られずのびのびと暮らせるような環境でした。
(上段、左から4番目が本間さん)
その後、日本に帰国されますが、高校はなぜICU(国際基督教大学高等学校)を選んだのですか?
一番の理由は、帰国子女が多く、英語力を維持向上できる学校だと思ったからです。他の候補として、東京都立国際高等学校、東京学芸大学附属高等学校大泉校舎を検討していたのですが、英語学習のサポートや規模を考慮して、ICUを選びました。
実は、帰国した時に悩んでいたことがあったんです。それは自分のアイデンティティについてです。自分は日本人だけど、幼少時期は外国で育ち、日本人っぽくなくて、そのことに悩んだ時期がありました。それが、ICUでは、自分と同じような境遇の人たちがたくさんいたので、お互いに理解しあえたというか、居心地が良い環境に入れたかなと思います。ICUはすごく自由で、個人の意見や性格を尊重してくれる学校だったので、のびのび楽しく過ごすことができました。
上智大学に進学されていますが、なぜ上智の外国語学部英語学科を選んだのですか?
候補として、上智大学の国際教養学部も検討したのですが、英語と日本語が学べるベストな環境を考え、上智大学の外国語学部英語学科を選びました。
3ヶ国語それぞれの語学力を維持したり、ブラッシュアップするために取り組んでいることは?
常にやっていることは、本を読むことですね。英語塾キャタルでも読書の大切さを教えていますが、読書は特に意識しています。
スピーキングも、積極的に帰国子女の人と英語で話すようにしていますね。
それから、言葉の「切り替え」をすごく大事にしています。例えば、日本語を使うべきときは日本語の新聞を読むし、英語を使うべきときは、洋書を読んだり、海外の映画を観るようにしています
語学力を鍛えるには読書が大切だということですが、どんな本を読んでいますか?
今は、大学で国際関係を専攻しているので、政治学や歴史的なノンフィクションが多いですが、小説とかも大好きですね。
高校時代は、外国の高校生が読む本を読んでいました。例えば、The Catcher in the Rye(ライ麦畑で捕まえて)、The Great Gatsby(華麗なるギャツビー)、ヘミングウェイですね。好きな作家が何人もいたので、その人たちの本は必ず読んでいましたね。
それから、外国の高校で絶対に読まれる本をリストアップして、Amazonで買っていましたね。
小さい頃大好きだった本は、ロアルド・ダールです。そのシリーズは全部好きでした。一番好きだったのは、マチルダです。
語学を身につける上で、一番大切なことは何だと思いますか?
やはり「継続」だと思います。私の場合は、帰国した時に、日本語に苦労しました。1日で話せるようにはならないので、毎日日々わからないことを1つずつ無くして、分かるようにしていきました。そういった日々の積み重ねが語学力を鍛えるのだと思います。
英語についても、帰国してからアウトプットは減りましたが、読書をしているせいか、英語力も上がっていると感じています。
最後に、海外から日本に帰ってくる帰国子女にメッセージをお願いします。
私も帰国時に少し悩んだアイデンティティについても、同じ悩みを感じる人もいるかと思います。はじめは、自分がどこにも所属していないんじゃないかって不安になるかもしれません。それでも、あなたが海外にいたことや、そこで経験したことは、ほんとうに貴重なことです。
帰国して、はじめは言葉や文化の問題で、環境に適応するのが難しくても、その経験が将来必ず活きてくると思います。自分に自信をもっていろんなことにチャレンジしてみてください。