尊敬する親の背中を見て育った東大・綿貫さんが目指す「真のバイリンガル」とは


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(写真:シカゴの観光スポット、The Bean。一番左が綿貫さん。)

綿貫さんの海外歴と学校歴

0歳 アメリカ アラバマ州生まれ
0歳〜18歳 アメリカ イリノイ州パラタイン
18歳〜 東京大学 PEAK

 

「真のバイリンガル」になるために帰国した

—生まれからずっとアメリカに住んでいましたが、なぜ日本の大学を選んだのですか?

家族が日本に住んでいるからです。また、東京大学の学費は比較的安く、経済的な動機もありました。そして、大学生のうちに日本に引っ越さなかったら、一生「真のバイリンガル」になれない気がしたからです。

—「真のバイリンガル」とは、どういうことですか?

人それぞれ自分にとっての「真のバイリンガル」の定義が違うと思いますが、私にとっては「違和感のないバイリンガル」という意味です。日本では、帰国子女は「漢字ができない」等の印象が強い気がします。大半の人は「帰国子女ってカッコいい」と言ってくれますが、一方でビジネス社会では「帰国子女だから少し無理かも」と言われることもあります。私は日本社会にいても違和感がなく、聞かれるまでずっとアメリカに住んでいたということが知られないくらい、自然な日本語を話せるようになりたいです。それができなくても決して悪いことではありませんが、自分が英語と日本語の両方ができるという恵まれた環境で育ったので、そのレベルになりたいと思っています。

—なぜそうなりたいと思うようになりましたか?

家族と親密な関係でいたいという想いからです。また、親と、アメリカで通っていた補習校のおかげで、日本語が話せるようになったので、ちゃんと磨きたいと思いました。ただ少し話せるだけではなく、日本で就職しても活躍できるくらいのレベルに。それが目標でした。

—綿貫さんが話す「真のバイリンガル」に、日本で英語を勉強している方々もなれますか?

なれると思います。ただ、私と比べたとき育ってきた環境が異なるので、私の言う「違和感のないバイリンガル」とは目指すべき対象が変わってくると思います。例えば日本でずっと育った子どもたちの場合は、英語を話すことに違和感があっても、自分の英語で自分の主張ができるようになるということが真のバイリンガルになったと言えるのではないでしょうか。もちろん話すときは文法なども大切ですが、完璧でなくても良いので自分が言いたいことをちゃんと伝えられるようになることが大事だと思います。

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(写真:高校の陸上大会にて。)

 

発言の態度から、アメリカと日本の価値観の違いが見えた

—自分のアイデンティティは?

Japanese American です!価値観はアメリカと日本の影響があり、良い感じに混ざっていると思います。

-アメリカと日本の価値観、というのは?

アメリカでは自己主張がとても大切です。自分が思っていることは最後まで貫くという感じですね。日本では、自分が思っていることが言えなかったり、周りに迷惑をかけるから言いたくないと感じることが多いと思いますが、アメリカでは自分が思っていることを明確にハッキリと伝えることが非常に大事です。学校だけではなく、社会で人と関わる時も、自分から何かをするということがとても大切なので。思っていることをバンバン言わないとすぐに取り残されてしまいます。逆に日本では、他人の立場や意向を汲み取って考えることも大切なので、いつも「私、私、私」ではなく、もっと周りとの関係を大切にしています。

私は両方の価値観を取り入れようとしています。自己主張をしながら、周りの相手を尊重し、周りの意見を尊重するということを大切にしています。

-どのようにその価値観を確立しましたか?

