ブラウン大学へ交換留学!アイビーリーグ校への留学枠を学内選考で勝ち抜いた秘訣とは? 慶應大 松尾さん | バイリンガルへの道

ブラウン大学へ交換留学!アイビーリーグ校への留学枠を学内選考で勝ち抜いた秘訣とは? 慶應大 松尾さん

ブラウン大学へ交換留学!アイビーリーグ校への留学枠を学内選考で勝ち抜いた秘訣とは? 慶應大 松尾さん

「ブラウン大学へ留学して感銘を受けたのは、多様性を尊重し助け合いの精神が浸透していることでした。」こう語るのは、現在慶應義塾大学理工学部に通い、キャタルの教師としても活躍している松尾拓海先生です。松尾さんは高校生の頃から憧れを抱いていたブラウン大学へ大学2年生時に交換留学生として渡米し、アイビーリーグ校で貴重な留学生活を送っています。今回はブラウン大学でのお話を中心に、英語学習についてもお聞きしました!
※こちらの取材は1月に行われました。現在松尾さんは慶應大学を卒業されています。

年間100冊の本を読み英語力を保った小学生時代

どのような海外経歴がありますか?

親の仕事の都合で4歳から8歳までをアメリカのニューヨークで過ごしました。そこから慶應義塾湘南藤沢中等部・高等部に進学し、また親の仕事の都合で高校1年生時にニューヨークへ引っ越し、現地の公立校に通っていました。大学は慶應義塾大学理工学部に進学をして、1年間のブラウン大学への留学を経て今は大学4年生です。

8歳というまだ小さい時期に一度日本に帰ってきてらっしゃるんですね。

そうなんです、まだ年齢的にも小さかったので、当時の記憶があまりないんですよね。でも8歳で帰ってきた際に学校の先生に「英語なんて半年で忘れちゃうよ」と言われて、それが悔しくてその時から英語を忘れないために英語の本を読み漁りました。もともと本が好きな子どもだったのですが、年間100冊くらいは読んでいましたね。特別なことをせず、自らネットで好きな本を注文し、それを読んで英語力をキープしていました。

日本の大学へ進学されていますが、またアメリカへ留学したいと思ったきっかけはなんですか?

高校1年生の時にニューヨークの公立校に1年間通っていたのですが、そこで現地の学生たちが思ったことをストレートに伝え合っていました。建前を大切にする日本文化と違い少し驚きはしましたが、その方が人間関係を築きやすいし、僕にはその方が心地よく感じました。そして、もう一度アメリカで生活してみたいという気持ちが強くなりました。

留学中、図書館で誕生日を祝ってもらった時の写真。前列中央が松尾さん

慶應義塾大学の交換留学制度

どのような制度で留学されましたか?

留学には大学3年生時に、慶應義塾大学が持つ交換留学制度を使って行きました。しかし、学内選考があり、必ずしも全員が行きたい大学に行けるわけではありませんでした。選考では、学校の成績、志望理由書に加えTOFELの点数が重要な基準となっています。もし、世界の難関大学へ留学を考えている人がいたら、TOEFL100点を基準に勉強を進めてみてください。120点満点のテストで100点以上取れていたら難関大学も留学先として選ぶことができるからです。

ブラウン大学の多様性〜授業〜

留学先にブラウン大学を選んだのはなぜですか?

ブラウン大学では、豊富なカリキュラムが用意されており、自分の専攻以外でも自由に興味のある授業を取れるのが魅力の1つです。私の場合も専攻は物理学なのですが、その他にも環境学や経済学の授業も並行して履修していました。新しい科学技術をどう今起きている社会問題に生かせるのか、反対に投資家側から見た時に価値を感じる科学技術はどのようなものがあるのか、理系と文系の垣根を超えて勉強できるのです。自分のカリキュラムを自分で組み立てることができ、分野を横断した学習ができる柔軟性に惹かれました。

授業の内容は日本の大学と異なりますか?

