この記事では、お子さんの英語学習に役立つおすすめの本7冊についてまとめました。読書には、時には人生の可能性が広がるような素敵な出会いが待っています。初心者でも挑戦しやすいネイティブが幼少期に読む定番から、キャタルのレッスンで実際に使用している児童書(ストーリーブック)や名著など、おすすめポイントを添えてご紹介します。
英語学習における「読書」の有効性と効果的な学習法を紹介します!Frog and Toad are friends(ふたりはともだち)
キャタルのレッスンで教材として使用されている本であり、且つキャタル代表である三石が一番お気に入りであるというシリーズの一冊をご紹介します。
Frog and Toad are friends(ふたりはともだち)
著者:Arnold Lobel(アーノルド・ローベル)氏
シリーズで大人気!読むだけで心が温まる、かわいい友情の物語
こちらの本は、アメリカでとても親しまれている児童文学書シリーズの一冊目であり、日本でも「がまくんとかえるくん」という名で知られています。登場人物である「がまくん」と「かえるくん」の友情が描かれた物語であり、二人のかわいいやり取りにほっこりとする短編集です。それほど難しい英語は使われておらず、英検でいうと5級相当のレベルになります。一つ一つのお話が短く分かりやすいので、どんどん読み進めることができるだけではなく、この本を通してフォニックスを習得することが可能なので、簡単な英語の文章を読めるようになってきたお子さんなどにオススメです。
文化の違いを楽しもう
また、このような児童文学書を読むことで、文化の違いを気軽に楽しむことができます。例えば、“Today, you look very green even for frog.” というフレーズが、お話の一つに出てきます。こちらは、かえるくんが具合を悪くして寝込んでしまった際に、がまくんがかえるくんへ言うセリフです。このセリフにある green ですが、単純に「緑色」という意味で使われているのではなく、もう一つの別の意味を含んでいます。それは「具合が悪い時の顔色」ということです。日本語では、具合が悪い人の顔色を「青い」や「青白い」などと表現しますが、英語ではgreenというのです。こちらのセリフは、具合が悪い時の顔色を表す green と、かえるくんの本来の色である green がかけてあるフレーズとなっています。「かえるにしても、すっごくグリーンだね」と、がまくんがかえるくんに言っているのです。
英英辞書で意味を調べてみよう
キャタルのレッスンでは、こちらの例文を音読し、さらにgreenを英英辞書で調べます。すると、今までgreen=緑だと思っていたことが、辞書にはそのように書かれておらず、「具合が悪い時に使われる色・言葉」と載っていることに気が付きます。このように、見慣れた英単語を改めて英英辞書で調べるということも、英語学習において有効な方法の一つです。
英単語の正しい覚え方!語彙力を強化する効率の良い学習方法を徹底解説しますThis is a book(ディス・イズ・ア・ブック)
「英語でジョークが言えるようになる」というのは、多くの英語学習者が目標としているレベルの一つではないでしょうか。海外の人々と話す時に、簡単なジョークをサラリと混ぜながら会話をする姿はとてもかっこよく、憧れる方が多いかと思います。今回は、アメリカのコメディアンが書いた英語のジョークの本をご紹介します。
This is a book(ディス・イズ・ア・ブック)
著者:Demetri Martin(ディミトリ・マーティン)氏
「言葉で遊ぶ」ことがベースとなる英語のジョークを学ぼう
この本の著者であるディミトリ・マーティンさんは、作家ではなくアメリカのスタンドアップコメディアンです。スタンドアップコメディアンは、日本のお笑い芸人とは少し異なり、どちらかというと落語に近いイメージで芸を披露します。一人でステージに立ち、ストーリーを話す中で観客を笑わせるというスタイルであり、その内容はとても知的で、言葉遊びを巧みに利用したものが多いです。
ディミトリ・マーティンさんは、自身が絵や文章を書くことが好きであることがきっかけで、このジョークの本を書いたとされています。本の中では、様々なジョークやダジャレがいたるところで登場し、言葉を使って遊んでいる様子が分かります。読んでいてとても楽しいというだけではなく、文法のリズムや使い方なども同時に勉強することができる本となっています。
感情を色で表すフレーズを学ぼう
英語には感情を色で表すフレーズが非常に多く、例えば “I was red with anger.”「怒りで真っ赤になった」や “I was blue with fear.”「恐怖で青ざめた」、“I was green with envy.”「嫉妬で緑になってしまった」などといったように表現されています。
本の中に “How I felt” という名のお話がありますが、こちらではこのような色を使った表現を利用し、全てのものを大げさに色で表すということがされています。“The table was brown with wood.” や “Her eyes were blue with blue.” などといった、読み手がつい「そりゃあそうでしょ(笑)」とツッコミを入れてしまいたくなるようなレベルで、全てのことが色によって表現されている内容となっています。
言葉で遊ぶという行為はとても英語らしく、このようなジョークの本には言葉遊びのヒントがたくさん詰まっています。みなさんも、言葉で遊べるかっこいい自分になってみませんか?
