みなさんは留学をされたことはありますか?近年、早くから子どもに留学をさせるご家庭も増えてきています。なかには、小学校1〜2年生ですでに短期で海外のサマースクールなどに参加している子もいます。しかし、留学先の国や地域、学校選びも留学経験がないとなんだか不安ですし、渡航手続きなどもどのように行ったらよいかわからず困ってしまいますよね。
そこで、この記事では留学について解説していきます。留学のメリットや方法、タイミング、オススメの留学先などをまとめました。また、実際に保護者の方から寄せられるQ&Aもご紹介します。
色々あってわかりづらい、長期留学の種類
現在、留学の種類が多様化しています。短期留学、長期留学、高校や大学で行く留学。海外の大学に4年間就学する人も増え、インターンという形で海外に行く人もいます。どうすれば良い留学方法が見つかるのか。自分の目的に最適なものはどう見つければ良いのでしょうか。
多くの留学方法を大きく4つにまとめ、それぞれに対して判断基準となるような要素を比較すると、以下のようになります。(留学エージェントや日本の大学によって異なる条件もあります。)
|
ぴったりの留学方法が見つかる!目的から考える大学での海外留学
この中でもオススメの留学方法が、大学での長期留学です。そして特にオススメなのが、大学の交換留学枠を使って留学することです。
大学での長期留学と一口で言っても、交換留学の他にも様々な形式が存在します。それぞれのプログラムの形が違うため、特長が違えば、見合う人も異なります。またそれ以上に、かかる費用から、必要な条件も様々です。大学で長期留学をどう行くかを考えている方も、行くかどうかを検討している方も、どの形式が自分の目的や持っている条件に最適かを見極めることは非常に重要となるのです。
大学の交換留学制度を用いた留学がお勧めな3つの理由
同じ大学の長期留学でも、行く手段によって様々です。最良なのはもちろん、自分の持っている成績や英語のスコア、もしくは行きたい目的によって手段を選ぶことですが、どんな方にも大学の交換留学制度を用いて行くことを一番にオススメします。
その理由として、以下の3つ挙げることができます。
- 学費が安い
- 有名校に行ける
- 就職の選択肢が広がる
まず、本当ならば学費が高い海外の大学に、日本の大学の学費で行けることが最大の魅力です。特に、4年間海外の大学に就学するとなると、奨学金なしではかなりの額になっていまします。また、その学費で、海外のトップクラスの学校に通うことができます。在籍大学によって異なりますが、ほとんどの日本の大学は海外の名の通ってる大学と提携していることが多く、質の高い教育を、交換留学制度では受けられるのです。そして最後に、1年間の留学後、日本でも海外でも就職しようと思えばすることができます。4年間海外の大学に通うのと、4年間日本にいるよりも、はるかに選択肢が広がるのです。
大学の交換留学にどうしたら行けるのか
上記でお伝えした通り、大学の交換留学制度を用いて留学をするのが一番魅力的な方法だと言えます。しかし、魅力的だからこそ、他の方法で留学するよりも倍率は高くなってしまいます。特に、有名校に留学するのは、格段と難しいです。
大学の交換留学の選抜では、1年間という限られた期間でどれほどの有意義な学びができるかを重要視しています。そのため、留学先で学びたいことがはっきり決まっている人、そして、学ぶ上で支障のない語学力をすでに持っている人でないと、なかなか有名校には行くことはできないのです。多くの大学では、海外経験がありすでに語学力を持ち備えている帰国子女の生徒が、人気がある留学先の学校への切符を勝ち取っていることがほとんどです。
大学交換留学の現実 — 帰国子女しか良い学校に行けない?
例えば、慶應義塾大学では100校にも及ぶ協定校が世界中にあり、長期交換留学ではそれらの大学に1年間行くことができます。また、日本の大学の学費を払うだけで世界の名門校で勉強できる場合が多く、人気の理由となっています。様々な学校がありますが、その中でもやはり英語圏への留学が倍率が高く、志望する人の半分しか行けません。第一志望の大学に行ける人はさらに少ない数になります。行くためには、学内審査で志望理由や学習計画を日本語と英語の両方で提出するほか、学校の成績と英語能力試験のスコアが必要です。英語のスコアは大学によって満たさないといけない基準が異なりますが、ほとんどの大学で高い英語力が求められます。そのため、数少ない留学の枠の多くを帰国子女が占めているのが現実です。
英語能力試験のスコアで実際に留学!
