啓明学園中学校・高等学校-帰国生と外国籍の生徒が3割を占める | バイリンガルへの道

啓明学園中学校・高等学校-帰国生と外国籍の生徒が3割を占める

帰国生と外国籍の生徒が3割を占める、啓明学園中学校・高等学校

<学校の概要>

啓明学園中学校・高等学校(以下、「同校」という)は、東京都昭島市拝島にある帰国生の多い共学校で、キリスト教の教えに基づいた教育をしている。拝島駅、京王八王子駅、JR八王子駅などからスクールバスが出ていて、所要時間は6~30分である。
1940年に三井高維氏によって創設され、海外に勤務する人々の子女たちを、国際的に奉仕できる人材に育てようとしたことに始まる。多摩川を見下ろす高台の3万坪の校地に、幼稚園、初等学校、中学校・高等学校があり、自然豊かな環境である。

<基本情報>

私立普通科中学校・高等学校
系列校:啓明学園幼稚園・初等学校
教育体制:中高一貫(併設型)
標語:正直、純潔、無私、敬愛
生徒数:中学校175人、高等学校299人(2014年4月時点)
共学/別学:共学
学期:3学期制
学費:102万9200円(中学初年度、2015年度)107万3400円(高校初年度、2015年度)
帰国子女の受入:有
国内大学進学実績:上智大学、法政大学、立教大学、青山学院大学、慶応義塾大学、国際基督教大学、中央大学など(2015年)
海外大学進学実績:ハワイ大学、モスクワ大学、アーカンソー州大学など(2015年)

習熟度に応じたクラス編成と教材で英語の授業を受ける

英語の授業は全学年において習熟度別に行い、4技能(読む、聞く、話す、書く)をバランスよく伸ばし、グローバル化に対応できるコミュニケーション力を身につける。
中学において、一般クラスには週に1度、ネイティブと日本人教員のチームティーチングによる英会話の授業がある。国際クラスでは、文学作品にふれ、ライティングやディスカションなど、自分の意見を述べる機会をふやす。
高校において、一般クラスは、2学期までに検定教科書を終え、3学期はOxfordやPenguinの読みものを扱い、ExpressionやInteractionの授業で学んだ力を発揮するため、スピーチコンテストを行う。国際クラスは欧米の文学作品に触れ、ディスカッション、スピーチ、プロジェクトワークを実施する。
一般・国際ともに、Dクラスという学力上位クラスを設けている。一般のDクラスでは、Z会の『New Treasure』を教科書として使い、ハイレベルな読解力を養う。国際のDクラスは、欧米の教科書を使って、ネイティブスピーカーの教員が教えている。
2014年にスーパーグローバルハイスクールのアソシエイト校となり、より積極的にグローバル人材の育成に取り組む方針である。

国際学級は、英語のレベルに応じた3クラスに分かれている

帰国生などの国際生は、いつでも編入でき、日本語を第一言語としない生徒のための日本語クラスも用意している。ホームルームクラスは一般の生徒と一緒で、英語以外の科目は、日本語の理解力に応じて取り出し授業を受けることができる。
中学校と高校では、「国際英語H(Honor)クラス」、「国際英語R(Regular )クラス」、「国際英語Sクラス」のいずれかに所属する。Hクラス(上級英語)とRクラス(中級英語)は、ネイティブ教員が英語の授業を主に担当し、主に海外の教材で学ぶ。高い英語力をもつ一般生が、HクラスまたはRクラスで学習することもある。
Sクラスは、英語圏以外からの国際生を対象とし、英語力に応じた指導を受け、英語力がついてきたら一般英語クラスに加わる。

土曜講座では、英語で英語を学ぶ

土曜講座で、英語で英語学ぶ「English Extension(EE)」の授業を行っていて、中学1年生は全員が受講し、中学2年生以上は選択により受講する。EEは、ネイティブ講師による英語の授業で、1時間目はテキスト中心、2時間目は映画、音楽、科学、プレゼンテーションスキルなどの内容である。高校2・3年生に対しては、海外大学を志望する生徒や、TOEFLのスコアアップ・英検取得を希望する生徒に向けた授業もある。
土曜講座では、国語と数学のほか、高校2年及び3年向けに、物理、化学、生物、社会科現代史も開講している。また、高校3年生を対象に、大学入試対策講座も行っている。

海外での体験学習やワークキャンプを実施している

毎年8月に、姉妹校などへの文化体験プログラムを行っている。2014年度は、オーストラリアのカンタベリーカレッジで体験学習を行い、カンボジアでのワークキャンプを実施した。2015年度の体験学習は、ドイツのグスタフ・ハイネマンオーバーシューレと、アメリカのセントメアリーズホールで行い、2016年度はモンゴルのソドエルデムスクールと、アイルランドのミドルトンカレッジで実施する予定である。
オーストラリアのカンタベリーカレッジとトリニティアングリカンスクールとは、1年間の交換留学制度があり、アイルランドのニュータウンスクールに留学中の生徒もいる。ホストファミリーになることも、グローバル体験として勧めている。

合格実績

2015年の卒業生は114人の現役合格実績は、国公立大学合計3、早慶上理ICU合計17、GMARCH合計22、海外大学(ハワイ大学、モスクワ大学、アーカンソー州大学など)合計8であった。
上智大学と教育上の協力関係を強化していて、進学する生徒も多い。指定校推薦のある主な大学は、青山学院大学、成蹊大学、東京理科大学、立教大学、早稲田大学、学習院大学、東京女子大学、国際基督教大学、立命館アジア太平洋大学などである。

まとめ

習熟度別のクラス編成を取り入れ、国際学級がある。グローバル校としての歴史が長く、帰国生と外国籍の生徒が20~35%を占め、約4割の生徒が海外生活経験者である。休み時間にも外国語が飛び交う環境で、自然に英語力を育成でき、グローバルな価値観が身につく。早慶上理ICUの現役合格率は15%で、GMARCH以上の現役合格率は37%である。