八雲学園中学校高等学校-実践的な英語教育でグローバル人材を育成 | バイリンガルへの道

八雲学園中学校高等学校-実践的な英語教育でグローバル人材を育成

八雲学園中学校高等学校-実践的な英語教育でグローバル人材を育成

実践的な英語教育でグローバル人材を育成することで有名な八雲学園中学校高等学校。今回は八雲学園中学校高等学校の徹底した基礎教育とカリキュラム別でのオールイングリッシュ授業、数多く行われる英語行事等を解説しながら、いかにして「英語の八雲」と呼ばれるようになったかを紹介していきます。

八雲学園中学校高等学校ってどんな学校?

八雲学園中学校・高等学校は、創立が1938年、東京都目黒区八雲にある共学の中高一貫校です。

東急東横線・都立大学駅からは徒歩7分、駒沢オリンピック公園が近くにあり、豊かな自然に恵まれた環境にあります。
現在は英語行事や海外研修を採り入れた実践的な英語教育で、大学受験はもちろん、生きた英語を学べる「英語の八雲」としての確固たる評価を得ています。

高校入試の募集人数は、推薦入試が女子のみ10名、一般入試は女子のみ40名(ともに特進コース・進学コース共通)となっていますので、かなり狭き門だということがこの情報からも見てとれます。

八雲学園中学校高等学校の基本情報

学校属性:私立 中学校・普通科高校
校訓:「生命主義」「健康主義」
教育体制:中高一貫校(併設型)
生徒数:中学校:男子96名・女子261名、高等学校:女子316名(2019年4月現在)
共学/別学:共学(2018年度より)
学期:2学期制
学費:104万8,400円(高校初年度)
教員数:52名(2018年度)
帰国子女の受入:有
国内大学進学実績:明治大学、日本大学、明治学院大学など(2019年度)
海外大学進学実績:Tennessee Technological University(2019年度)

八雲学園中学校高等学校の特徴

密度の濃い英語教育を6年間行い、グローバルな人材育成に取り組む

八雲学園では密度の濃い英語教育を6年間行い、グローバルな人材育成に取り組んでいます。特に、英語学習には中学時には1年で週に9時間、2年・3年では10時間と、数学・国語の約2倍の授業時間数を確保。そのうちの3時間はオールイングリッシュの授業であり、さらに英検・TOEFL対策の授業も週に1時間行われています。

また、毎日の「Today’s Words」の実施により、中学3年生までに1,800語の語彙習得を目標としています。八雲学園の英語漬けのカリキュラムは、中学の段階で英語によるコミュニケーションの基礎固めを確実にする狙いのもと行われています。

そして、高校に進むとさらに学習の質がUPします。中学で身につけた基礎力を土台に、世界で起こる多種多様なトピックについて、相手と意見交換できる英語力の習得を目指します。

通常の英語授業に加えて、1年時には3か月間のカリフォルニアサンタバーバラでの留学プログラムを希望者に提供。プログラムには留学の前後に3か月の事前事後学習がついており、英語力の飛躍的な向上が見込める「9か月留学」として有名です。

さらに、3年生向けの特別授業では、留学生と八雲学園生徒による、それぞれの国の文化に関するプレゼンテーションによる交流が行われています。

こうした徹底した英語教育環境こそが、「英語の八雲」たる所以なのです。

海外大学への進学も視野に入れ、CEFRのC1レベルを目指す

八雲学園では、各学年においてCEFR(Common European Framework of Reference for Languages: Learning, teaching, assessment)を用いて英語学習における到達目標レベルを具体的に設定して、生徒の学習意欲を高めることに成功しています。

CEFRとは?