しかし言い換えると、英語能力試験のスコアさえ満たすことさえできれば、誰でも留学できる機会はあります。そのため、海外経験が無い附属校生でも英語圏に留学することも可能です。つまり、早くから留学に向けた英語学習ができて有利であるとも言えるのではないでしょうか。実際に、このように非帰国子女でありながら、英語の勉強をして英語圏に留学に行った附属校出身の方の経験をご紹介します。
慶應義塾を内部進学したYさんは現在法学部に通う4年生。去年、米アレゲニー大学に1年間留学していました。ペンシルベニア州にあるアレゲニー大学は1815年創立という長い歴史を持ち、幅広い勉強ができるリベラルアーツが盛んで有名です。
中学校から慶應に通っていて、高校、大学と受験をしなかったYさんは高校生の頃から何かにチャレンジしたい気持ちがずっとあったそうです。そして大学進学とその先を考えた時、中学から慶應に在籍している自分のバックグラウンドが狭いと感じ、自分の価値観や常識が全く通用しない世界に飛び込んでみたいと思い、高校生の頃に大学での交換留学を目指し始めました。
アレゲニー大学は現在、TOEFL iBTで120点中81点を最低条件として海外留学生に求めています。他の英語圏の大学に留学するにも、同様な点数が必要です。帰国子女ではないYさんは高校までは英語とはほとんど無縁で、興味が無かったそうです。初めて受けたTOEFL iBTスコアは30点台。しかし大学に入ってから本格的に留学準備を始め、YさんはTOEFLの対策塾に通い始めました。そこでは特にリスニングに力をいれ、ディクテーション、シャドーイング、そして暗記を繰り返しました。そうすると1年間でTOEFLiBTのスコアをなんと50点も伸ばすことに成功。85点まで上げて、留学に出願したそうです。

Yさんが留学したアレゲニー大学
留学で得た高い英語力と国際的に活躍するための術
Yさんは1年間のアメリカ留学を通して英語力は全面的に向上したそうですが、その中でもリスニングが一番鍛えられたと実感しています。それでもはじめは、現地の人の会話に慣れるのに大変苦労したと言います。しかし1年経つと普段の生活でも、授業の中でも、全く苦労なく英語を聞き取れるようになったそうです。
英語力だけを見ても、Yさんが留学に行ってよかったと感じていることは言うまでもありません。しかし、英語力の向上と、未知の世界に触れられたことだけがYさんが留学で得たものではありません。Yさんはアメリカへ行って、国際的に活躍するための術を学んだと話してくれました。慣れない環境の中でどのように生きていくか、また、与えられている機会や環境をいかに駆使して成長に繋げられるか。そのようなことを留学を通して考え直すことができたと感じています。
中学高校の時は英語に真剣に向き合っていなくても、高い倍率をくぐり抜けて大学で交換留学に行けること。そして、行った先では勉強の他にも多くの将来の糧を得られること。Yさんの経験はまさに、附属校生の留学の成功例であると言えます。しかしYさんの場合は大学入学後に留学に向けて準備を始めました。さらに前から留学を意識すると、もっと力をつけてから留学に行くこともできるでしょう。
帰国子女じゃなくても大丈夫!大学で交換留学に行くために必要なこと
では、交換留学の倍率の高さをくぐり抜けるためためには具体的にはどのような語学力が必要なのか、また、どのように準備をすれば良いのかを紹介します。
留学できる人の3つの特徴
その1 やりたいことがある人
大学の交換留学では、交換留学を志望する理由、そして希望の大学を志望する理由など、細かく志望理由や学習計画を書いて提出する必要があります。多くの場合、志望先の大学それぞれに合わせて志望理由を書きます。そのため、学びたいこと、それを学ぶためにその大学を希望する理由、そして学んだことをどう日本に帰国してから活かすかが明確でないといけません。
例えば、高校生時代に初めて投票した時から政治に興味を持ち、留学先では政治学の勉強をしたいこと。そして、政治学の中でも、日本の若者の政治参加について問題意識を持っていて、そのような政治心理学を専攻としている教授の元で学びたいということ。また、帰国したら現在大学で行なっているコミュニケーション学との関連で研究をさらに進める、といった方針。そのような先を見据えた学習計画が具体的であればあるほど、志望理由は説得力のあるものになります。
その2 やりたくないことでもやれる人