Brida(ブリーダ)
皆さんは本を読んでいる際、心に響くような言葉を見つけたり、美しい表現に魅了されたりした経験はありますか?そのような体験を通して知る言葉は、私達の心にいつまでも残るように感じます。本日は言葉の使い方が非常に上手な、美しい本を書く有名な作家パウロ・コエーリョさんの本をご紹介したいと思います。
Brida(ブリーダ)
著者:Paulo Coelho(パウロ・コエーリョ)
美しい描写の中で印象に残る言葉を紙に書き留めよう
アイルランドに住むブリーダという女の子が、古代から伝わる魔術や神秘術、知の探究を求めて冒険していくストーリーです。本の著者であるパウロさんは、言葉を使った景色の描写が非常に上手く、本を読むだけでまるで自分がその世界の中にいるかのような気持ちにさせてくれます。アイルランドの自然を感じながら、ストーリーに合わせて変化していく情景を楽しむことができる一冊となっています。
引用で読者を魅了する表現を楽しむ
本の中では、イギリスの詩人William Blake(ウィリアム・ブレイク)が書いた詩が紹介されています。
“What is now proved was once only imagine.”
「今すでに証明されているものは、以前は想像しかされていなかった。」
私達が現在、普通だと感じていることは、かつては普通ではありませんでした。人が想像したものは、時代が進むにつれていつの日か実現し、それが「普通」と呼べるようになるところまで成長してきたのです。なので、たとえ今の時点であり得ないと思うような想像であっても、想像さえすればそれがいつの日か現実のものとなるかもしれないという意味が込められています。
欧米の本の特徴として、詩人の言葉を綺麗に引用し、読者を上手く魅了していく傾向があります。詩を本の中で上手く引用することは、言葉を上手く使って物事を表現することと密接に繋がっているのです。
日本語と英語の描写の違いを楽しむ
また、英語は “Straight to the point.” が美徳とされているため、物事を簡潔に述べる傾向があります。逆に日本語は、中心となる内容を描写するために、その周りを描写することによって伝える傾向があります。周りの様子を感じ取り、状況を察するということが大切な言語であり、英語も日本語もそれぞれの良さを持っています。
このフレーズに着目!
こちらは、この本に出てくる一文です。
“We are responsible for the Universe, because we are the Universe.”
「私達は宇宙に対して責任を持たなければいけない。なぜなら私達自身が宇宙なのだから。」
書いている内容は当たり前のことと感じるかもしれませんが、その当たり前だと感じることをこのようにちゃんとした言葉で表すということが、英語の持つ「言葉の良さ」なのです。
I Am Malala(アイ・アム・マララ)
I Am Malala(アイ・アム・マララ)
著者:Malala Yousafzai(マララ・ユスフザイ)氏
美しい英語で綴られた「教育は世界を変える」というメッセージ
“One child, one teacher, one pen, and one book can change the world.”