価値観って、自然に身につくものだと思います。私は、現地校と補習校での自分の違いから、日本とアメリカの価値観の違いに気付きました。

現地校にいる自分と、補習校にいる自分が違うという違和感に気付いたのは高校生の頃だったと思います。アメリカの学校にいると、授業中も積極的に手を挙げて「私はこう思います」と主張したり、他の生徒と授業中にディベートしたりもしました。

しかし補習校では、授業中にこれを話しても良いのかな、時間がなくなっちゃうからこれは来週の授業で言おうかな、というようにもっと気を使っちゃうんですよね。アメリカ人が全員自己中心的で他の人のこと考えていないっていうことでは決してありませんが、やっぱり自分が言いたいことに対する考え方が日本人の価値観とは違っています。現地校だと自身を主張することが大切だけど、補習校だと人に迷惑をかけまいと気を配らないといけない。このような差があったので、これはアメリカと日本の価値観の違いなのかなと気付いたんです。

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(写真:夏のクロスカントリーチームの合宿にて。最前列の左から3番目が綿貫さん。)

 

家族のためにも日本人アイデンティティを大切にしたい

—そのような価値観の気付きから自分のアイデンティティが築かれていますが、そこに至るまで現地で苦労したことはありますか?

小学生の頃、私の親が100%日本人で、とても日本的な家族だったので、私だけ周りと違うというのが嫌でした。特に食文化が気になりました。お母さんがご飯にアジやサンマを焼くと、その匂いが家にこもるので、友達が遊びに来るときすごく恥ずかしかったです。それ以来、本当のアメリカ人になりたいと思うようになりました。しかし、高校生になってから日本文化は私にとって大切だと感じるようになりました。そのように思えたのはやはり家族とのつながりからでした。親だけではなく親戚ともつながりが強いので、日本人であることは私にとって大切なことでした。日本人としてのアイデンティティを恥じることは、逆に悲しいことだということにまで気付きました。

—日本人としてのアイデンティティをどのように周りに主張しましたか?

普通の会話で「私日本人だから」とか「日本ではこうだから」とかをドンドン入れることはできませんが、例えば昔恥ずかしがっていた食文化とか、日本独特の文化について聞かれたら積極的に答えています。友達が家に遊びに来たら「これ日本のお菓子だけど食べてみる?」とか、日本のご飯を「一緒に食べてみる?」とか、簡単な方法で紹介していました。あとは、学校のプレゼンテーションで「自分とは何か?」というテーマに対し、自分の特徴の一つとして日本の文化について話したりもしました。

私が住んでいたところには日本人が本当に少なく、高校でも日本人は私と姉くらいしかいませんでした。周りの人たちにとって「日本」とはアニメや寿司というイメージしかなかったので、聞かれたら日本の伝統文化についてもがんばって周りに伝えようとしました。

—周りの反応は?

高校生になると、人と違うことは悪いことではなく、逆に個性として分かってくれるので、周りからは “Oh cool!” とか “Awesome!” と言ってもらえました。批判されることは一切なく、むしろ日本文化を私が伝えることで、「初めて知った」、「聞けて嬉しかった」、「面白かった」という反応がほとんどでした。歴史の先生や文化に興味がある人に日本について教えてあげたり、日本からのお土産を買ってくると、とても喜んでもらえました。

小学校を卒業してからは、日本人であることを恥ずかしいと思ったことが一度もありませんでしたね。むしろ日本語も話せることが誇りでした。周りの子たちはほとんど英語しか話せなかったので、英語と日本語の両方ができるバイリンガルとして、「結構自分すごいかも」と思えた時が何度かありました。

 

アメリカに居るだけでは英語は上達しない!

英語は普段から使っていて慣れていたと思いますが、日本語を勉強する上で、自分がそれまで英語を学習してきた方法と似ていましたか?

似ていました。英語力は幼い頃に本をたくさん読んで、自然と身につきました。逆に日本語に関しては、小さいときから日本語の本は難しいと思い、全然読まなかったんです。しかし、中学や高校に入りマンガを読み始めると、楽しいと同時に漢字もたくさん触れられたので、マンガやバラエティー番組の字幕などから「楽しい」学び方を見出し、心がけるようになりました。自分が結構諦めやすいタイプなので、退屈だとやる気がなくなってしまいます。英語も日本語もできるだけ楽しいと思えるような学習方法をとっていました。

—生まれがアメリカなので、最初から英語は得意でしたか?

