クリエイティビティを引き出す国際バカロレア(IB)とは?早稲田大・望月さん | バイリンガルへの道

クリエイティビティを引き出す国際バカロレア(IB)とは?早稲田大・望月さん

クリエイティビティを引き出す国際バカロレア(IB)とは?早稲田大・望月さん

望月さんの海外歴と学校歴

2歳〜5歳 アメリカ メリーランド州 Westmoreland Children’s Center
5歳~9歳 韓国 ソウル Seoul Foreign British School
9歳〜12歳 日本 東京 三輪小学校
12歳~14歳 日本 東京 頌栄女子学院中学校
14歳~16歳 タイ バンコク Ruamrudee International School
16歳~19歳 アメリカ ニューヨーク市 Dwight School
19歳〜現在 日本 東京 早稲田大学国際教養学部

英語の所持資格

英検1級、TOEFL 110点、IB diploma取得

自分の学ぶ姿勢が日本とは違った

-ニューヨークの進学校はいかがでしたか?

私は高校時代、ニューヨーク・マンハッタンでIB(国際バカロレア)の授業がある学校に通っていました。私の通っていた学校の生徒はとても勉強への意識が高く、ハーバード大学やブラウン大学などのIvy Leagueの大学を目指す生徒ばかりでした。IBだけでも大変なのに、Ivy Leagueに合わせて高校の授業は、大学レベルの勉強をしていました。放課後に当時やっていたミュージカルの練習、宿題、試験勉強を両立させるのが難しかったです。
でも、IBの授業は単純に宿題が多くて大変というよりも、先生たちが楽しく授業をしてくれて、自分も意見も出しながらディスカッションする形式が多くて、勉強が苦にはなりませんでした。

-IBの授業で印象的な授業は何でしたか?

IBは生徒のクリエイティビティを引き出してくれるプログラムで、ただ覚えるのではなく、自分で考えて、つくる力が養われるものでした。創造力がつくから楽しいし、面白かったです。特に印象的だったのが、演劇の授業です。演技するだけでなく、演出やさまざまなことを自分たちで考え、劇を作りあげていきました。

韓国のインターナショナルスクールでの運動会。右から2番目が望月さん。

韓国のインターナショナルスクールでの運動会。右から2番目が望月さん。

IBは、想像力を養い、色々な知識が増える

-IBの魅力は何ですか?

IBの前のMYP(Middle Years Programme)の時に、パーソナルプロジェクトというものがありました。自分の興味あることを自由に選び、その研究について一年間アドバイザーに見てもらいながら行うプロジェクトで、私は震災の復興に向けた曲作りをしました。

一年間かけて「曲作りとは何か?」をさまざまな角度から探求し、最後に発表する場もあり、ミュージックビデオを作成し、来てくれた方に見せ、発表後にはレポートを作成して、プロジェクトを振り返りました。

友達は、アレルギーの反応が出ない料理本や、木で弓矢をつくった人、自分のドキュメンタリーフィルムを作った人など、人によって本当にさまざまな研究が行われていました。自分たちの想像力を養い、作り上げるために色々な知識を学び、やっていて楽しめるのがIBの魅力だと思います。

-なぜIBの教科にボランティアが含まれているのですか?

IBは教科としてボランティアがあり、人のために貢献することを通じて、人間性を高めてくれます。ボランティアはよい事だと思っていてもなかなか行動に移すのは難しい中で、授業に組み込まれていて、卒業するために何十時間もボランティアを行う必要があります。

私は、12年生の時に1年かけて“Happy Doll Project”をやりました。恵まれない国の子ども達に人形を送るプロジェクトで、小さい子どもにボランティアの説明をしたり、プレゼントの人形を作ったり、Bake Sale(自分で作ったお菓子を売る)で売り上げたお金も寄付しました。

共通の言語である英語が話せることで通じ合えた

-バイリンガルでよかったと思えた瞬間とは?

タイのインターナショナルスクールでは、現地の学生にタイ語ではなく英語で話してもらうようにお願いしてから、共通の言語で会話ができるようになりました。共通の言語があることでコミュニケーションが深まるので、英語はすごく大切だと実感しました。

バイリンガルでよかったと実感するのは、世界中に友達がいるということです。2020年には東京でオリンピックも開催され、これからは外国人観光客も増えていくので、バイリンガルとして外国人のお手伝いができるようになりたいですね。

-英語以外に、どんな言語が使えるのですか?

