この記事では、英語学習方法シャドーイングの効果や、オーバーラッピングとの違い、効果的なやり方などを紹介していきます。
シャドーイング、名前は聞いたことがあるけどイマイチよくわからないという方。あなたが抱える英語学習のお悩みも、このシャドーイングで解決できちゃうかもしれません。英語4技能リーディング、ライティング、リスニング、スピーキングは、それぞれ効果的な英語学習方法を組み合わせることによって英語力を上げていきます。
今回は、シャドーイングでどのように英語力が上がるのか、ご自宅でもチャレンジできるやり方などもご紹介します。
シャドーイングとは
シャドーイング(Shadowing)は、英語を聞きながらマネして発音する通訳訓練法のことです。スクリプトなしで、聞いた英文を瞬時に発音します。
英文を聞き終えてから繰り返す「リピート」とは異なり、シャドーイングは、聞こえてくる英文のすぐ後ろを影(shadow)のように追いかけるのがポイントです。
オーバーラッピングとの違い
英語能力訓練方法の一つである「オーバーラッピング」とよく混同されますが、違いは文章(スクリプト)を使うかどうかです。オーバーラッピングは文章を読むため、音声と同時に発音していきますが、シャドーイングは文章なしのため、音声よりも自分の声が少し遅れます。
どちらもリスニング力やスピーキング力に効果がありますが、シャドーイングの方は「聞いたものを話す」ということを瞬間的に行う必要があるため、オーバーラッピングよりレベルの高い方向けの学習方法です。
シャドーイングの効果
それでは、シャドーイングを行うことでどのようなことが期待できるのか、こちらにまとめていきます。
聞き取れる音が増える
音をマネして口から出すことで、聞ける音も増えていきます。これは脳の仕組みによって、「口から出せない音は聞くことができない」という原理に基づいています。そのため、口から言えるようになると、耳からも聞くことができるのです。
脳の仕組みから効果的な英語学習を!集中できるバイリンガル脳をつくる秘訣とは「聞く」「話す」スピードが上がる
音声のスピードを追いかけながら「聞く」「話す」を同時におこなうため、音声のスピードについていけるようになれば2技能のスピードを上げることができます。
抑揚や区切りなどイントネーションの改善
お手本となる音声を聞いて、マネして話すことで、抑揚や区切りなどのイントネーションを掴むことができます。イントネーションには基本的な型があるので、マネをすることが一番の近道になります。
シャドーイングで解決できる課題・悩み
シャドーイングの効果に基づいて、シャドーイングで解決できるよくあるお悩みをご紹介したいと思います。
こんな人は、ぜひシャドーイングをしましょう!
- ネイティブの発音が聞き取れない
- 発音がカタカナ英語のようだ
- スムーズに話せない(単語と単語の繋ぎ方や区切りがわからない)
このお悩みを抱えている方は、学習方法にシャドーイングを取り入れることで改善することができます。
シャドーイングの準備
シャドーイングを始めるには、まずは準備が必要です。
定型文(フレーズ)を利用しよう
シャドーイングは文章なしで発音の練習を行うため、短い英文を利用することをおすすめします。特に、会話などでよく使われる定型文(フレーズ)を使うと、意味を頭で考える必要がないため、マネをすることに集中できます。
定型文(フレーズ)が口から自然と出てくるまでシャドーイングの反復練習を行えば、英語での会話もスムーズになるので一石二鳥です。
音声があるものを利用しよう
シャドーイングはお手本となる音声を聞く必要があるため、もちろん音声がないと始まりません。できればCDなどの教材がついているものが良いですが、簡単なフレーズだと、動画やポッドキャストなどを利用することもできます。
文章(スクリプト)が必要ないということは、実は移動中や入浴中など、場所を選ばずに練習ができるため、シャドーイングはどこでもできる学習法なのです。
シャドーイングの効果的なやり方
音声を聞く
まずは、お手本となる音声を一度聞いてみましょう。簡単に英文の内容を理解します。
音声をマネしながら発音する
音声を聞きながらマネをして発音します。この時、抑揚や区切りなどのイントネーションに注意しながらマネをすることが大切です。
発音する様子を動画に撮る
動画に撮ることで、自分の発音を第3者目線で確認することができます。この時、自分の声だけでなく音声と一緒にシャドーイングしている姿を撮ってください。
また、録音でも良いですが、できれば動画で撮ることをおすすめします。動画では、自分の口の動きや、口がどれくらい開いているかをチェックすることができます。
音声と自分の発音を比べる
音声と自分のシャドーイングを比べて、まずは褒めるところを見つけましょう。声の大きさ、抑揚、スピード、どこが上手にできているでしょうか?
良いところが見つかったら、次はもっと上手になるために何を改善したら良いかを1つ見つけます。ここでは、欲張らずに1つだけで大丈夫です。一度にアレもコレも改善しようとするよりも、一つのことに集中して気を付けたほうが上達しやすい傾向があります。焦らず、一つずついきましょう。
音声に近づくように繰り返し練習する
英語力を上げる秘訣は、「誰でもできる」ことを「誰もできないくらい続ける」ことです。反復練習なしで上達はありません。シャドーイングも同じです。見つけた改善点を1つずつ良くしていくことで、スピーキング力、リスニング力を上げていくことができます。
この繰り返し練習をするためにも、まず「褒める」というのが大切です。改善点ばかり探していては、モチベーションを維持することが辛くなってしまいます。自分で成長を実感することは、英語学習を続けていくためにとても大切なことです。
前回よりも上手になったところを、自分自身でしっかりと認めて、褒めるようにしましょう。
シャドーイングが難しいと感じたら
ここまで読んでみて、自分には難しそうだなと感じた方はいるでしょうか?その場合は、まずは「音読」で練習をすることをオススメします。
音読は、書いた字のごとく「読む」ので、文章(スクリプト)があります。キャタルが推奨している音読はオーバーラッピングを取り入れているので、音声(CD)のマネをしながら音読をします。
教材は英語の児童書を使用するので、ストーリーを読む楽しさも感じることができます。定型文(フレーズ)は飽きたという方は、ぜひ音読をやってみてくださいね。