いえ、子どもの頃は英語が得意ではありませんでした。子どもの頃というと7歳や8歳の頃ですが、その時にほとんど親と一緒に過ごしていました。親とは全部日本語だったので、アメリカの幼稚園に通い始めてもなかなか日本語から抜け出せませんでした。友達はいましたが、自分の意見をちゃんと言えなかったり、苦手意識が強かったですね。やっぱり幼稚園レベルだとあまり文字は読めず、主に絵本で、その絵本を「ふーん」って読むくらいでした。

小学2年生くらいになって、ようやくMagic Tree House を読めるようになって、本当に本が好きになりました。そこから色んなチャプターブックを読み始めて、グンと英語が伸びたと思います。

 

おすすめの本を教えて下さい。

The Magic Tree House Series

このシリーズのきっかけで本が好きになりました。本の世界はこんなに楽しいんだって初めて思えました。子どもたちが世界や時代を超えて冒険するという画期的なアイデアが当時7歳だった私の心に響きましたね。「私もこういうことしたいな」だけではなく、こういう世界や時代もあるんだ、と色々学べました。それがとても好きでした。

—本を読み始めてから、英語が伸びたんですね。

私はそう信じています。本を読むと知識も学べますし、語彙力がとても上がります。また、本って自分の成長や成果を測りやすいんですよね。難しい本を読むことを辛いとか面倒くさいというよりも「チャレンジ」と思って読むと達成感がすごく気持ち良いです。初めて分厚い本を読んだときも、「読めた」という達成感が生まれます。また、何冊読んだかとか、前は短い本だったけど今はこんなに長い本を読んで理解できるようになったとか、このレベルは以前読めなかったけど今は読めるとか、成長が実感としてわかります。あとは、本を読むと自分の書く力にもつながるので、自分の書く力が伸びていくのを見るのもとても楽しかったです。

—本の力ってすごいですね。最初からアメリカに住んでいたにも関わらず、やはり本がなければ英語力はそれほど伸びなかったと思いますか?

そうですね。日本語でも同じで本を読むことで力が伸ばせたと思います。また、英語と同じでやはり「使う」ということが日本語でも大切です。私は大学に入って授業外で一般生と話し始めてからようやく日本語が上達したと感じました。ただ居るだけでは何も身につかないので、やはり自分から何かをしないと成長はできないと思います。

 

親のサポートのおかげで、伸び伸びと成長できた

—将来の夢は?

まだ決まっていませんが、人々の役に立つ仕事に就きたいです。あと、親孝行は絶対にしたいです。

—家族への想い、素晴らしいですね。今までどのように家族への感謝を感じましたか?

アメリカでは、アジア人の親のステレオタイプとして「厳しい、何にでも厳しい」というイメージが強くあります。しかし私の家では、もちろんルールはありますが、私を信じてくれてある程度自由にさせてくれます。そうやって私を尊重してくれたことをすごく感謝しています。

特に大学の進学先を決める時に助けられました。当時、私は進路について悩んでいました。進みたい道とかがなく、得意なものもあまりない。また、「ここが良い」という強いこだわりもなかったんです。そこから大学を選ぶことがとても難しかったです。
そこで、色々私のためにオプションを出してくれたのが、私の親でした。「日本に行っても良いんだよ」「アメリカの大学なら、授業料が高いけど、できるだけ支援するよ」とか、本当に私を全面サポートしてくれて、一番感謝しています。
私は親をすごく尊敬しています。親は30代に入ってからアメリカに引っ越して、大変な環境の中で私と2人の姉を育ててくれたことにとても感謝しています。姉妹3人とも歳が2つずつ離れていて、大学に行く時期も近く、経済的にもかなり厳しいと思うので、親が退職した後はちゃんと親孝行したいと思います。

 

最後に、英語を学習している子どもたちのメッセージをお願いします。

自分が「楽しい」と思えるものを見つけるのが一番です。映画や音楽、読書などでも良いですが、どんな趣味でも英語を関連づけることが大事だと思います。例えば、サッカーが好きだったら英語でサッカーの解説を聞いてみたり、海外のサッカーチームの試合を英語で観たりしてください。何でも英語と関係性があると思うので、積極的に自分の好きなものと英語をくっつけて、興味を持って英語が学べるようにすることが大切だと思います。

 

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