守屋さんの海外歴と学校歴
0〜8歳 | 日本 |
8歳〜18歳 | アメリカ カリフォルニア州サンノゼ Cupertino High School |
18歳〜 | お茶の水女子大学 生活科学部 |
英語の所持資格
TOEFL iBT 118点 ・ SAT 2190点 |
3つのポイントを意識して使える英語を身につけた
-8歳でアメリカに移住して、どうやって英語を身につけましたか?
移住間もない頃はたくさんの宿題があったので、お母さんに手伝ってもらいながら必死になってこなしていたのを覚えています。その中で3つのポイントが英語を身につけるきっかけになりました。
1つ目は、英語を使う環境に身を置くことです。8歳でアメリカのカリフォルニア州に移住したときに、はじめはELD(English Language Development)という、英語力がネイティブに比べて不足する生徒向けのサポートプログラムに1年通いました。日本人のグループもあったのですが、あえて日本人と固まらず、他国のインド人やロシア人のグループに入るようにして英語を使うようにしました。
2つ目は多読です。私は読書が大好きだったので、たくさんの本を読みながらわからない表現は辞書で調べて、ボキャブラリーを増やしていきました。
3つ目は自主的なアウトプットです。アメリカにいても英語を聞いているだけでは話せるようにはならなかったです。自分から話したり、書いたり、アウトプットを自主的に行うことが大切です。
専門的な分野を日本一のところで学びたい
-早慶も合格していたのに、お茶の水女子大学に進学した理由は?
2012年のロンドンオリンピックの時に、サッカーを観戦することが好きになり選手を応援したいと思いました。当時より生物と化学が好きで、それを活かしつつ選手をサポートできるものは何かと考えたときにスポーツ栄養士という職業があることを知り、食物栄養学という学問を学びたいと思いました。
ぎりぎりまで自分がやりたいことがわからなかったのですが、サッカー観戦をきっかけに道がみえて、栄養士を目指すことに決めました。
日本で食物栄養を勉強するにあたって、お茶の水女子大学が食物栄養を専門的に学べる一番の大学だったので、早稲田の政治経済、慶應の環境情報学部、経済学部、商学部も合格していましたが、お茶の水女子大学の生活科学部を選びました。
-入学してみての感想、大学の魅力を教えてください。
大学に入学して感じたのは、他の大学とは違ってまわりも自分のやりたいことが明確にあって、食物のことをやりたいという第一志望の目的を持って入学した生徒が多いことです。
お茶の水大学は文系、理系、生活科学部の3学部で構成されていて、生活科学部の中に食物栄養学があり、卒業とともに栄養士の資格が取れる養成プログラムになっているのでそこが魅力でした。
学校自体は小さいので学生同士や教授と学生との距離感が近いのはいいことだと思います。
自分の学科も39人しかいないので仲間意識も強く、情報交換もできる点などがマンモス校に比べて良い所だと思います。
英語を教えながら学べる環境を選んだ
-日本に帰国後、英語力維持の方法は?
大学でも英語の単位を免除してもらっているので、英語に触れる機会が減ってしまっています。それでも英語でやっている講義を学科とは関係ないですが受けています。映像などを観て、ディベートをしたり、英語で発言したりする授業なので、アウトプットもインプットもできました。帰国子女も少ない学校なので、大学で英語を維持するのは難しい面があります。今はキャタルで教えることが自分にとっての学びの場となっています。
レッスン中に英語を使うことで力が維持できていますし、教える立場になったので、洋書も積極的に読むようになりました。
2つの国の言葉のニュアンスが楽しめる
-バイリンガルでよかったと思えた瞬間とは?
文化的なことが好きなので本を読んだり、映画を観たりした際に、日本語と英語では表現の仕方や意味の捉え方が全然違うけれど、その両方を理解できる瞬間がバイリンガルでよかったなと思います。
日本語にはすごく繊細な言葉遣いがあるし、英語は簡潔に短い文章でいろいろなことが伝わるので、どっちも理解できるのは贅沢だなと思います。
日本語訳を読むのと、原文を読むのでは面白さが全然違うし、逆に原作はあまり面白くないけれど、日本語に翻訳されたものを読んでとてもよかったこともあり、両方比べられるのもバイリンガルならではだと思います。
将来の夢はなんですか?
スポーツ栄養士になりたいです。スポーツ栄養学を専門にしている大学院に入るなど栄養士の課程が修了した後も勉強が必要で、狭き門です。食品会社に就職することも考えています。
最近、非常食にも興味があります。日本は地震などの自然災害が多いので、もしものときを考えて非常食を常備している人も多いと思います。緊急時の逼迫した状態でも非常食を食べることで気分を和らげてあげられるような非常食に改善したいと思っています。乾パンでは食欲はわきません。温かいものや食べやすいもの、食べ慣れているものをいかに提供できるかが課題です。
自分は体調が悪くなることが多くて、ずっと悩んでいた時期がありました。オリゴ糖を摂取する食事療法で体質が改善したので、同じような境遇の人がいた時には、些細なことでも相談できる人になり、食を通じて人のためになるお仕事に就きたいです。
子どもの英語学習におすすめの洋書
Holes by Louis Sachar
舞台にもなり、有名な物語なのですが、引き込まれるストーリーでおすすめです。
主人公がキャンプに送られて、毎日穴を掘るという課題が出されて、穴を掘る真相を暴くというお話です。常に続きが気になるように設計されているので、ワクワクしながら読み進めていくことができます。何度も読んでも新しい伏線の発見があって、読むたびに面白かったです。
アウトプットする機会が英語を上達させる
-英語を勉強している人たちにメッセージをお願いします
自分から発信することが大切です。
自分自身、アメリカにいても英語を聞いているだけでは英語力は伸びませんでしたが、英語で話すことで上達が早くなりました。積極的に英語を話す生徒や、英文をたくさん書く生徒の方が成長は早いです。アウトプットを意識すると英語が上達していきます。苦手な方もいらっしゃると思いますが、アウトプットすることが大事だということは理解してほしいです。
「好きこそものの上手なれ」とよく言いますが、本当だと思います。自分が英語を好きになれる環境をうまく作れれば、もっと伸びると思います。
世界から見ると日本は小さい国ですし、限られた価値観や文化しか存在しません。他の国や文化に触れることで自分の考えの幅が広がっていくと思います。アメリカではLGBT(Lesbian・Gay・Bisexual・Transgender)は当たり前のことなのに、日本はまだ考え方が狭いのか理解があまりないというのはびっくりしました。海外に行くと固定概念に関する考え方も変わると思うので、もっと視野を広げていってほしいです。