以前TEAP試験を受けたところ、スピーキングの難しさには驚きました。いきなり高校生に英語で「あなたの意見は?」と聞かれ、しかも短い時間(10分)でたくさんの質問を次々と答える。リーディング・リスニング・ライティングに比べ、相当ハードな印象でした。一体、このスピーキング部分に対し、どのような準備をしておくべきでしょうか?
この記事では、私がTEAPを受験した時の経験、そして感じた「コツ」や対策・学習方法をご紹介します。
TEAP スピーキングでは、幅広いテーマから次々と質問が来る
聞かれる質問は、受験者によっていくつかのパターンがあるようです。
ちなみに、私が受けた質問は以下のような内容でした。
Part 1 | 何をするのが好きですか? 旅行は好きですか? |
Part 2 | (面接官がMuseumで働いている、という設定で質問する想定) どんなmuseumで働いているか? 何年くらい勤めているか? マネージャーとして悩んでいる、その理由は何か? なぜ仕事場としてmuseumを選んだのか? |
Part 3 | 子どもの時からインターネットを使用することについてどう思うか? |
Part 4 | 大企業で働きたいか? 男女は職場でフェアに機会が与えられるべきか? 戦争のない平和な世界についてどう思うか? |
自分の答えに対し、さらなる質問はありませんでした。
難しいことは特に聞かれませんし、専門的な単語力が必要ということもありません。
では、なにがネックなのでしょうか。
TEAP スピーキング試験過去問を考察
さらに、試験の内容を考察してみましょう。試験下記の内容は他のスタッフがTEAPの試験を受けた時のものです。
Part 1
1 : Do you want to work in a company?
2 : Did you take any trips this year?
Part 2
Imagine that I am a librarian. Ask these questions.
1 : Why do I do this job
2 : How long
3 : What do I do as a librarian
Part 3
within 1 minute
Should there be an equal number of women and men in companies?
Part 4
1 : What do you think about the low voting rate?
2 : Do you think schools should focus more on practical rather than academic learning?
特にPart 3やPart 4は普段から意見を持っている人とそうでない人はスコアに大きな開きが出ると思いますし、その意見を英語で答えられるように事前に簡単にまとめておくといいでしょう。
具体的な対策の1つとしては設問を想定して自分なりの「スキット」を作っておくことです。
Part 1の2番目の”Did you take any trips this year?”というお題なら、
パターン①
受験者:「はい、旅行しました。うちの家族は毎年夏休みにみんなでハワイに行きます。」
パターン②
受験者:「いえ、まだですが、来月友人に会いに京都に行く予定があります。」
Part 4の2番目の”Do you think schools should focus more on practical rather than academic learning?”というお題なら、
受験者:「はい、そう思います。個人的には2つの理由があると思います。1つ目は行動を伴ったプラクティカルな学習の方が記憶の定着にいいと思います。2つ目はプラクティカルな学習の方が楽しいので学習の効果が高いと思うからです。」
こういった返答例を自分で考えてネイティブの方に添削してもらい、その内容を何度もリピートして自分のものにしておく、ということがスピーキング対策として有効です。スピーキングはしっかり対策すればハイスコアを狙えますので、スキット作りも含めてできることから着実に準備を進めていきましょう。
TEAP スピーキングで高得点をとるためのコツ
ある程度、英語に慣れておかないと、その場ですぐには言葉も出てこないでしょう。しかし、どのように対策をすれば良いか悩まれる方も多いかと思います。実際、私もそうでした。
これから、受験した後に感じた「必要となるコツ」をご紹介します。
聞かれたらすぐに意見を言う
まず、質問を聞かれたら、すぐにyesでもnoでも瞬発的に返事できるように準備しておきましょう。
多くの質問は、自分の意見を問われる質問です。それに対し、例え意見が定まっていなくても、とりあえず何か意見を固め、その意見に対する理由も添えましょう。
今の社会において、自分の考えを普段から持っている方がTEAPのスピーキングには有利といえます。普段から新聞などを読み、自分がどう思うのか、考えをまとめておくことを習慣づけると良いでしょう。
TEAPのスピーキングでは、短時間で素早く答え、さらにまとまった回答を言う必要があります。特に、part 4 ではあまり準備する時間も与えられないので、その場で答える力が必要です。
しかし、時には難しい質問も出される中、それを英語で答えるとなると、それだけでも緊張してしまいますし、焦ってしまいますよね。
今回、そんなあなたが焦らずにしっかりと答えられるようになる、簡潔な回答の構成方法を教えます!