「一人の子ども、一人の教師、一本のペン、そして一冊の本が世界を変えられる」
この言葉は、2013年にマララさんが国連で演説を披露した際に発した大変有名な言葉であり、本の最後の方にも記されています。この言葉からは、教育によって世界を変えることができるという彼女の力強いメッセージを読み取ることができます。演説が披露された会場では、全員が彼女にスタンディングオベーションを送ったと言われています。
マララさんが世界的に知られるようになった事件
この本の著者であるマララ・ユスフザイさんは、パキスタン出身の女性であり、これまで女性教育の必要性や女性差別を訴える運動を続けてきました。マララさんのことが世界的に知られるようになったきっかけは、2012年に発生した銃撃事件です。
当時、女性教育を支持する活動を活発に行っていたマララさんは、女性教育に対し反対の考えを持つ武装勢力ターリバーンから命を狙われてしまいました。まだ10代であった彼女は、通っていた中学校から帰宅するため、スクールバスに乗っていました。すると突然、複数の男がバスに乗り込んできて、彼女を銃撃したのです。
一命を取りとめたマララさんは、このような目に合ったにもかかわらず、これまで行ってきた活動を止めることなく女性差別を訴え続けました。彼女のこの勇気ある行動が世界中で評価され、2014年にノーベル平和賞が授与されました。
こちらの本には、マララさんの生い立ちや家族、ターリバーンに銃撃された時の話、そしてその後どのようにして現在の活動に至ったかということが全て書かれています。
本に記されている英語はとても美しく、英語学習者にとって参考となる文章をいくつも見つけることができます。
A Dream Come True(ア・ドリーム・カム・トゥルー)
“A Dream Come True”(ア・ドリーム・カム・トゥルー)
著者:Andrea Hutchinson(アンドレア・ハッチンソン)氏
キャタルのレッスンで人気!夢を追う少女の物語
この本は、キャタルのレッスンで教材として実際に使用されているものであり、レベルは英検準2級程度となっています。
イギリス北部のヨークシャーが舞台となるこのお話は、エリーという将来歌手になりたい17歳の女の子が、大好きな歌手に会いに行くという夢を叶えようと奮闘する物語です。夢を叶えるために、エリーは多くの困難に直面するのですが、それを一つずつ乗り越えていきます。キャタルには、夢を持っている生徒がたくさん通っていますので、このストーリーに共感する生徒も多く、大変人気の一冊となっています。
楽しいという気持ちが英語の学習効果を高める
ストーリーがとても面白いので、どんどん読み進めたいという気持ちになることはもちろん、「楽しい」という気持ちは学習効果を高めることへ繋がります。楽しいと感じられるものは記憶に残りやすいため、キャタルのレッスンでは、常に単語も本から学んでいきます。ストーリーのあらすじが頭に残ることで、新しく学んだ単語や言い回し、文章の使い方なども同時に記憶されやすくなるのです。
このフレーズに着目!
本の最初に出てくる
“Dreams. Ambitions. Everyone has them.”
「夢や大志は誰もが持っているものだ」
というフレーズは、この本が読者に感じさせることのできる「夢を持つことは楽しい」という気持ちを、ストレートに表現したメッセージとなっています。キャタルでは、夢を持つということをとても大切に考えているため、このようなキャラクターが登場する物語は子ども達も共感しやすく、英語学習においても有効な一冊です。
GIFT from the SEA(ギフト・フロム・ザ・シー)
「女性の人生」について考えるきっかけを与えてくれる本をご紹介します。こちらは英語学習レベルが中級~上級者向けとなっていますが、様々なテーマにおいて共感しやすい内容がたくさん含まれているので、読みやすく感じることができるかと思います。
また、日本語訳バージョンの本も販売されているので、原作と読み比べながら英語のフレーズの理解を深めるという学習方法もオススメです。
GIFT from the SEA(ギフト・フロム・ザ・シー)
著者:Anne Morrow Lindbergh(アン・モロー・リンドバーグ)氏
女性にとって幸せな生き方とは?人生のテーマを見つめ直す一冊
この本は、著者がフロリダ州にあるキャプティバ島へ休暇で訪れた際に、海から得たインスピレーションをもとに、当時のアメリカ人女性の人生における様々なテーマをエッセイとして書いた作品です。
8つのチャプターに分かれており、チャプター2以降は “Channeled Whelk” や “Moon shell” といった貝殻の名前が、一つひとつのチャプターに付けられています。貝殻の持つ形やストーリーが、結婚、仕事、子どもなどといった、アメリカ人女性にとって大切なテーマを表しており、本文ではそれぞれにおける考えを書き留めています。
例えば、二枚貝の場合、一枚一枚の貝殻が向き合って合わさることで一つの貝となっていますが、これを人間に置き換えると、一枚は男性、もう一枚は女性という形で考えることができます。男性と女性は常に異なり、社会における役割や抱える問題など多くの違いがあります。しかし、この二つが組み合わさって一つになるということ、一人の問題としてこだわるよりは「ペア」だということを認識し、お互いを助け合っていくことが大切であるということを語っています。
このフレーズに着目!
