今回は英単語の強化についてです。 キャタルの語彙力強化の方法は、英英辞書を使うことと単語カードを作ることの2つです。英単語は暗記で覚えていくしかないと思っていませんか?誰もが効率良く単語を覚えたいと思っているはず。
この記事では、英単語を効率よく覚えるための学習方法や、英英辞書の使い方についてご紹介します。
英単語のダメな学習のやり方
わからない英単語に出会った時、あなたはどうやってその単語を学びますか?辞書を引けば、すぐにその単語の意味が出てきますよね。しかし、意味を調べただけで「知った」気分になっていませんか?辞書を引けば、意味がわかりますし、その単語を理解した気になるかもしれません。一方、調べた後のあなたは、実際にその単語を使うことができますか?おそらく、そう聞かれると戸惑ってしまう方も少なくはないでしょう。
次の2つに当てはまる方は、効率の悪い英単語の勉強をしているかもしれません。
和訳して単語の意味を覚えている
英和辞典で英単語の和訳を引いてから、単語帳にそのまま書き入れていませんか?実は、これでは単なる「暗記」の作業です。和訳をしてしまうと、日本語の意味と英語の意味を1対1で覚えることになりますが、appleのような簡単な単語でさえ日本語の「りんご」と完全一致するわけではありません。それぞれの単語は違う文化の中で違う使われ方をしてきたので、当然その言葉が持つ本質的な意味は異なります。英語圏の文化を理解し、正しい言葉の使い分けができるようになるためにはその言葉が本来的に持つ意味を理解することが大切なのです。
さらに、英単語を和訳を1対1で暗記する作業は、暗記が得意な人はできるかもしれませんが、英検2級レベル(高校卒業程度)にして約5000語の語彙力が必要となるため、効率良くありません。
しかも、記憶としては定着しにくいというデメリットもあります。おそらく、翌日の単語テストが終わると、すぐに脳から消え去るでしょう。
単語の意味だけを覚えている
例えば、DropとFall、どちらも日本語で覚えると「落ちる」と覚えますが、使い方は違います。Dropは急降下などの直線的に落ちるイメージ、Fallは木の葉などのゆっくりと落ちるようなイメージです。
つまり、「Drop=落ちる」「Fall=落ちる」で覚えてしまうと、どう使うのかを覚えることができません。
日本の英語教育での単語学習の仕方
この2つの単語学習の仕方、実は日本の英語教育で取り入れられている覚え方です。英和辞書を使って意味を調べて単語カードを作ることは、おそらくベーシックな単語の覚え方としてみなさんがやっていることだと思います。
この覚え方でも「知らない英単語」を「知っている英単語」にはできますが、「知っている英単語」を「使える英単語」にするには、もうワンステップが必要となるでしょう。
実は、辞書の使い方次第で、一気に「知らない英単語」から「使える英単語」へとつなげることができるのです。
では、どのように辞書を使えば、この「使える英語」が得られるのでしょうか?
