大西さんの海外歴と学校歴
7歳〜18歳 | ドイツ(ハンブルク) International School Hamburg (Grade2-12) |
18歳〜 | 慶應義塾大学 経済学部 |
英語の所持資格
英検1級 、 TOEFL iBT 113 、 TOEIC 980 |
話せなくてもくよくよしない。楽しいから英語を学んでこれた
-海外で苦労したことは?
私は7歳の時にドイツのインターナショナルスクールに転校し、最初は会話が全て英語であることに戸惑いしかありませんでした。けれども、初日から積極的に自分で友達を作ろうと行動しました。話せないからといって卑屈になっていては成長できないと思い、積極的に英語を使いました。周りの人も優しく、英語がわからない私の手を引いて輪にいれてくれたので、学校に行きたくないということは一度もありませんでした。友達と遊ぶうちに2~3ヶ月で文法はおかしくてもペラペラと話せるようになりました。
-英語の習得で苦労したことはなかったですか?
最初の頃は読み書きよりも会話を重視していたため、ある程度話せるようになってからは、論文などで用いられる難しい単語を習得するのに苦労しました。英語の授業の時だけ成績が揮わず、自分の未熟さを毎日思い知らされるのは正直とても辛かったです。しかし、添削されたエッセイを読み返し、繰り返し辞書で語彙や表現を増やしていくうちに少しずつ周りに引けを取らない英語力を手に入れることができました。その苦労を一度経験していたからか、国際バカロレア(IB)(注1)プログラムでも粘り強く努力することができ、高得点を取ることができました。
(注1)国際バカロレア(IB)とは
「世界共通の大学入学資格と、それにつながる小・中・高校生の教育プログラム」のことです。1968年スイスのジュネーブに設立されたインターナショナル・バカロレア機構(IBO)によって提供される国際的な教育プログラムで、その認定証書(ディプロマ)が世界各国の多くの大学で正規の入学資格や受験資格として認められています。
持続可能な生活をテーマに英語とヨガを教えるUBC卒 笹原さん
友人と互いを高め合うことでぐんと英語力が伸びた
-英語をどのように身につけましたか?
インターナショナルスクールに入学してから毎朝2時間、英語が話せない子供向けのクラスで英語を学んでいました。その時は英語を使い遊びながら学ぶ授業が多かったので、楽しみながら勉強していました。同じクラスの子たちとのコミュニケーションのツールも英語しかなく、初めは身振り手ぶりや単語の羅列などでやり取りし、お互い高め合いながら英語力を向上させていきました。
-手軽で楽しめる勉強法はありませんか?
私はディズニー映画が好きで、自宅でも好きなディズニー映画などをあえて英語音声英語字幕で鑑賞していました。大好きな映画なので内容もわかっていて、日本語で見た時のセリフと照らし合わせて少しずつ英語力を身につけました。聞き取りができなくても英語の字幕で確認ができ、聞き取りの添削にもなっていました。
-語彙を増やすために役立った勉強方法はありますか?
中学生になり、ネイティブの生徒と一緒のクラスにあがりました。周りの生徒と比べて自分は高度な表現や語彙が身についておらず苦労しました。その時私がやったのは、エッセイを書く時は必ず類義語辞典を片手に、同じ表現は二度使わないようにしました。そうすることで、同じ意味の語句をセットでいくつも覚えることができましたし、ニュアンスの違いなどを自然と学ぶことができ、多様な表現を身につけることができました。
自分の意見を相手に明確に伝える力を身につけた
-海外での教育の特徴を教えて下さい。
海外では自分の意見をしっかりと持っていることが賞賛され、それをちゃんと相手に伝えられる能力が問われます。私は小中高の11年間をドイツのインターナショナルスクールで過ごし、授業では読み書きよりも積極的に話すことの方が多かったです。そのおかげで、授業内ではもちろん、課外活動でも積極的に自分の意見を伝える力を身につけてきました。
高校一年生の時に参加したMUN(模擬国連)では、デンハーグ(オランダ)とニューヨークへ2回訪れ、数百人の前でスピーチやプレゼンを行いました。校内でも生徒会として生徒の提案を学校側に提示したり、バレー部のキャプテンとしてチームをまとめたりしました。それを通じて高度な英語力はもちろん、自分の意見を相手に明確に伝える力を得ることができました。また、コミュニケーションを取ることへの恐怖がなくなり、誰とでもすぐに打ち解けられるようにもなりました。
-なぜ今の大学に進学を決意したのか?