また、学校の成績(GPA)を重視するのも大学での交換留学の特徴の1つです。好きなこと、そして自分の得意分野にだけ特化していては勝ち残れる可能性は低いです。そのため、在学中の大学で取る授業全てにおいて良い成績が取れること、つまり、やりたくないことでもやれる力があることを見せることも、大学の交換留学では必要なのです。
その3 やりたいことをやれる力がある人
最後に、いくら明確な目標を持っていても、留学先でそれを実行する能力がないと交換留学に選ばれることは少ないです。その能力の中で最も重要視されているのが語学力。語学力が備わっていなければ、授業を受けても得られる学びが少なくなってしまうからです。他にも、言語に不自由していて留学先の生活に苦労していると、充実した大学生活は送れません。つまり、留学というチャンスを最大限に活用し、学びたいことを学び、自分の目標を達成するために、そのツールとして最低限の語学力が必要となるのです。
留学に必要とされる英語力
その中でも留学で特に必要とされているのは、英語で学ぶ力であるということができます。なぜなら、留学の主目的は学びであり、留学を志望した理由の「やりたいこと」をやるためには英語で授業を受け、英語で勉強するからです。英語を用いて様々な事を学ぶ力がなければ、留学に行っても何も得ることはできません。しかし日本の一般の英語の授業では「英語を学ぶ」ことを主に行うため、学校の授業だけでは、「英語で学ぶ」力はなかなか身につかないのです。
そのような、留学で必要とされる英語で学ぶ力をつけるためには、初めから英語で英語を学習する方法が有効であるといえます。英語を使って習得することで、わざわざ日本語に置き換える必要のない、バイリンガルのような英語能力が身につくからです。まさに、海外経験を通して習得できる英語はこのような能力です。そのため、日本にいながら英語を英語で学習し、加えて、他の科目も英語で学ぶ機会があれば、留学に必要な英語で学ぶ力が確実に身につくはずです。
英語で英語を学習する
英語塾キャタルは英語力の高いバイリンガルが英語を身につけた方法で学べるカリキュラムになっています。それは留学でも使える「英語を英語で学ぶ力」です。この力を身につけるには、3つのポイントがあります。
レッスンは全て英語で行い、授業時間は完全に英語脳に切り替えられる環境
スピーキングやライティングといったアウトプットを重視し、他の教科で学んだことを自分の英語力でアウトプットできるようにする
帰国子女じゃなくても交換留学へ
日本国内でも英語教育の形が変わってきています。そのため、帰国子女でなくても高い、実用的な英語力を身につけることは可能になっています。大学の交換留学に関して言えば、海外経験のない人でも条件が揃っていれば倍率の高い人気校に行くこともできます。そのため、自分の必要な能力に見合った英語の学習方法を早いうちに見つけ、小中高生のうちから準備を行えば、誰でも交換留学に行くことが可能なのです。そして受験がない内部生は特に、留学を目の前の目標の一つとして立てて、ぜひ挑戦してもらいたいです。
受験のない附属校生にこそ留学を目標に掲げてほしい
また、留学を特にオススメしたいのが、受験のない附属校生です。「大学附属」「勉強」というキーワードをGoogleで検索すると、ネガティブな内容の記事ばかりが出てきます。「就職に不利」「勉強もしないし、忍耐力もない」「後悔する親」という検索結果が目立ちます。附属校生には、「勉強しない」というイメージがあるようです。
それは、受験がないため、目標を持って勉強をする機会がないからです。しかし附属校に通う生徒は、中学受験や高校受験のためだけの勉強に時間を割く必要はなく、英語学習のような、自分の人生設計に必要な勉強に集中することができます。大学での学びや、就職、そして仕事で活躍することを念頭に置いた際、大学での長期交換留学をぜひ目指してほしいと私は考えます。
受験の代わりに大学で留学を勧める3つの理由
大学で留学に行くメリットはたくさんありますが、まとめて以下の3つの項目が考えられます。
- 語学力が身につく
- 休学せずに海外で勉強できる
- 目標を掲げて勉強する経験になる
附属校生だからこそ留学へ
初めにお伝えした通り、英語圏への長期留学は倍率が高くて困難だと思われています。しかし現実には、TOEFLのスコアさえ足りれば、誰でも行くことはできるのです。帰国子女ではないから、海外経験がないからと言って、留学を諦めないでほしいと私は思います。
