お茶の水女子大学附属高等学校の概要
国立大学法人お茶の水女子大学附属高等学校(以下、「同校」という)は、東京都文京区にあり、地下鉄丸の内線・茗荷谷駅から徒歩6分の所にある。 1872年に設立された英語学校を前身とする女子高で、幼稚園からお茶の水大学までが同じ敷地にある。
合格実績は、早稲田大学や慶應義塾大学など難関私立大学が多数である。お茶の水大学附属中学校からの入学者は約60名で、一般入試では過年度生も受け入れている。2014年にスーパーグローバルハイスクールに指定された。
お茶の水女子大学附属高等学校の基本情報
★スーパーグローバルハイスクール(SGH)
★SGH研究構想名:女性の力をもっと世界に ~目指せ未来のグローバル・リーダー~
学校属性:国立・普通科高校
校訓:自主自律・広い視野
系列校:お茶の水大学、お茶の水大学附属中学校など
教育体制:小中高一貫校
生徒数:360名
共学/別学:別学
学期:3学期制
学費:17万1600円(初年度、2014年)
学生/教員比:17/1
帰国子女の受入:有
国内大学進学実績:早稲田大学、明治大学、慶應義塾大学、立教大学、上智大学、(2015年)
海外大学進学実績:1名(2015年)
お茶の水女子大学附属高等の特徴
1・2年生の授業では、先生も生徒も英語を話す
1・2年生の授業では、英語で教科書の説明を行い、生徒も英語を使います。そして、授業外では、洋書購読、参考書、単語集、ワークブックなどの自習をする。
1・2年生の必修科目である「コミュニケーション英語I・II」の授業では、読む、書く、聞く、話すという四技能を中心とした英語力を身につけ、1年生の必修科目である「英語表現1」では、基礎的なライティング能力をつける。
1・2年生の必修科目である「教養基礎英語Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ」では、リスニング能力を高めながら、ライティングやスピーキングも重視してプロダクション能力を伸ばす。
3年生の必修科目である「コミュニケーション英語III」では、入試問題を含めた英文を精読し、速読力を身につける。
そして、3年生の選択科目である「英語表現Ⅱ」では、まとまった内容の文章をパラグラフライティングして英作文の能力をつけ、「英語会話」では、リスニング教材やビデオ教材によって、リスニングとスピーキングの力を高める。
SGHとして、お水の女子大学や東京工業大学と高大接続する
2014年にグローバルハイスクール(SGH)に指定され、お茶の水大学と東工大の両者と高大接続を図っている。
大学の公開授業、外国語e-leaningシステム、大学図書館の活用、大学の留学生・学生チューター、グローバルラウンジなど、お茶の水女子大学の資源を日常的に活用する。また、教授、国際交流チーム、グローバル教育センター、グローバル協力センター、外国語教育センター、リーダーシップ養成教育研究センター、グローバル人材育成推進センターなど、お茶の水女子大学が支援する。
学外との提携については、国際NGO、日本IBM、タイ王国大使館、チェラーロンコーン大学付属学校、イオン1%クラブ(アジアの高校生の多国間交流事業)、台北一女と提携して行う。
教養基礎の英語や東京工業大学の入試でも高大連携を図る
教養基礎では、お茶の水大学と連携して、英語、国語、数学のカリキュラムを開発し、1・2年生の必須科目であり、3年生の選択科目となっている。Michigan Action Englishを活用し、リスニング、リーディング、自分の意見を表現できるライティングとスピーキングを身につける。
東京工業大学の高大連携特別入試(若干名)には、サマーチャレンジを終了し、大学から出願の許可を得た生徒のみが出願できる。サマーチャレンジは2泊3日のプログラムで、校長の推薦を得た3年生10名が参加する。
早稲田大学や慶應義塾大学に多数の合格実績がある
2015年の合格数は、早稲田大学42(現役29、既卒14)、明治大学37(現役27、既卒10)、慶應義塾大学34(現役22、既卒12)、上智大学(現役19、既卒1)、立教大学25(現役20、既卒5)など、難関私立大学に多数合格している。
国公立大学の合格数は、お茶の水大学6、一橋大学5(現役4、既卒1)などで、合計現役29、既卒15であった。
校長が、希望者を対象として個別進路相談をしている。また、キャリアガイダンスとして、お茶の水女子大学の学科や講座・コースを訪問して、先生の話をお聞きする機会がある。
宇宙飛行士の山崎直子さん、映画字幕翻訳者の戸田奈津子さん、国際交渉や海外勤務をする外務省職員など、英語を使いグローバルに活躍している先輩を輩出している。
「グローバル総合」の受講生は全員が海外研修を行う
英語学習の目標については、2年生終了時に、ベネッセ「英語コミュニケーション能力テスト」スコア680以上としている。また、「グローバル総合」の受講生40名は全員が海外研修を行い、1学年の生徒の1/3の人数にあたる。
センター試験と国公立大学2次試験対策としては、3年生の夏休みに、英語のリスニングなどの科目について希望者対象の講習・補習を行っている。
まとめ
難関私立大学に進学を望める合格実績である。高大連携が盛んで、英語学習に加え、理工系の分野でも取り組んでいる。
英語のカリキュラムが充実していて、四技能をバランスよく伸ばすように工夫され、授業でリスニングやスピーキングをする機会が多い。また、課題研究にあたり海外研修に参加する機会がある。同校は、文部科学省の特別経費事業や委託事業を行っているので、英語の教育研究も盛んであろう。