小中高と海外で過ごしたので、大学は日本で行こうと決めていました。日本で就職したい、日本と海外をつなげる仕事をしたいという希望もあったのですが、せっかく日本で大学に行くので日本語と英語両方で学びたいと思いました。その点でも、今の大学は英語で経済学を学べるPCP(Professional Career Programme)というプログラムがあり、英語力を高められるのでここだと思って決めました。
「英語を教える、英語で学ぶ」で英語力をキープ
-日本に帰国後、英語力維持の方法は?
キャタルでのアルバイトもそうですが、大学で英語の特別授業を受講して意識的に英語を使うようにしています。周りの帰国子女の友人との会話は英語でするようにもしています。大学では半期の間、全く英語の授業を取らなかった期間に英語力が落ちてしまい、英語が出てこないということもあったので、それ以降英語で取れる授業はすべて取るようにして英語力を挽回しました。
-逆にドイツにいるときに日本語を維持した方法は?
英語がまだしっかり話せなかったときは特に気を付けて家では日本語だけで話すようにしていました。家では日本語オンリーというルールまであって、英語で今日あったことを母親に伝えたときは、言い直すよう注意されたほどです。自分にとってはきちんと分けていたことで両方を伸ばしたいという気持ちになり、ドイツ滞在中に受講していたIBでは日本語も英語も取得しました。メリハリがあったからこそやる気を保つことができて、いいバランスで身についたのだと思います。
英語が好き!をつなげたい
-将来実現したい夢は?
私の将来の夢は、自分の家族と仕事の両方をバランス良く充実させる人になることです。子どもが大好きで自分が大好きな英語を子どもたちにも好きになってほしいと思っています。キャタルでのアルバイトは楽しく、やりがいもあります。自分の子どももほしいと思っているので、英語を使った仕事をしながら、プライベートも常に楽しく過ごしていたいです。
英語ができてきたらチャレンジしてほしい本
-子どもの英語学習におすすめの洋書
F. Scott Fitzgerald “The Great Gatsby”
英語学習を始めたばかりのお子さんには少し難しいと思いますが、私が今まで読んだ文学の中で一番の傑作です。高校三年生の時に授業で使った本ですが、本が好きではない私が初めて長い本で最後まで読んだ作品です。表現がすごく素敵で、描写もいいので、キャタルを卒業する時などにチャレンジで読んでほしい一冊としてぜひ薦めたいです。
世界に友達ができた!それが私の誇り
-バイリンガルでよかったと思えた瞬間とは?
バイリンガルだからこそ、得られたものは数多くありました。その中でも私にとって一番大切なものは友達です。英語ができるようになってから、部活やその他の課外活動を通して多種多様な友人が世界各国にできました。今でもどの国にも連絡を取れる友人がいるというのは私の誇りです。
明るくハッピーな性格が自分らしさ
-ご自身のアイデンティティは?
私のアイデンティティは、「明るくハッピー」です。英語、日本語、ドイツ語の3ヶ国語を幼い頃から学んでいたことで、多くの友達を作ることができました。英語が話せなかった頃からできないなりに積極的に自分から話すことを意識していました。そうすることで友達が増え、視野が広がるということを実感しました。好奇心も旺盛なので、スポーツ、演劇、ボランティアなど今まで様々なアクティビティを経験してきました。何もやらずに後悔するのが一番嫌いなので、積極的にチャレンジすることも私の特徴だと思います。
英語は努力次第で手に入れられる魔法
-現在、英語を学ばれている方へのメッセージ
今は英語が嫌いかもしれません。でもこれだけは信じてください。私は英語と出会えたお陰で素敵な人や色々な経験をすることができました。英語学習をすることに対して今もし小さな「嫌い」を感じている場合も、将来必ず大きな「好き」になります。英語を話せるようになれば、得られるものは無限大に広がります。私は「英語」を自分の努力次第で身につけられる魔法だと思っています。なので、今は辛くて大変だと思うかもしれないけれど、頑張った先にはご褒美が待っているので英語を嫌いにならないでください。私はいつでもあなたの味方です。一緒に一歩ずつ頑張っていきましょう!