違う環境に自分を置いてみたいと思っている方や、何か達成したい夢がある方は是非、大学での長期留学を検討してみてください。留学すると多くの将来の糧を得られるほか、留学を目指すこと自体が明確な勉強の目標となり、人間的な成長にもつながります。附属校生は特に準備をする時間があります。ぜひ、受験の代わりの目標として留学を高校、または中学の時から掲げて勉強することをお勧めします。
留学をするタイミングは、いつ頃がいいのか
保護者の方からよくいただく質問です。「子ども留学をさせたいが、いつごろがいいのでしょうか?」
理想は、できる限り早く長く、ですが、なかなか一般的には難しいと思います。それでも、早く始めて、定期的に行くことがとても大事です。海外に行って、英語でコミュニケーションすることはとても楽しいことなんだ!と子どもたちが早くから感じることが重要です。
そこで、小学生・中学生・高校生・大学生ごとに、海外で学ぶ方法をご紹介します。
小学生のうちに、サマースクール
親から離れて、自分で現地の子と友だちになって英語でコミュニケーションする機会を作ることは、素晴らしい経験になります。そのために、サマースクールなどに参加することをおすすめします。できれば毎年、長ければ長いほどいいですね。
中学生になったら、ホームステイ
学校で用意されているプログラムなどを使って、ホームステイに行ってみましょう。
こういうことが自分は言えなかった、アメリカの学校の授業はこういうことやっているんだ、などいろんなことに気づきます。これは本留学のための良い準備段階と言えます。
高校生で、交換留学
高校には交換で一年間海外に行けるようなプログラムがある学校がありますし、むしろ高校に入る前に、そういうプログラムを持っている高校を目指すこともいいですね。
例えば三田国際学園高等学校はニュージーランドに一年間行くプログラムが用意されています。
海外で一年間学ぶということは、英語力が上がるのはもちろんですし、思春期に日本を離れて客観的に日本を見ることは、すごくいい経験になります。
大学は絶対に海外の大学へ
アメリカに限らず、世界にはたくさんのいい大学があります。
とにかく海外の大学に必ず行ってほしいです。できれば4年ですが、なかなか難しいので、日本の大学に入ってから交換で留学することになるでしょう。各スーパーグローバル大学はいい交換プログラムを持っています。
例えば慶應義塾大学だったら提携先の学校にダートマス大学がありますし、早稲田大学だったらイエール大学が提携先に入っているので、スーパーグローバル大学の提携先に交換留学をするのが一番です。

日本の学校から交換留学で行けば、学年を落とすこともないし、単位ももらえるし、学費も日本の学校に納めればいい。そうすると地方の大学から東京の大学に下宿するより、イエール大学に留学している一年の方が安く済んだ、なんてこともあり得ます。
留学というとハードルが高いイメージがありますが、交換留学を使うとグンとハードルが下がります。自分の出身校として、日本の大学名だけではなく、海外の大学名も言えることは国内外で大きな武器になりますので、これを目指してもらいたいです。
TOEFL100点、そして海外の大学へ
助走段階として、小学生のうちにサマースクール、中学生でホームステイ、高校生で1年間の交換留学、その中でTOEFL100点の英語力を目指してしっかりと勉強していけば、もしかしたらダイレクトに海外の大学に行けるかもしれないし、逆に東京の大学に交換留学で来るなんてことになるかもしれない、それくらいのビジョンを持ってほしいです。一年でも名門大学に行けていれば、そこからロースクールでハーバード大学に行くとか、ビジネススクールでスタンフォード大学、というのも夢ではありません。大学院で完全留学することを目指して、とか、大学で一年交換留学することを目指して、など無理のない設計を考えると、そういう段階を踏んでいくのが最適だと思います。交換留学に行くことができる基準の英語力は、TOEFL100点です。このスコアがあれば外国人としての足きりラインを越えます。そこから先は現地の生徒や他のインターナショナルスクールの生徒との評価になっていきます。
失敗しない語学学校選びの基準6つのポイント