チャプター 1、“The Beach” の中に、
“One should lie empty, open, choiceless as a beach – waiting for a gift from the sea.”
という文があり、これは、「人は海岸のように空っぽとなり、オープンとなり、選択をせず、海からの贈り物を待つべきだ」という意味です。人は海を見ると、自然と心が開放的になります。海には人の心を穏やかにする力があり、人は海と向かい合うことで、いかに自分が日頃からせっかちに生きているかということに気が付きます。日常生活において、時には海にいるかのように、何も持たず、何も考えず、自然の流れに身をゆだねることも大切であるという思いが込められた文となっています。
The Phantom Tollbooth(ファントム・トールブース)
この本は、日本ではあまり知られていないかもしれませんが、海外ではとても有名な子ども向けの小説です。
“The Phantom Tollbooth”(ファントム・トールブース)
著者:Norton Juster(ノートン・ジャスター)氏
人生の可能性を無限大に広げる力を与えてくれる一冊
日常生活が退屈だと感じていた少年マイロは、ひょんなことから魔法の国を訪れることになります。魔法の国で冒険をするマイロは、冒険を通して「人生の面白味」というものを知り、さらに自分のイマジネーションの力をもってすれば、あらゆる可能性を無限大に広げることができるということを学びます。
本の中には、言葉をもじってダジャレのように使われているフレーズなどが見られるため、英語学習にも有効な一冊です。ウォッチドッグという名の、腕時計を付けた犬のキャラクターが番犬として登場し、マイロと冒険をともにしますが、実は英語で “Watchdog” というと「監視する人・番犬」という意味になります。この物語では、犬の名前として使用されています。
このフレーズに着目!
物語の最後の方に登場する
“So many things are possible, just as long as you don’t know they’re impossible.”
というフレーズに、ぜひ注目してください!マイロは冒険を経て、自分が様々なことを成し遂げたということに気が付きます。これまでは不可能だと思っていたからできなかったことでも、そう考える前に挑戦することが、自分の可能性を広げる術であるというメッセージが込められたフレーズとなっています。
この本を読むことで、自分の平凡な人生は、実はとても面白いものであり、自分次第でこれからもっと楽しいものにすることができると感じさせられます。
日々の生活、もしくは英語学習において退屈さを感じている方にオススメの一冊です。
英語学習を行う上で、読書はとても有効な手段
最近では紙ベースの本だけではなく、Kindle(キンドル)などを利用した電子書籍や、オーディオブックなども販売されています。とくにこちらの本はオーディオブックの場合、女性の声が使用されており、登場人物によって少し違った声で読んでくれていますので、ストーリーの中に入っていきやすく感じるかと思います。
本を活用する際、ただストーリーを楽しむだけではなく、印象に残った文や単語をノートなどに書き留めていくという学習方法があります。一度心に惹きつけられた言葉は、私達の記憶に残りやすいものです。せっかく出会えた言葉をそのままにしておくのではなく、メモとして残すことで気づいた時に何度も目にすることができます。そのようにして蓄積された言葉のひきだしは、私達の英語を使用した表現力を豊かにすることへ繋がります。
皆さんもぜひ、一度試してみてください。
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