簡潔な回答で、頭良く聞こえる!
難しい質問に対し、ダラダラと自分の意見や理由を述べてしまっては、まとまらなくてイマイチ主旨がつかめないどころか、面接官も飽きてしまいます。ここで大事となるのは、いかに簡潔な回答を組み立てられるか、です。
実は、質問自体はそれほど大したことありません。なぜなら、「あなたは賛成ですか、反対ですか」など、明確にあなたの立場を問う質問であるので、答え方がとても単純なのです。しかし、言いたいことがあっても、それがちゃんと伝わらなければ、元も子もありません。
そこで、下記の構成に自分の回答を当てはめられたら、落ち着いて答えることができます。
- 自分の立場を言う。
- 理由を述べる。
- その理由の具体例を述べ、聞き手にイメージしてもらう。
- 自分の立場とその理由を改めて言う。
この構成に自分の回答を当てはめれば、ダラダラ答えることもありませんし、ちゃんと整理されて非常に頭が良い印象を与えることができます!
相手がイメージしやすい回答こそ、共感を呼ぶ
さて、このような構成の回答でポイントとなるのは「具体例」です。
時々、理由を述べたとしても、その理由自体が不明瞭で、うまく伝わっていないこともあります。そういう時に、イメージしやすいように「具体例」を添えることによって、より説得力を高めることができます。
例えば、 Do you think fashion is important? という質問があったら、下記のように答えられます。
- Yes, I think fashion is important.
- Because fashion can show what kind of a person you are to others.
- For example, if you wear an elegant dress, you will appear proper.
- So, I think fashion is important, since it can show who you are.
ここで、具体例にあたる部分は(3)です。If you wear an elegant dress… と言われると、具体的なイメージが頭に浮かびます。そして、 … you will appear proper. という締めくくりに、思わずうなずくでしょう。
このように、相手がイメージできるように自分の意見を具体的に描写することで、説得性も増し、しっかりと意見を相手に伝えることに成功するでしょう。
これで、TEAPのスピーキングは完璧です。
スピーキングの「正しい回答」なんて存在しない
「正しい回答」などありません。一番避けたいのは、「回答がない」状態です。スピーキングでは、必ず何か答えるようにしましょう。あまり詳しく知らないテーマであっても想像力があれば、すでに持っている知識から関連付けて様々な理由を思い浮かべることができます。
今からアイデア出しの練習を始めていけば、きっと当日、楽に答えられるようになるでしょう。
スピーキング試験を乗り越えるには、アイデア力で挑みましょう!
今回、TEAPスピーキングにおける回答の構成方法についてお伝えしていますが、これはTEAPのスピーキングに限った話ではありません。アメリカやイギリスでは、人々は常に議論をし、互いの意見を聞いては反論します。このような場面で非常に役に立つのは、このTEAPスピーキングにも使える、回答の構成です。コツは、シンプルに、そして具体的に答えることです。
構成自体は簡単に。そして、例を添えて具体的に。
このように答えることで、相手にとってわかりやすい回答になります。
ぜひ、TEAPだけではなく、幅広く、英語で話す機会に活用してみてください!
TEAP スピーキングでは試験官の攻略が重要
実際にTEAPを受けた感想として、Speaking試験については、
①試験官の英語力
②試験官との相性
に左右されると思います。Reading そして Listening部分であるマークシート形式と異なり、Speakingではスコアの明確な判断基準があるとしても、やはり結局は「人」が判断するものなので、完全にフェアにスコアをつけられるかというと否だと思います。
では、どうすれば良いでしょうか。どの試験官に当たるかは運次第です。これはどうにもなりません。とにかく早い段階から運を自分の味方にしましょう。運を自分の味方にする一つのアプローチとして、第一印象で相手に好感を持ってもらうという方法があります。
試験官の英語があまり高くない場合
まず、①の試験管の英語力があまり高くない場合は、あまりこちらからペラペラ返事をしても判断できかねることになります。また、相手の質問を勘違いしてしまい、的外れな答えをしてしまうこともあります。
そのような場面では、落ち着き、普段よりゆっくり話し、やさしい言い回しで返答するのがいいでしょう。そして、わからない場合は “Could you repeat the question?” と丁寧に聞きましょう。
とにかく、焦らないことです。
試験官との相性を良くするには
「試験官となんとなく相性が合わない…」
そういう可能性は誰もが恐れているかと思いますし、これは防ぎようがないことです。
しかし、その相性を良くする方法があります。
まず、受験者側から距離を縮め話しやすい雰囲気をつくるため、
“Nice to meet you. My name is ◯◯.”