世界各国には何千校という語学学校・大学が存在します。その膨大な学校の中から一つを選ぶとなると、一体何を基準にして選べばいいのか判断に迷うところです。大学を選ぶ場合は、進路として将来の仕事のことも視野にいれた学部という1つの基準があります。一方、語学学校の場合は何を基準にすればいいのか迷うところです。そこでいくつか学校選びのポイントとなる項目をピックアップしたので参考にしてみてください。
学校規模によってレベルが細分化されている
語学学校は全校生徒500人以上の規模の大きい学校や、100人以下の規模の小さい学校までさまざまです。学校の規模によって違いが出ることの一つに、授業のレベル数があげられます。語学学校は、当然語学の初級レベルから上級レベルの生徒まで、さまざまなレベルの生徒を受け入れています。そこで語学力によってクラスを分けており、それがクラスレベル数になります。クラスレベル数が多い学校は12段階に細かく細分化されています。少ない場合は5段階などになります。当然、規模の大きい学校は生徒数も多いことからレベルの数も多く、細かくレベル分けがされています。
また、アットホームさも学校の規模によって違いの出る一つです。規模の小さい学校のほうが先生も生徒も全員顔見知りになり、アットホームな雰囲気になりやすいです。生徒数が少ない分、ケアも行き届きやすくなります。とはいえ、どちらが良い、悪いはないので、何を優先するかで決めましよう。
立地条件で学校形態が変わる
語学学校があるエリアは、都市部、郊外部、リゾート地、学生街とさまざまです。それによって 教室の立地条件や雰囲気が異なります。一般的に、都市部やリゾート地にある学校の場合は、ビルの一角を教室として利用している学校が多い傾向にあります。学校規模によっても違いはあり、大規模校の場合は複数のビルに教室が点在し、授業ごとに移動するケースもあります。小規模校の場合にはビルのワンフロアで運営している学校が多い傾向にあります。
一方、郊外部や学生街にある学校は、一軒屋タイプの建物が一つの学校となっている場合や、大学のキャンパス内の教室で授業を行う学校が多い傾向にあります。立地条件はあくまで目安となるので、気に入った学校がどんな教室の立地条件なのかを確認し、何を優先するかで決めましよう。
大学付属校、チェーン校の違いとは
キャンパス内の大学付属校
大学付属校 (大学付属の語学研修機関)とは、もともとは大学進学準備の補講英語としてスタートした機関ですが、最近では進学目的だけでなく、日常会話や一般英語、ビジネス英語などカリキュラムが豊富で多くの留学生に門戸が開かれています。大学の構内に教室があり、メリットは何と言ってもキャンパス内の施設が利用でき、一般学生に混じってキャンパスライフを満喫できることです。大学の学期に合わせて6〜12週間タームで途中入校できないケースが一般的です。
また、大学のキャンパス内に教室がある私立の語学学校もあります。同じく大学内に教室があるのですが、違うのは大学付属の機関かそうでないかです。大学のキャンパスを借りて開講しているので、カリキュラムはその私立の学校独自のものが使われ、大学の学期に関係なく1、2週間から入校可能なものが一般的です。
世界各国にあるチェーン校
世界各国に教室を持つ大手チェーン校。代表的な学校にThe International House World Organization(世界42カ国126校/「ih」のロゴで知られるグループ。ELS Language Centers(世界3カ国、34校/アメリカ大学と提携しておりキャンパス内に校舎を持つ語学学校として有名)などがあります。
チェーン校の特徴は、どの国のどの学校へ行っても、共通のカリキュラムが用意されていて、教師陣の質も一定に保たれている点です。また、チェーン校内で転校しやすい点もメリットとして挙げられます。留学生によっては、チェーン校内で2ヶ所3ケ所と場所を移動しながら、世界各国各都市での海外生活を満喫している人もいるのです。
緊急時の日本人スタッフは安心材料
基本的に、学校に日本人カウンセラーがいる場合でも、緊急時以外は英語でコミュニケーションをとるケースが一般的ですが、何か問題があったときは、言葉の心配がなく相談できるのは留学生にとって安心材料になるでしよう。学校に日本人カウンセラーがいなくて心配な人は、現地にオフィスを持つ留学エージェントに依頼し、日本人スタッフによる生活面のサポートを受けられるサービスを使うのも一つの手です。
日本人の割合も考えて!
