イェール大学に進学した、Yupeiさん実践のライティングメソッドとは?


yupei(写真:イェール大学にて。ライティング学習サービス「Rewrites」の添削を担当しているYupeiさん)

Yupeiさんの人生のタイムライン

生まれてから小学校卒業まで中国で育つ
中学3年間をイギリスで過ごす
高校は中国に戻る
大学はアメリカ・イェール大学へ進学
在学中にフランス語を勉強、1年間のパリ留学、大学3年目の現在は日本語の勉強に励み、4年目の秋から休学して京都大学に留学を検討中
ライティング学習サービス「Rewrites」の添削講師を務める

 

英語が嫌いだった小学生時代

小学生の頃、英語は苦手な科目でした!マーケットのグローバル化、そして北京オリンピックの開催決定も影響し、その頃から中国政府は国を揚げて英語教育に力を入れ始めました。しかし学校では淡々と英単語や文法の法則を記憶するばかりで、勉強がつまらなく感じました。中国語と英語では発音も全く違うのに授業中はアウトプットできる場が限られている為、新たな言語を学ぶ事に対して苦手意識が生まれました。
小学校卒業後はジャーナリストの親に連れられ、ロンドンに引っ越しました。友達と離れる事も嫌なのに、英語もうまく話せなくて最初はつらい思いばかりでした。転校先では、中国人は私一人でした。


 

中国とイギリスの文化の壁

学校では中国語を話せる相手がいませんでした。そこで、サバイバル本能的に英語でコミュニケーションを取るようになりました。知っている単語をどうにか繋ぎ合わせて、自分の意思を伝えようとする事が精一杯でした。そんな風に会話を繋いでいるうちに、徐々に英語力が身についていきました。入学半年後にやっとテストで良い点数を取れるようになった時は、とても嬉しかったです!

言語習得や学校の授業についていく事は思っていたより、難しくありませんでした。必然的に英語でコミュニケーションを取らなければならない環境であり、それまでの様に分からない時は母国語に切り替えるという手段がなかったからだと思います。英語学習よりも難しかった事は、文化の理解です。例えばクラスメート達が観ているテレビの話題や有名人のゴシップなど、いくら言葉がわかるようになってもなかなか入っていく事が出来ませんでした。最初は流行っているロックバンドの曲を聞いたり、スポーツチームの応援を通じて文化に溶け込もうと頑張りました。しかし海外生活が長くなる程、無理をして住んでいる国の文化に染まらなくても良い、という事に気づきました。ひとりぼっちだと思われる事が嫌で、クラスの女の子グループと一緒にいましたが、段々違和感を覚えるようになりました。もちろん偏見を持たずに、お互いを理解する事は大切です。ただ、無理にまわりに合わせずに、自分の思いを尊重する事も大切だと学びました。

 

イギリスの学校で養われた、ライティングを通じて「考える力」

中国の学校の授業と大きく違った点は、ライティングの量です。数学のクラスでさえも、お題は「無限数とは何か?」というリサーチペーパーが出ました。文献を探し、学者が唱えた理論を参考に自分なりの意見をまとめました。与えられた期間でリサーチを行うスケジュールをたてるので、タイムマネジメントがうまくなりました。一つのトピックについて調べていくうちにどんどん興味を注がれるコンセプトを発見し、授業外でも幅広い知識を学ぶモチベーションになりました。そういう作業を中学1年生からさせられたおかげで、クリティカル・シンキング(批判的思考)の習慣が身につきました。先生に言われた事や教科書に書かれている事に対する自分の考えを、ペーパーを通して発表する機会が多くありました。大学入学後こそ、クリティカル・シンキング力は問われます。

私はイギリスの学校で既にライティングの数をこなしていたので、イェールで物凄く苦労する事はありませんでした。勿論、中学と大学では求めらるライティングレベルは変わってきますが、基本的な要素は同じです。常に物事を多面的に捉え、自分の意見をサポートする文献を探す作業から学び、論理的に考えを述べる。これは中国では得られなかった学習経験です。

12378033_10153289033594562_648578428061687149_o(写真:イェール大学)

 

中国式授業に、物申す!

