聖学院中学校高等学校 – 人生を切り拓く英語教育の実践法とは | バイリンガルへの道

聖学院中学校高等学校 – 人生を切り拓く英語教育の実践法とは

聖学院中学校高等学校 - 人生を切り拓く英語教育の実践法とは

聖学院中学校高等学校は「人生を切り拓く」ツールとしての英語教育に日々取り組んでいます。まず学習ステージを明確に設定して、段階的に英語力を向上させることを意識させます。そして、習熟度別のクラス編成により、大学試験や英検・TOEIC等に対応した授業を展開しています。3つの学習ステージ設定や、充実した海外研修プログラムにより、国際感覚を育みながら段階的に英語力を向上させる本校について解説していきます。

聖学院中学校・高等学校の概要

聖学院中学校・高等学校は東京都北区に位置し、JR山手線・駒込駅から徒歩5分のところにある中高一貫の私立男子中学校・高等学校です。設立は1903年、男子校としては都内唯一のプロテスタント系のミッション・スクールとして知られています。

中学入試の募集人数は、Regularクラス選考の「一般入試」が80名、Advancedクラス選考の「アドバンスト入試」が50名であり、その他に「英語選抜入試」、「思考力入試」、そして2020年度入試より新設された「特待生入試」による募集もあります。高校入試の募集人数は、2020年度入試より再開される「一般入試」が5名となっています。また、中学・高校のいずれにおいても海外帰国生入試が実施されています。(全て2020年度の募集要項より)

聖学院中学校高等学校の基本情報

学校属性:私立 中学校・普通科高等学校
校訓:「神を仰ぎ 人に仕う」
教育体制:準完全中高一貫校
生徒数:中学校:男子450名、高等学校:男子450名(2019年4月時点)
共学/別学:男女別学(男子校)
学期:3学期制
学費:113万7,000円(高校初年度)
帰国子女の受入:有
国内大学進学実績:早慶上理ICU 18名、GMARCH 63名など(2018年度)
海外大学進学実績:University of Michigan(米国)、中國文化大学(台湾)など(2018年度)

聖学院中学校高等学校の特徴

「人生を切り拓く」ツールとしての英語教育を実践

聖学院中学校高等学校では、英語を現代社会において「人生を切り拓く」ために不可欠のツールとして位置づけます。大学受験突破のための学力をつけることはもちろん、将来広く海外で活躍していけるような「息の長い語学力」の習得を目指す英語教育を日々実践しています。

帰国生の受け入れに積極的な聖学院では「教室からグローバルにしていきたい」をモットーに、中学1年から帰国生と英語学習未経験の一般生を一緒のクラスで学ばせています。このような環境は多くの一般生に良い刺激を与えており、年間延べ100人以上の生徒が海外プログラムに参加して、国際感覚を育みながら生きた英語力を身につけて帰国します。

3つの学習ステージ設定で、段階的に英語力を向上させる

本校では、中高6年間の英語学習の過程を3つの学習ステージに分けて設定し、無理なく段階的に英語力を向上させることを心掛けています。

・第1ステージ「英語と日本語の違いに気づく」
語順や文法などの違いから、英語と日本語の言語としての違いに「気づく」ことを目標とします。中学3年間はこれを重視した授業を行っていきます。

・第2ステージ「英語でさまざまな情報をインプットする」
高校になると、中学で習得した文法などの基礎知識を基にした、英文の多読による読解力の向上が重視されます。このステージは、高校2年の終わりまで継続します。

・第3ステージ「英語を使って自分の思いを発信する」
主に高校2年からは、読解力の向上を目指す第2ステージと並行する形で、英語の発信力を高める取り組みを始めます。文章を書くことや発表、ディベートをすることで、英語を使って自分の思いを発信できるようになることを目標にしています。

習熟度別のクラス編成により、試験に対応した授業を展開

中学・高校を通じて、英語の授業は経験度や習熟度によって分けられた少人数のクラス編成のもと、生徒1人ひとりの達成度に合わせた丁寧な指導が行われます。

中学1年から英語経験者コースを設置し、3つのクラスに分けて授業が行われます。2年次からは習熟度別に4つのグレードに振り分け、この「グレード別授業」は高校まで継続します。生徒のモチベーションを高めながら、切磋琢磨して学ぶことで大学受験を突破する英語力を養うことを狙いとしています。

また、リーディングはもちろん、実践的な英語力に欠かせないリスニングや、スピーキングを重視したカリキュラムの下で英検やTOEICなど英語検定における目標を学年・クラスごとに設定し、社会に出てから「使える」英語力の養成を図っています。

その他、英検2級レベル以上を対象にした「SSコース」を設置して、高校1年修了までにTOEIC800点到達を目指し、さらにSAT、TOEFLに対応した授業を導入するなど、海外大学進学を目指す生徒への対応にも万全を期しています。

帰国生へのきめの細かい対応 ~1人ひとりの個性を受け入れる

本校は2002年から帰国生を受け入れており、そのきめの細かい対応でも知られます。英語力や日本語のレベルが異なる帰国生に対し、ネイティブ教員による完全英語授業から一般生向け授業まで個別に対応すると同時に、同レベルの帰国生はまとめるクラス編成で孤立しないよう配慮しています。

このような対応は、本校が仰ぐキリスト教の「他者のために生きる個人」という理念を基にした、1人ひとりのオンリーワンとしての個性を尊重する姿勢の表れと言えるでしょう。言葉・肌の色・文化的背景が違うからこそ価値があるという共通認識が、帰国生を受け入れる雰囲気を本校に根付かせています。

充実した海外研修プログラムで国際感覚を育む

聖学院では、国際感覚を育むための海外研修プログラムも充実しています。研修では、長期休暇期間に各国の歴史を学び、現地での交流を通じて異文化理解を深めることで、社会に出てから活躍できる国際人としての礎を築くことを目的としています。

中学3年~高校2年の希望者を対象にしたオーストラリア語学研修では、ホストファミリーと過ごす英語漬けの2週間を送ります。現地校での英語特別クラスの授業やさまざまなアクティビティの体験を通じて、コミュニケーションの大切さを学び、チャレンジ精神を身につけていきます。

その他にも、英語圏ではアメリカやイギリス、さらには中国やタイなどへのプログラムも用意されており、今後も対象国は増えていく予定です。

まとめ

聖学院は、「人生を切り拓く」ツールとしての英語教育に日々取り組んでいます。まず学習ステージを明確に設定して、段階的に英語力を向上させることを意識させます。そして、習熟度に応じたクラス編成の中で、生徒たちが競い合って学んでいく中で大学受験突破のための英語力を養うことを目指しています。キリスト教の理念に基づく他者への共感・尊重の精神が本校には深く根を下ろしており、帰国生へのきめの細かい対応や充実した海外研修プログラムで着実に実践されています。これらの取り組みを通して、学力が高いだけでなく、将来国際人として広く海外に出ていける国際感覚を備えた人材に生徒たちを育て上げることを目指しています。