やはり日本の大学と比べて勉強はとても忙しいです。毎週A4用紙5、6枚分のレポートを1つか2つは課されるので、それをコンスタントにこなしていくのは大変な部分もありました。しかし、授業はディスカッションがメインのものも多く、教授や他の生徒たちとたくさん議論を交わすのは楽しかったです。

ブラウン大学の多様性〜コミュニティ〜

大学の雰囲気はどのような感じですか?

ブラウン大学の1番の特徴はリベラルなところだと思います。LGBTQプラス(※)などの社会的マイノリティーに対しても寛容な文化があり、実際そのような人の割合も他のアメリカの大学と比べて高いです。学生が参加するフェイスブックページでは人種や格差などの社会問題についてのディベートが毎日のように行われ、それらについて朝まで友人と語り明かすこともありました。競争が激しい社会の中で相手を蹴落とすのではなく、互いを助け合い、高め合う文化がブラウン大学の学生の間には根付いているように感じました。
※LGBTQプラスとは…L(レズビアン)G(ゲイ)B(バイセクシュアル)T(トランスジェンダー)という性的指向がマイノリティな人を指す言葉が一般的でしたが、男性・女性という2種類の性に当てはまらない人もいるためLGBTQ+といった言葉が新しく広まってきています。
Q(クエスチョニング)…自分の性別がわからない人や意図的に決めていない人、決まっていない人、模索中である人のことを指します。+(プラス)…名前のついていない性やそれ以外の性を表します。

データで見るブラウン大学
ブラウン大学では、2018年度入学生の約5割強が女性と、その割合は世界中の大学と比べても高い。また入学者を人種別で見ても、アジア人が2割と白人の次に多く、そのあとヒスパニックと黒人がそれぞれ全体の1割を占めている。このように数字で見ても学生たちの多様性がブラウン大学では実現されています!
出典:https://www.brown.edu/

ブラウン大学で1番楽しかった思い出は?

本当に些細な事ですけど、友人たちと深夜遅くまで図書館で勉強していたことが思い出に残っています。もちろん勉強が大変な部分はありましたが、周りも同じように大変なので、onとoffを切り替えながら楽しく勉強できる環境にいられたことは幸せでした。
またブラウン大学には、アメリカ以外の国から来ているインターナショナル生がたくさんいるので、国籍が異なる多くの友人ができました。大学にはJapanese culture associationという日本コミュニティーがあるのですが、そこには日本人の学生よりも日本文化に興味があるインターナショナル生が多く所属しており、みんなでお寿司パーティーを開いたりし楽しみました。日本文化を通じていろんな国籍の人たちと交流を深められ、なかなか日本では体験できないようなイベントに参加できたことも思い出の1つです。

インターナショナル生とサンクスギビングを祝ったパーティー。中央奥が松尾さん

世界中に広がるブラウンコミュニティー

留学に行き、交友関係は広がりましたか?

はい、かなり広がったと思います。実はこの後も日本に旅行に来ているブラウン大学在学中のシンガポール人の友人とお寿司を食べに行ってきます!ブラウンの正規生で一時帰国している人や、ブラウン大学の卒業生で日本で働いている人がいたりなど、日本にも「ブラウンコミュニティー」が出来上がっているので、定期的に集まったりもしています。日本に帰ってきてからも新しい出会いがあったり、留学時代の友達たちとも交流が続いているので交友関係は日本に帰ってきた今でも現在進行形で広がっているように感じます。

自分が楽しいと思える英語学習を!

英語を学んでいる子ども達へメッセージをお願いします!

英語学習に関しては、楽しんで、苦にならない勉強をしてほしいなと思います。私も8歳でアメリカから帰ってきて英語力がキープできたのは、読書を楽しみながらできたからだと思います。海外ドラマを見たり、キャタルライブラリーで本を借りたりなどして、楽しみながら英語を学習してください。またキャタルの先生もすごい人たちばかりなので、積極的に話かけてみると面白い話が沢山聞けると思いますよ!
また留学を考えている生徒さんは、留学に行く前に自分が留学へ行く意義や理由を明確化したほうがいいと思います。留学は経済的にも精神的にもコストが高く、辛いことも沢山あるかもしれません。その時に自分の中で留学に来た意味が具現化できていれば、沢山のスキルと経験が身につくし、夢へと繋がる大きな一歩になると思います!