留学の雑誌や留学エージェントから送られてくる学校カタログには、各語学学校の日本人割合が掲載されているものも多く見られます。一般的に日本人率20〜30%の割合の学校が多いようで、10%以下の学校は日本人が少ないと言えるでしよう。 ただし、その際の注意点としては、その比率は、年や時期、レベルなどによってもばらつきがあるということです。また、学校全体の日本人比率が数字で記載されているため、自分のクラスの比率が必ずしも同数になるとは限りません。特に、英語レベル中級クラスは日本人が一番多く、これらのクラスに入った場合、90%近く日本人である場合もあります。つまり、あくまでも平均値ですので、参考程度にすることをおすすめします。
学校によってコースは異なる
授業 (コース) には、いくつか種類があります。初めての留学で英語を全体的にレベルアップしたい人の多くが受講するのがGeneral English (一般英語コース)です。読む、書く、聴く、話す の4つを基本とし、日常の生活に必要な英語を総合的に学ぶコースです。その他にも目的別のコースもあり、各学校ごとに何を開講しているかは異なります。
また、各コースごとに受講するレッスン数を選ぶことができます。週15〜30レッスンの間で授業時間数を選べるのが一般的に多く、午前/午後だけ(ハーフタイム)、または一日中 (フルタイム)の 選択肢があります。週15レッスンというと、月〜金の5日間・1日3レッスンの授業となる訳です。 単位となるレッスンは、学校によって1レッスン=45〜60分程度です。
留学中に英語力を伸ばすために実践しておくべき3つのこと
やっぱり留学はできたら是非してほしいと思います。留学を経験することで、たくさんのことを得ることができます。英語力だけではなく、物事の考え方、さらに世界各国からの人との出会い…忘れられない経験となります。
ただし、単に「留学行けば良い」という容易な話ではありません。留学での過ごし方次第で、その効果には大きく差が出ます。
留学したのに、ABCがわからない!?
ある生徒さんのお話です。その生徒さんは夏休みなどを利用し、毎年最低1ヶ月は海外に行っています。現地でお友だちもたくさんでき、最近の流行りの洋楽や映画などについて、若者言葉を使いながらたくさん話してくれます。発音もそれなりにできており、スピーキングには一切抵抗感はありません。
しかし、レッスンで書かせてみると、なんと驚きの事実が。その生徒さんは、簡単な単語のスペリングもわかっていなければ、ABCも危うい感じだったのです!例えば、スペリングを教えている時に “E” と言っているのに毎回 “I” と書いてしまったり、 “write” という言葉が書けなかったり。その生徒さんのスピーキングとはかなりのギャップがあり、どうするべきか困ってしまいました。
これは留学、特に語学留学でよくある話です。スピーキングは以前よりだいぶ上手になっているのに、なぜかライティングはあまり変わっていない。「早く英語ペラペラになりたい」という焦りと期待が先行し、どうしてもわかりやすい「スピーキング」ばかり気を取られ、肝心な「ライティング」がおろそかになってしまうのです。そうなると、表面的には周りから「英語がとても上手!」と言われながら、例えば留学先の授業などで読み書きをすると、「その単語、知っているのに読めない!書けない!」という問題が生じてしまいます。
留学の効果を最大に!やるべき3つのこと
このような事態を避けるには何をすべきでしょうか?以下の3点を念頭におくと、留学中、英語力を総合的に強化することができます。
新しい単語や表現を学んだら、辞書で調べて書いておく
会話の途中に、どんどん新しい単語や表現に出会うと思います。その時、会話の中で意味を理解して学んでも、実際にどのように書かれているのかも合わせて学ばないと、文章で見かけた時に「なんだっけこれ?」とピンと来ない恐れがあります。その場で調べることが難しければ、メモをして、帰ってからちゃんと英英辞書で調べて、その単語や表現を書き留めておきましょう。

英語の本を読む
読書の量で英語力は変わります。読書をすれば、そのストーリーに没頭することで新しい単語や表現を自然と吸収できます。さらに、前述した「スペリングがわからない」という事態にも陥らずに済みます。読書をすることは、どの国にいてもできることなので、留学前から習慣として読んでみましょう!