再び親の転勤で、高校は中国に戻りました。学校では驚いた事に、授業中誰も手をあげませんでした。イギリスの授業と違い、先生が言う事は全て正しく、質問する方がおかしいと言われている様に感じました。これは英語の授業でも同じでした。先生が教える文法がもし間違っていて、生徒が答えを知っていたとしてもそれを正す方が間違っている、だから言われた通りの答えをテストに書いて、先生が求める答えを出す。これでどうやって生徒達は英語が上達するのでしょう?私にはとても不思議に思えました。中国のバイリンガル教育には大賛成なのですが、本当の意味でのバイリンガルを育てる為にはやり方を変えなければいけないと思います。

例えば英語の文法を中国ではなく、英語で教える事が必要だと思います。現状では英語の授業なのに、中国語で話している事の方が多い
んです。よく考え直すと、それってなんだかおかしいですよね?英語を学ぶ時間こそ、最初は分からなくても英語でもっとコミュニケーションを取るべきだと思います。

 

中国の現状を振り返り、日本の英語教育には何が欠けている?

私は日本についてあまりよく知りませんが、日本で教育を受けた友人から生徒のモチベーションが低いと聞きました。一つあげるとすれば、英語を科目というよりは、言語として捉えた方が良いかもしれません。成績がつけられる授業であれば、それ以上の意味を持たなくなります。良い成績をおさめる以外に、普段の生活で英語を使う為のモチベーションや期待が社会側にあまり無いのではないでしょうか。英語はみんなが思っている程難しくありません。中国語や日本語の方が、よっぽど難しいです!その為には”Think in English”、英語で考える事が必要です。英語脳で感覚的に話した方が、自然にずっと言葉が頭に入ってくる気がします。

10550186_10153289032049562_9116809331895061828_o(写真:アメリカと母国の中国との英語教育の違いを語るYupeiさん)

 

イェール大入学、そして広がる世界観

高校卒業後は、イギリスの大学に進学したいと思っていました。イギリスの教育方針の方が自分には合っていると感じたからです。しかし学金を貰える目処が立たず、渋々中国の大学を受験する準備を始めました。ある時、友人達がアメリカの大学を受験しようとしている事を知りました。私はその頃アメリカについてよく知らず、「犯罪が多い国」「食べ物が油っぽい」ぐらいしかイメージが湧きませんでした。(ちなみに、イェールのカフェテリアには良い意味で期待を裏切られました!思っていたより、美味しいです。)しかし先輩達のアメリカ留学の経験談を聞いているうちに、アメリカってそこまで悪くないかも?むしろ、成績重視の中国より、勉強以外の面もみてくれるリベラルアーツの方が自分に合っているのかもしれない、と思うようになりました。そして伝統的な雰囲気を重んじつつ、世界中から学生・教授・研究者が集まるイェール大学を受験する事を決めました。

イェールでのお気に入りのクラスは、一年生の時に受講した”Blue”です。少人数のセミナーで、ブルー=青色の文化的な意味や、カラーセオリー、色の歴史、空の色、青い鳥など、ブルーに関する全てについて学びます。このクラスを取るまではアートに興味を持っていなかったのですが、それからはニューヘブン中を写真をとってまわったり、コラージュを作ったり、絵を描いたり、今までと違う新しい世界が広がりました。ファイナルプロジェクトでは同時期に履修していた脳科学の授業で学んだ事を生かし、52日間毎日違う感情とその日の空模様を合わせた本を作りました。授業の内容がユニークなだけでなく、教授とクラスメートもとてもフレンドリーで、この様なクラスはイェール以外でなかなか無いのではと思います。

