<学校の概要>
世田谷学園中学校・高等学校(以下、「同校」という)は、東京都世田谷区三宿にあり、田園都市線・三軒茶屋駅から徒歩10分の場所である。1592年江戸神田(現・本郷駒込)に曹洞宗吉祥寺の学寮として創始され、その後曹洞宗第一中学林と改称したのち、1995年に中高一貫教育を開始した。2000年より新授業システムを導入している。
筆記試験による募集は中学校のみで行い、2015年における高等学校の募集は普通科文系25名で、内訳は推薦入試と一般入試(スポーツ)である。高校から入学した生徒と中校一貫コースの生徒とは、3年間別のクラス編成である。
<基本情報>
私立普通科・専修科高等学校
教育体制:準中高一貫型
教育理念:Think &Share
生徒数:731人(2015年7月現在)
共学/別学:別学
学期:2期制
学費:104万7800円(高校初年度、2016年度)
国内大学進学実績:東京理科大学、早稲田大学、明治大学、慶応義塾、駒沢大学、上智大学、中央大学、法政大学、一橋大学、東京大学など(2015年)
海外大学進学実績:
早慶上理やGMARCHへの合格率が高い
2015年の合格数(カッコ内は現役の合格数)は、東京理科大学108(89)、早稲田大学79(65)、明治大学76(60)、慶応義塾大学74(62)、駒沢大学57(53)、上智大学54(46)、中央大学40(32)、法政大学31(23)などである。
国公立大学については、国立大学41(31)、公立大学6(6)で、一橋大学6(5)、東京工業大学6(5)、東京大学4(4)などである。
東京大学の文系または理系を目指す「特進クラス」がある
中学2年から、東京大学を目指す「特進クラス」1クラスができる。特進クラスのメンバーは、毎年学年末の成績によって必要に応じて編成替えされる。
高校2年生で、特進クラスも他のクラスもともに文系と理系に別れる。そして、6年時には、特進クラス以外も志望校別に分かれ、難関国校立大学を目指す文理各1クラス、難関私立大学を目指す文理各1クラスの4つに分かれる。
各学年の初めには、進路希望調査や性格、心理、適性テストなどを使って、適性の把握と可能性の発見に努め、定期試験の度に実施される保護者会もしくは保護者面談の際に、試験結果とともに役立てている。
中学3年から高校の教科書で英語を学習する
志望大学に合格する英語力をつけながら、国際舞台でも通用するコミュニケーション能力を身につけることを英語科の目標としている。中学校3年間において1週間あたりのコマ数を合計すると、英語18、国語17、社会10、数学18、理科12となる。同様に高校では、英語の必修18・選択3であり、他の科目より英語が多い。
中学1・2年で中学課程のほとんどを学習し、英検の取得も目標の一つとする。中学3年で高等学校の教材を使用して、語彙力を高め、4技能を伸ばしながら、異文化理解、芸術、文化、思想、政治経済などの時事問題も扱う。高校3年では、大学入試問題のオリジナル教材を使った演習を徹底する。
数学についても中学1・2年で中学課程のほとんどを学習し、国語や地歴公民についてもオリジナルテキストなどによる演習を徹底している。
参加者指名の放課後講習など、課外講習を多く実施している
中学1年生~高校2年生に対して、放課後にステップアップ講習と呼ばれる補習講習を行っていて、担任は個人のデータに基づいて参加を指名している。また中学2年~高校2年生に対して、自由参加の特別講習を行っている。さらに、全学年を対象として、応用力練成や弱点克服のため、夏期休業中に講習を行っている。そのほか受験に向けて、高校2年生から受験問題演習や論文指導を行う課外講習を実施している。
学生生活のサポートとして、1973年からカウンセリングを行っている。専属のカウンセラーが在職し、1~3年生全員と、保護者・4~6年生の希望者を対象に、月曜日から金曜日の12時10分から17時40分まで、学園生活に関する相談にのっている。
高校2年生全員がカナダ英語研修に参加する
1985年にはカナダのグレンライオン・ノーフォーク校(以下、「グレンライオン校」という)と教育交流を開始し、1990年には交換留学も始めている。
高校1年生で全員参加のカナダ英語研修旅行があり、グレンライオン校で英語研修・国際交流、ホームステイ、ビクトリア大学の寮生活を経験する。グレンライオン校での講習には発表や発言の機会が多くあり、スピーキング力を伸ばせる。
中学2年の希望者はニュージーランドで、ホームステイをしながら、交流校の授業に参加し、自然ふれるアクティビティを体験する。そのほか、選抜で3ヶ月間のカナダ姉妹校への交換留学も実施し、お互いの課程にホームステイする。カナダから、生徒23人と引率5人が来日した。
まとめ
2015年において200人の卒業生のうち、早慶上理の合格数(カッコ内は現役の合格数)は315人(262)で、GMARCH・ICUの合格数は209(167)と合格率が高い。国公立大学の合格率も高いといえ、東京大学、京都大学、一橋大学、東京工業大学の合格数が合計18(15)であり、これらの大学への進学も望める。
英語の授業は、高校の学習内容を中学で先取するカリキュラムであり、高校3年生はオリジナルテキストなどを使った大学入試対策に集中でき、演習に力を入れている。グローバル教育としては、全員参加の海外研修がある。