スピーキングは積極的に
留学のおかげでスピーキングが高まった人の例をあげましたが、もちろん全員がスピーキングへの抵抗感がなくなるとは限りません。やはり、スピーキングができるようになるには、積極性を持ってどんどん英語を使うべきです。英語で “learn from your mistake” という表現があるように、人々はミスから学びます。 しかし、まず英語を使っていかないとミスは起きません。そもそもスピーキングを強化するには、英語を使うことを恐れず、どんどん話してみましょう。そして、ミスがあっても「もうダメだ、英語できない」と後悔するのではなく、「こう言えばいいのか」と、より良い表現を学んだ上で次回に臨みましょう。きっと現地の方々も、そんな小さなミスに気が散るより、日本人と話せたということで喜んでくれるでしょう!
「留学あるある失敗談」を避けよう
留学には、語学留学や交換留学、さらに短期のものや長期なもの等、いろいろあります。もちろん留学の目的は人それぞれですが、共通していることとしては、「現地で暮らす」こと。つまり、現地でコミュニケーションを取ることがとても重要です。せっかく英語を話せるようになったのに、簡単な単語さえ正しく書けなかったりすると、恥をかくのはあなた自身です。留学中に、しっかりとスピーキングとライティング両方を極めましょう。
留学先の地域や学校を選ぶ際のポイント
「子どもを海外留学させようと思うのですが、留学先の地域や学校を選ぶ際のポイントを教えてください」これはよくいただく質問ですが、その答えはご家庭によってさまざまです。留学後に日本の大学に帰ってきてほしいならば、1、2年の期間になりますし、日本で帰国子女入試を利用して大学に入りたいということであれば、例えばアメリカに3年間行くというような長期的な留学になります。つまり、親御さんがどういうビジョンを持っているかによって変わります。
日本?海外?大学をどこにするのか
海外の大学に行くのであれば、早くからそのための教育の仕組みに入る必要があります。1年だけアメリカの高校に通ったからといって、外国の大学に進学できるわけではありません。しっかりと3年もしくは4年間、現地の高校で学ぶ必要があります。
日本の大学に帰ってくる予定であれば、なるべく自然があって、寮がある環境が良いと思います。
ボーディングスクール(寮生活)がおすすめ
絶対おすすめしたいのはボーディング、寮に入るということです。ボーディングスクールとは、全寮制の寄宿学校のこと。友人や先生と生活を共にしながら、学力だけではなく語学力や国際性、自立心を身につけることができます。
ボーディングスクールの中で他の国の生徒、あるいは地元の生徒と寝食を共にして生活することは、学校とは違うたくさんのことを学ぶことができ、子どもたちを大きく育ててくれます。
日本の学生が行くことができるボーディングスクールは、イギリスに非常に多く、ニュージーランド、アメリカの東海岸、スイスなどにあります。学費は、アメリカとイギリスが高く、次いでスイス、そしてこの中で最も安いのはニュージーランドでしょう。
また、日本国内のボーディングスクールも注目されてきていますので、こちらの記事もぜひご覧ください。

海外留学コンサルタントがよくある質問にお応えします
ここまで留学について解説してきましたが、留学先の国や地域、学校選びも留学経験がないとなんだか不安ですし、渡航手続きなどもどのように行ったらよいかわからず困ってしまいます。そういった不安や心配があるので、子どもに留学させることをためらう方も多いのではないでしょうか。
ここでは、ベテラン海外留学コンサルタントの方が日頃よく質問される内容について答えていただきました。
海外に行くのは初めてなので、1 人で行かせるのは不安なのですが…
航空会社のファミリーサービスを利用して渡航させますのでご安心下さい。
出発空港から、チェックイン、搭乗、到着後の現地スタッフへの引渡しまでを、航空会社スタッフがケアしてくれるサービスです。
参考:ファミリーサービス
渡航期間はどのくらいがベストですか?
一番いいのは4週間です。
始まって2週間経ったくらいが、環境にも慣れ、全く英語ができない子でも少しずつコミュニケーションがとれるようになってきます。最初は不安だったのが、ちょうど楽しくなってくる時期でもあります。
短期留学に参加することで得られるメリットとは?