くらいは最高の笑顔ではじめに挨拶した方が心証がいいでしょう。
面接が終わった後は、
“Thank you for your time.”
くらいのお礼を言いましょう。
これらの挨拶は好印象につながるので必ずしましょう。
あとは、きっちりとした服装、座る姿勢、そして、大きな声で発音を気にせず自信をもってしっかり話しましょう。
このように、丁寧で落ち着いている態度こそ、目に見えないスコアアップにつながる可能性があります。
ポイントは「落ち着き」を見せること
スピーキングでは、どうしようもならない事態も起こりえます。
運によって20点くらいのスコアの開きは簡単に出ると思われるので、何度か受けることで運の部分を平準化させる必要があると思います。
なお、どの面接に言えることとしては、「落ち着いて答える」ことです。
相手も何人もの受験者を見ているので、パッと見で第一印象が良い人ほど好感度でしょう。
内心とても緊張していても、まずは堂々と構え、声をはっきり&大きく、焦らずゆっくり答えることが、素晴らしい第一印象となるでしょう。
TEAP スピーキングで高得点をとるための勉強法
スピーキングの試験の内容は、ほとんどが受験者の意見を伺うものです。面接ではその場で出される質問に対し、とっさに英語で主張を考え、スラスラと答える「瞬発力」が必要となります。 普段、英語で話すことに慣れていない場合、これは難題に思えますよね。
さらに、自分の意見を構成して述べるということも難しく感じられます。普段、日本語でさえ議論をしたり、意見を述べる機会が少ない場合、これを英語で行うとなると、気が遠くなるような話です。
では、どのように練習すれば良いでしょうか?
ペラペラ話すより、内容をしっかり構成しよう
どんなにネイティブな英語が話せても、話す時にしっかりとした構成がないと、評価が低くなってしまいます。実際、英語がペラペラな人でも、だらだらと話をしてしまい内容が長くなり、聞く側は飽きてしまう、というケースは日常的にも多いです。
主張することに慣れていない日本人にとって、ベースとなる枠組みを頭に入れておくと、もう少し楽に内容を考えられるでしょう。
面接でしっかりとした答えを構成する3ステップ
まず、主張を聞かれる質問に対し、基本的には以下の3点を構成の基準として考えてみましょう。
- 主張
- 理由
- なぜ大事なのか(※)
(※英検1級、またはTEAPやTOEFLなどで高得点を取るために特に大事)
例えば、こんな質問があるとします。
Is it important to study English?
このように見るとシンプルな質問ですが、緊張している時に急に口頭で聞かれると、言葉が出てこないこともあります。
しかし、そういう時に3ステップを思い出せば、あとはそれに内容を当てはめていくだけ。上記の質問に対し、以下のように答えられます。
①主張:I think it is important.
②理由:Because it helps us communicate with people from other countries.
③なぜ大事なのか:This is important because the world is becoming more global, and people often travel to different countries.
③まで言うのはかなりハイレベルですが、言えたら評価がとても高くなるでしょう。
このような枠組みが前もって頭の中にあれば、少しは落ち着いて答えられるかと思います。
アイデア出しを練習する
「どんな質問が出るだろう…」と不安なあなた。もしかしたら自分が知らないことについて聞かれるかもしれない。経済とか政治とか苦手だしなぁ。難しい社会問題について聞かれたら、なんて答えよう。
TEAPのスピーキングでは、確かに難しい質問が投げかけられます。原発再稼働の是非や18歳選挙権、さらに、環境問題などテーマは様々です。
しかし、大事なのはそれについて知識があるか、「正しく」答えられるか、ではありません。なぜなら、「正しい」答えなんてないからです。それより大事なのは、自分がいかにその場で主張できるかどうかです。たいして意見がない質問に関しても、いかにその状態から意見を構成し、主張できるか。つまり、自分がどれほどたくさんのアイデアを出して、そこから自分の回答を組み立てられるかがポイントとなります。
普段からたくさんアイデアを思い浮かべてみよう
例えば、先ほどの「原発再稼働の是非」をとって考えてみましょう。
原発再稼働に賛成なら、
- エネルギーが効率的に生産できる
- 日本の技術を高められる
- 化石燃料よりも環境に優しい
などが考えられます。
一方、反対なら、
- また事故があるかもしれない
- デモも起きていて、国民の反発が強い
- 再生可能エネルギーの技術を高めるチャンスになる
このように、どちらの立場をとっても何かしら最低1つでも理由を述べられるように、普段からいろんな議題についてアイデアをたくさん出す練習をしてみてください。原発の問題のようにかなり高度のものもありますが、普段から意見を構成できるよう、日本語でも良いので「アイデア」を練っていく練習をしてください。
英字新聞を手にとってみよう!