CEFRとは、英語に限らず、外国語によるコミュニケーション能力を言語の枠を超えて統一した基準で測るための国際的な指標です。英検やTOEFLなど、さまざまな検定試験のスコアを1つの基準で比較できるので、近年は日本でも主に高校や大学における英語教育の指標として使われるようになってきています。

引用元:https://cambridgecentre.jp/exams/cefr/

中学では、3年時に姉妹校で英語によるプレゼンテーションなどを含む2週間のアメリカ海外研修を実施。実践的な英語学習の機会を多く設けることによって、語彙力や文法、正しい発音など英語の基礎的な知識だけでなく、さまざまな場面に応じた表現やコミュニケーション方法を学び、中学修了の段階でCEFR A2レベル(英検準2級/TOEFL Junior655-725)に到達することを目標に掲げています。

そして、高校の3年間では、複数のALT(外国語指導助手)の授業により中学時に身につけたコミュニケーション力に磨きをかけるだけでなく、読解力や英語でさまざまな文章を書く能力を身につけるカリキュラムが組まれている。八雲学園の英語授業は、国内の大学だけでなく海外大学への進学も視野に入れたものであり、卒業の段階で「熟達した言語使用者」の上位グレードであるC1レベル(英検1級/TOEFL iBT95-120)に達することを目指しています。

英語力を向上させる英語行事を実施する

八雲学園の実践的な英語教育の象徴ともいえるのが、数々の英語行事の実施ですね。

中学では、英語祭における英語朗読劇や英語劇、スピーチコンテストがあらかじめカリキュラムに組まれています。また、過去には高校でも英語で何かを演じたい、表現したいという高校生有志が、ミュージカルへの挑戦を校長に直談判し、実現させたこともあったといいます。生徒の自発的な取り組みを尊重する学校側の懐の広さも八雲学園の特徴であると言えるでしょう。

その他にも、英語で質問しながら校内を回って謎を解いたり、英語でレシピを考えたりする英語体験教室、外国の方を招いて少人数で英会話やゲームを楽しみつつ文化を学ぶイベントであるイングリッシュ・ファンフェアー、さらにはエール大学の女性コーラスとの国際音楽交流など、多彩で魅力的な英語行事実施の実績があります。

高校では、中学3年間で学んだことを基盤に大学受験に対応できる力を養う

八雲学園のカリキュラムでは、英語特有の論理展開や表現方法を学ぶことで、英語の読む・書く・聞く・話すという4技能の総合的な向上を図る学習内容になっています。

英語祭をはじめとする英語行事の主役はどちらかというと中学生であり、中学の段階でさまざまな取り組みを通して伸びやかに英語の基礎力を身につけさせようという八雲学園の意図が感じられますね。
一方、高校では中学3年間で学んだことを基盤に大学受験に対応できる力を養っていくことに重点が置かれています。
具体的には、中学で学んだ文法の総復習から始まり、英語による意見交換を通して情報を的確に聴き取る力を身につけ、理解した内容をもとに自分の考えを伝える英語力を身につけることを目指しています。

CEFR C1レベル到達を念頭に置いたこのようなカリキュラムをしっかりと消化できれば、英語力に関しては、日本の大学受験はもとより、海外の有名大学進学を視野に入れることも不可能ではありません。長期的な視点に立ったメリハリのあるカリキュラムを組むことができるのも、中高一貫校ならではの特色といえるでしょう。

帰国生・英語力の高い生徒には、英語力に応じてオールイングリッシュの授業を行う

八雲学園は帰国生入試も行っていますが、帰国生に限らず英語力の高い生徒には、その英語力に応じてオールイングリッシュの授業を行っています。
クラス編成はフレキシブルで、「帰国生だから」「英検何級だから」といった枠を設定するのではなく、生徒の英語力をみてクラスを判断し、対象者が1名だけであっても教育的効果が高いと認められればオールイングリッシュの授業を提供されているとのこと。

八雲学園中学校高等学校のまとめ

八雲学園の英語教育は、まさにグローバル人材の育成という意図を感じますね。カリキュラにはさまざまな英語行事や留学システムなど、実践的なプログラムが用意され、高い意欲があれば海外のどこに出ていっても困らないレベルの英語力を身につけることが可能でしょう。

ただ、それ以上に八雲学園が重きを置いていることは、英語を学ぶことだけでなく、自国の文化を大切にすることで自分らしさを理解し、そのうえで相手をリスペクトして相手の身になって考える姿勢を身につけること。多様な文化・価値観を尊重できる人間こそが、グローバル社会で求められる人材であるという確固たる信念が、八雲学園の実践的な英語教育の根底には流れています。