学年によってメリットは変わります。
<小学生の場合>
・先入観を持たないうちに、楽しさを植えつけることができる
・たとえ英語ができなくても、遊びを通じてすぐに外国人の友達を作って打ち解けることができる
・幼い頃に、様々な国籍の同世代の子どもたちと触れ合うことで、将来偏見なく国籍のバリアなく考えられるようになる
・1人で海外へ旅して外国人の友達ができたり、自分のことを自分でできるようなって、自信がつく
※欧米はとにかく些細なことでもよく褒める教育ですので、より自信がつくと思います。
<中高生の場合>
・国外から日本を見るという経験によって、日本の良さに気づく
・外国人として日本の外に出て行って、自分がどう見られるのかを知り、母国のことを説明する責任感を身につける
・日本のことをもっと勉強しなければと思うようになり、日本人としてのアイデンティティが確立していく
※これから社会にでる日本人の若者には、特にこうした経験が重要になってくると思います。
国別の留学するメリットを教えてください。
国別にお応えします。
<スイス/Switzerland>
・国籍豊か!参加者は特にヨーロッパ系(スペイン、イタリア、ロシア)が多い
・アクティビティの種類が、ラフティング・パラセイリング・近隣のヨーロッパ諸国へのshort tripなど、大変豊富。
<イギリス/England>
・日本人の参加者が少ない。ヨーロッパ人が多いので、アジア色が強くないプログラムを求める人向け
・乗り継ぎなしの直行便で行ける
<アメリカ/USA>
・現地の高校が運営しているものが多いので、広大な敷地のキャンパス施設がすべて使える
※スタートの時期が早いので、日本の夏休みに合ったプログラムが少なく、また小学生が参加できるものが少ないのがデメリット
<カナダ/Canada>
・穏やかな人が多い
・壮大な自然を楽しむようなアクティビティが盛ん
・特に西側(バンクーバー)は、中国・韓国・メキシコ人の参加者が多い。近年は中国人参加者が急増中。
たくさんのプログラムがありますが、どのような基準で選べばいいですか?
ポイントは大きく3つあります。
まずは物理的な問題として、乗り継ぎがあるかどうか、また部活などがある方は、スケジュールが合うものに絞って探し始めた方がよいと思います。また、良いスタッフが揃っている学校は、何かあったときにもすぐ対応してくれますので安心です。あとは、スポーツやアートなど、趣味に合ったアクティビティがあるプログラムを選ぶのも楽しいでしょう。
渡航までにどのような準備をしておけばいいですか?
やはりある程度の英語力があった方が、短い期間でも大きく伸びます。
特に中高生は、少し勉強してから行った方が、プログラムが終わった後によりいっそう「英語をもっと学びたい」という気持ちが強くなるでしょう。
小学生の場合は、歯磨き、朝の起床など、とにかく自分のことは自分でできるようになっておくこと。基本的に寮生活なので、お母さんに何でも身の回りのことをやってもらっている人は、ある程度一人でできるように練習しておくことが必要です。
親は行かせたいのに、子どもが行きたがらない場合はどうしたらいいですか?
基本的に、本人が「行きたい」と言って行かなければ意味がないと思っています。
最近の日本の子どもたちは内向き傾向の子が多く、インターネットから海外の情報などにも簡単にアクセスできるせいか、好奇心に溢れたエネルギッシュな子が少ないと感じます。海外のサマースクールなどの機会が目の前にあっても、現状の生ぬるい心地よさからわざわざ脱したくない、というような姿勢の子が多いように感じます。しかし、豊富なアクティビティの内容や短期留学を通じて経験することの素晴らしさを知ると、少しずつやる気がでてきて、実際行って帰国した後は、「最高に楽しかった!!」とおっしゃる方がほとんどです。百聞は一見にしかず、インターネットやテレビで見聞きする情報とは比べ物にならない程エキサイティングな経験が待っているはずです!
今年の長期休み、お子さまに留学経験をさせてみるのはいかがでしょうか?
一回りも二回りも大きくなって帰ってくる子どもの姿をきっと誇らしく思えるでしょう。
また、これからの時代を生きていく子どもたちにとって、英語を身につけたり、異文化を肌で感じることは、将来を考えた時、とても重要な経験値になります。留学体験はきっと、その子の未来をより輝かしいものにしてくれる重要なエッセンスとなるでしょう。