TEAPのスピーキングにはどのような質問が出るのでしょうか?実際受験された方の声を聞いていると、結構難しかったようです。
例えば、下記のような質問が出ます。
Should Japan allow more immigrants in the future?
この質問に答えるには、まずどのような論点が実在しているのかを知っておく必要があります。Immigrants, つまり「移民」の受け入れにまつわる課題は何でしょうか?また、日本での現状はどうなっているのでしょうか?これらを知るためには、毎日ニュースに目を通すことが重要です。知識を得るためだけなら日本語でも良いでしょう。しかし、もし余裕があれば是非とも英字新聞を読んでもらいたいです。
なぜ英字新聞の方が望ましいのでしょうか?
議論の仕方は新聞から学ぼう
新聞は小説などと違った文調で書かれるので、もちろん使われる単語も異なります。TEAPのスピーキングに使われる題材(特に Part 3, Part 4)では時事問題にちなんだものが多くあります。よって、普段から新聞を読んでいる人であれば、そこで使われる単語や表現を自分の回答に効果的に利用できます。
また、新聞を読むと何が主な論点なのかがわかります。
TEAPで出されるスピーキングの質問はどれも賛否両論ある内容のものなので、答えに正解・不正解はありません。しかし、必ず何かしら意見を述べなければならないので、その場で瞬時に自分の立場を決める必要があります。
そういう時に、事前に何が主な論点かがわかっていれば、自分の立場も決めやすくなりますね。立場を決め、その理由づけに新聞で読んだ情報を使えば、簡単に自分の意見を伝えていくことができます。
ここでもしあなたが既に英字新聞を読んでいれば、英語での議論の流れを理解することもでき、かつ意見を述べる際に新聞で使われていた表現などを応用できます。どのように議論すれば良いのか、どのような論点を述べば良いのかが見えてきます。このように、普段から英字新聞に目を通しておけば、スピーキングの質問にも落ち着いて答えられるようになるでしょう。
毎朝たったの10分で知識が大幅に増える!
英字新聞なんてハードル高い!と思う方は、短い記事を一つ読むことから始めましょう。これだけでたった10分です!
ここで大事なのは、この10分をできるだけ毎日続けることです。例えば、毎朝やってみるのはいかがでしょう?朝食を食べながらテレビでニュースを見る方もいるでしょう。そこで気になったヘッドラインニュースがあれば、その流れで英字新聞でも同じ内容の記事を探して読んで見ましょう。
これを毎日続ければ、それこそ膨大の知識量を吸収することとなり、同時に英語力向上にもつながるでしょう。紙媒体で購読するのが難しいと言う方は、是非ともネットでどんどん英語のニュースを読んでください。 BBC や CNN などの大手ニュース社の記事はわかりやすいでしょう。
また、新聞ではありませんが、TIMEの記事はいつも読みやすく分析もされているので、長めに読みたい方にはオススメです。
是非、毎朝10分の新聞の時間を実行してみてください!
英語の音読を毎日する
スピーキングで高得点をとるためには、何をすれば最も効率的で効果的なのでしょうか。それはずばり「英語の音読を毎日する」です。
なぜ音読なのでしょうか?目に入ってくる英単語を声に出して読むことで、視覚的にも聴覚的にも英語に慣れることができます。ベストなのは、英語の音声を聞きながら、文章を読み、リピーティングすることです。そうすると、ネイティブの英語が耳から入るとともに、英語を話す時のリズム感に慣れることができます。
普段まったく英語を話していないのに成果が出るものではないので、英語の音読は日々の習慣にしていきましょう。
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