ICU、ロンドン大学、東京大学大学院で学んだ飯田さんの英語力の伸ばし方 | バイリンガルへの道

ICU、ロンドン大学、東京大学大学院で学んだ飯田さんの英語力の伸ばし方

ICU、ロンドン大学、東京大学大学院で学んだ飯田さんの英語力の伸ばし方

0歳〜5歳 日本
5歳〜11歳 アメリカ テキサス州、オレゴン州
11歳〜 大阪インターナショナルスクール
大学 ICU、ロンドン大学 LSE(London School of Economics)
大学院 東京大学 公共政策大学院

5歳で海外に移住した時に、どんな苦労がありましたか?

「Hi」とか「Hello」とかも分からない状態で行きました。テキサス州の現地校に入って、しばらくの間はESLの授業で英語を伸ばしていきました。それと、母が英語教育に熱心で、英語のカードをボックスに通すと音声が流れて、それと一緒にリピーティングする英語教材を買って一緒に勉強してくれました。あとは、ほとんど毎日、図書館に行って、英語の本を借りて母が読んでくれたり、車の中で英語のカセットテープをオーディオでよく聴いたり。いつの間にか現地校の幼稚園の普通の授業に入って行くことができましたね。でも、はじめは、母が作ってくれた単語カード「I want to go to the bathroom」とかを首から提げて、先生に見せていた時期もあったみたいです。1年後には普通に授業を受けることができるレベルになっていました。

海外と日本の学校教育の一番の違いは?

アメリカの学校では、先生の質問に生徒が答える時、正解が一つというわけではないので、先生が質問して、誰かがちょっと外れた答えを言っても「That’s a good point」と言って否定はしないんですね。「それはいい点だね、他に誰かいますか?」と言って、どんどん他の子にも聞いていくスタイルでした。
帰国後、日本の公立の小学校に1ヶ月だけ入ったのですが、一番のカルチャーショックは、「皆が一緒じゃないといけない、授業では誰も喋らない、むしろ、黒板に書かれているものをそのまま写す。」ということです。当時、私はその「写す」という意味が分からなくて。自分なりに思ったことや考えたことを書くことに慣れていたので、「なんで先生が全部教えてくれるままに暗記しないといけないんだろう?」と思って、教え方にはすごく戸惑いがありました。

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(写真:真ん中が飯田さん バリの中学校でのボランティアにて)

帰国後、どうやって英語力を向上していきましたか?

とにかく、英語を使う頻度を減らさないように気をつけていますが、うまく英語で表現できない時もあります。簡単な言葉でしか表現できなかったり、同じような言葉を何回も使ってしまったりする時ですね。私はアメリカにいた時から英語の本をたくさん読んでいましたが、帰国後も、なるべく英語で読み書きをするようにして、語彙を増やすように心がけています。

バイリンガルになって良かった!と感じた体験は?

特に大学に入ってから常に思っています。やはり英語も話せるとチャンスが多いんです。例えば、私は課外活動の1つとして、G8(現G7)のユース版に参加しました。18歳から30歳までの各国の代表が集まって会合をするのですが、英語ができたからということもあり、日本代表として参加することができました。いくら日本の素晴らしさを海外の人たちに伝えたくても、英語が話せないと伝えられないんですね。日本語と英語ができることで、日本と海外の両方について知ることができ、チャンスも広がるので、バイリンガルになって良かったと思っています。

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(写真:前列、左から4番目が飯田さん Y8 Summitにて)

飯田さんの将来の夢は?

私は日本という国が大好きで、特に地方が好きなんです。でも同時に、帰国子女の中には、日本の社会が住みにくいとか、日本が苦手になって海外に行ってしまう人もいます。地方への自分のパッションと、帰国子女の実態を組み合わせて、将来は地方で帰国子女も活躍できる場を作っていきたい、というのが一つの夢です。
帰国子女が日本に馴染めない理由の1つは、日本の型を重んじるところにあると思います。例えば東京にいると特に感じるのですが、大きな主流があって、その主流がすごく大きいんです、大きな川みたいな。そこに入っていけばスムーズなんです。でも、帰国子女の人達は、海外で生活していたので、最初から一般的な日本人の道から外れているんです。彼らはアドバンテージを持っているように見られますが、同時に、日本の型に自分をはめ込むのが難しいとも感じています。そういったギャップを埋めていきたいです。

子どもの英語学習にオススメの洋書は?

Clifford the Big Red Dog

かわいい犬のお話で、簡単な英語で書かれているので入門書としておすすめです。

The Phantom Tollbooth

ネイティブが普段使っている表現や語彙がたくさん学べるし、ストーリーもメッセージ性があって面白いので、おすすめです。

英語を学ぶ子どもへのメッセージ

一つは、英語を「受験のための勉強」とだけ考えないでほしいですね。もっと先、自分の将来に役立つし、世界が広がるので、英語を長い目で見てもらいたいです。
もう一つは、英語を話す時に、自分の性格が変わるくらいのつもりで英語を使ってほしいですね。例えば、日本人として英語を使うと、性格も日本人のまま英語を使ってしまいがちです。でも、英語を使う時って「I」とか主体を使って話しますよね。英語は「I」が多いので、自分を主張する必要があるんですね。ということは、もっと積極性をもって英語を使っていくとよいと思います。ですので、英語を話す時は、英語のネイティブスピーカーになったフリをして、「I」とかすごく主張して、積極的に話して欲しいと思います。

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(写真:前列、左から3番目が飯田さん)