私は英語、日本語はネイティブで、フランス語は生活できる程度、タイ語は日常会話ができる程度です。英語以外の言語も積極的に身につけています。国連はフランス語が共通語ですし、話せることで仕事やチャンスが増えていくと思います。複数の言語を知っていて損することはないと思います。

英検1級の英語力を手にいれた勉強法

-英語を一番勉強した時期と勉強法は?

私が英語を一番勉強した時期は、韓国から日本に帰ってきた時です。せっかく身に付いた英語力が落ちてしまうのは残念ですし、必死で英語を忘れないように勉強しました。自分の好きな本を見つけて、英語の本を毎晩読んでいました。

また、小学校の間はアメリカ人の家庭教師にお願いして、会話やライティングを続けたり、その後は帰国子女のための授業がある中学校に通ったり、兄と英語で話したり、文法の間違いは気にせず、とことん英語のアウトプットを増やす勉強法を取りました。

-独自の語学学習法はありますか?

自分が好きなので、音楽や映画を通して、言語を学んでいます。フランス語は、フランス語字幕でフランスの映画を見て、わからない単語が出てきたら、映画を一時停止して、単語を調べて覚えました。映画を通じて発音も覚えられるので効率的でした。

すべて英語の早稲田大学国際教養学部の魅力

-早稲田大学国際教養学部の授業はすべて英語ですか?

授業はすべて英語で行われています。大学での授業や、帰国子女・留学生などの友達との会話で毎日英語に囲まれています。大学の音楽サークルに留学生が多くて、サークル活動中も英語で話すことが多く、大学にいる時はずっと英語に触れています。

-なぜ早稲田大学国際教養学部を選んだのですか?

私は物心ついたころから日本に住んだ期間が短く、日本のことについてあまり知らなかったので、日本の大学に通ってみたいと思っていました。しかし、やはり英語がある環境を選びたいと思っていました。兄が早稲田大学に楽しく通っているのを見て、キャンパスも都会にあり、自分には合っていると思い、早稲田大学の国際教養学部に進学しました。

国際教養学部は、幅広い分野の授業を受けることができるのが一つの魅力だと思います。私自身、演劇から法学、哲学までたくさんの事を学びました。このように幅広い分野を勉強して、自分が将来やりたいと思える事を見つけられるのではないかと思います。また、早稲田はグローバルな大学であり、アメリカの大学レベルに合わせた授業もあります。留学生がたくさん集まったサークルなどもあり、世界中の人と友達になれます。

将来の夢は何ですか?

今、興味があることは「伝える」ことです。英語や海外歴を活かして、メッセージを伝えることをやりたいと思っています。日本にいると平和が当たり前だと思いますが、世界に目を向けると平和ではない現実があり、国際関係、世界の紛争、ヨーロッパのテロなど、世界で起きていることなどを寄付などの具体的なアクションがなかったとしても、気にかけることが大切だという事を伝えたいと思っています。

子どもの英語学習におすすめの洋書

Beezus and Ramona

すごくシンプルな物語です。妹がおっちょこちょいで、お姉ちゃんに色々迷惑をかけたり、ちょっかいを出すストーリーで、私も妹なので面白かったです。兄弟がいる人には共感できることが多いと思います。

Amber Brown is not a crayon

自分の親友が引っ越してしまうのに、ケンカをしてしまうストーリーです。短いながらも家族や友人の大切さを感じさせてくれる本です。小学生向けの本ですね。

英語を勉強している人たちへメッセージ

私は今、日本で暮らしていますが、英語がない人生なんて想像できないくらい毎日英語と触れるような生活をしています。英語が話せることによって、私たちは多くのチャンスに出会えると思います。

英語を勉強中のみなさん、時に単語が覚えきれず、嫌になったり、話すのが恥ずかしくて英語をやめたいと思うこともあるかもしれません。しかし、英語が話せることによってあなたの人生は大きく変わっていきます。

もしも英語が嫌になりかけたら、自分の趣味と英語をつなげてみたら、楽しく学べると思います。私は現在フランス語を勉強していますが、初めは単語を覚えるのが大変でした。

それでも、音楽や映画鑑賞が私の趣味なので、フランスの音楽を聴いたり、映画を観たりしているうちにどんどんフランス語を理解できるのが楽しくなりました。自分の趣味と結びつけられたら、もっと楽しく言語を学べると思います。これからも英語学習を頑張ってください!心から応援しています。