課外活動では、1・2年生の春休みにイェール生を連れて中国に戻り、地域の学校でボランティア活動を行いました。また、合唱団に入り、ソプラノパートを歌っていた経験もあります。最近では休日に近くの公園までジョギングしたり、 古筝(グーチェン)という中国の伝統楽器の練習をしています。

今の大学生活にはとても満足しています。学歴社会の今、将来高い給料を貰える企業に就職できるからという点だけが注目されがちですが、そうではなく、イェールの様な学校に入学できたからこそアートやフランス語、日本語に出会う事ができました。これらを含めて、イェールは”Diverse”(多様的)な場です。ここにいる生徒一人一人が興味深い人生のストーリーを持っています。セミナーや課外活動を通じ、こんなに素敵な人々と友達になれた事をとても幸せに思います。まさにイェールでしか得られない機会です。

 

選択肢が増えた、将来の夢

イェールに来てからより一層将来のキャリアパスを決断する事が難しくなりました。悪い意味ではなく、多様なフィールドが用意されている環境だからこそ、良い意味で人生について悩む時間が与えられます。私の両親はコンサルティングや金融業界への就職を薦めますが、もっと他に自分に合っている仕事があるのではないかと考えるようになりました。なんだかんだいっても二十歳になったばかりなので、今はまだ模索中の私を応援してくれるイェールという環境を活用して、与えられるのではなく自分が求める道を進みたいです。

今のところソーシャルセクターに進みたいと考えています。教育格差に興味があり、特に中国の教育課題を解決したいです。大学卒業後はロー・スクールで教育法を学び、格差と戦う弁護士になりたいです。ただこのプランは絶対ではないので、もう少し時間をかけ様々な分野で経験を積みたいと思います。

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今は言語を学ぶ事が大好き!

最初にお話したように、元々英語は大嫌いでした。中国語と文法も発音も何もかもが異なり ますし、小学生の私には英語を学ぶ意味がわかりませんでした。でも今振り返ると、英語が 出来たからこそ私は今この場所に座っているんです。よく中国の保護者の方々に、どうやっ たらうちの子もあなたのように英語が話せる様になるの?と聞かれますが、答えはシンプル です。”Speak a lot, write lot, and use a lot” (たくさん話して、たくさん書いて、たくさん 使う)と私は伝えます。すると、テストで良い点数をとる事が最重要ではないのね!と言わ
れます。人生で毎回選択問題が出てくるわけではないですから。正解が分からない問題に対して、自分なりの考えを導き出さなければなりません。そういう意味でも、ライティングの練習は力になると思います。

 

ライティングのアドバイス

イギリスではエッセイ・レポートの書き方を先生に一から教わりました。段落を始める前に、まずはタブスペースを空けるというところから始めました。イギリスに行くまで、何も知らなかったのです。とにかく授業でライティング課題の数をこなし、毎回先生にみてもらいました。これは英語圏滞在歴6年目になっても言えることですが、ライティングの添削では友達や先生に、必ず書いた内容をみてもらう事が重要です。これは英語だけでなく、中国語や全ての言語で共通する事です。第三者の視点を考慮し、自分が見過ごしていたミスや抜けていた説明をカバーしてもらいます。丁度リライツでも先生に添削してもらう様に、自分以外の読者に直してもらう作業が、更にレベルが高いライティングに繋がると思います。

もうひとつのアドバイスは、文法に気をとられすぎない事です。中国の生徒はどうしても文法に時間をかけすぎてしまうのですが、それは小さな問題であって、アイディアを考える方にもっと時間をかけるべきです。文法ももちろん大切ですが、添削や数をこなすことでどうにかなる問題です。アイディアには正解がないので、ガイドラインに沿った学習方法を行ってきた中国の生徒は難しく感じるのかもしれません。



自分の作文を英語圏の名門大学の先生が添削をしてくれる
TOEFL100点を目指すライティング添削プラットフォーム「Rewrites」

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