英単語を使えるようになる学習の仕方
英英辞書を使おう
まず、辞書は必ず英英辞書を使いましょう。英英辞書を使うことによって、英語を英語で学ぶことができます。意味を英語で読むことによって、今まで学んできた英単語の関係性がわかったり、新たな単語を学んで語彙力が増えたりします。
英英辞書を使うと英語脳になる
英語を英語で学ぶことの最大のメリットは、英語脳が作れることです。まず英語脳という言葉がいろいろな使われ方をしているので、その定義から考えてみたいと思います。英語を使えるというのは、英語で発信された情報を受け取り、それに英語で返すことです。このインプットとアウトプットのやりとりを日本語を介すことなく、英語だけでおこなえる脳の力が英語脳(英英脳)と言われるものです。
これに対して、 英語で入ってきた情報を一度日本語に変換して理解し、今度は自分の言いたいことを日本語から英語に訳して返す脳の力を「英和脳」と呼びます。受験をゴールとする日本の英語の授業の中では、英文和訳や和文英訳ができる「英和脳」を持つ人が英語ができる人だと考えられてきました。しかし「英和脳」では、日本語に変換する際の脳への負担が大きく、即座に相手の言っていることを理解したり、言いたいことを伝えたりすることができないという致命的な問題点があります。
英英辞書と英和辞書の表現の違い
「英英脳」は英英辞書を使って培われ、「英和脳」は英和辞書を使うことで形成されます。
具体的に、英英辞書と英和辞書の表現の違いを見てみましょう。
英和辞書では、英単語と日本語の意味の結びつきが強調されているのに対して、英英辞書では、その言葉の持つ本来の意味をより簡単な英語を使ってイメージとして表現することが意図されています。
「英和脳」で単語を憶えるためには、英語と日本語の一対の組み合わせを単語の数だけ覚えなければいけないのに対し、「英英脳」では既に知っている英単語を新しい単語と関連付けていくので、語彙数が上がれば上がるほど単語を憶えるのが楽になっていきます。
また、「英英脳」を鍛えると単語を覚えながら言い換え力や説明力が鍛えられるのに対して、「英和脳」では語彙力強化を通じてこのような力を身につけることはできません。
英語脳と英和脳の回路の違い
● 『英和脳』 の人の英語を使うときの回路
日本語変換の部分で大きな脳力を使う。
日本語と英語の小さなニュアンスの食い違いが、完全な理解を阻害する。
● 『英英脳』 の人の英語を使うときの回路
英語だけの思考だからスムーズ。
英語で聞いて、英語で理解し、英語を話す。完全な理解が可能。
いかがでしょうか。既にご理解頂いているよう、英語を使えるようになるためには英語で完結する「英英脳」を作ってあげることが大切です。英英辞書は、「英語ではこういう意味ですよ」と常に近くで教えてくれる家庭教師の役目を果たしてくれます。英英辞書を使って自分の周りのことを英語で表現できるようになると、それを子どもは楽しいと感じます。
自分のレベルに合った英英辞書を使う
そして、大切になるのは自分の英語力に合った英英辞書を選ぶことです。子どもに使わせようと、家にある古い英英辞書をもたせる親御さんもいらっしゃいますが、英英辞書といってもネイティブ向け、学習者向け、初心者向け、上級者向けとたくさんの種類があります。自分のレベルにあった本と辞書を選べば、調べた単語が全然知らない単語で説明されている、なんてことはまず起こりません。
オススメの英英辞書
Longman Dictionary of Contemporary English
英英辞書を初めて使うなら、Longman Dictionary of Contemporary English (LDOCE) がおすすめです。定義語彙が基本2000語で書かれていているので、習得語彙が少ない時期から使いはじめられます。もし、definitionで知らない単語があれば、一緒に覚えると言い換えができるようになるので便利です。英検2級レベルまでは、このLongmanを使って学習すると良いでしょう。
Oxford Advanced Learner’s Dictionary
Oxford Advanced Learner’s Dictionary (OALD)は、ある程度英英辞書に慣れてきたら、ぜひ使ってみて欲しい辞書です。定義語彙はLongmanよりも1000語増えています。Longmanには載っていない専門的な語彙が多いので、英検準1級以上を目指すレベルから使用すると良いでしょう。
英単語は例文と一緒に覚えよう
同じく大事なのは、その英単語の例文です。
例えば、 “often” という単語を見てみましょう。Longman Active Study Dictionary を引いてみると、“many times or regularly”という意味があります。
その下には、こんなにも例文が!
“We should go out more often.”
“How often do you see your parents?”
“She’s quite often late for school.”
“This kind of accident happens all too often.”
“Often” という一つの単語だけで、いろんな使い方があることがわかりますよね。実際にこの例文を自分で使ってみることで、ただ「暗記する」英単語から、実際に「使える」英単語となります。
英単語の「使い方」にたくさん触れてみよう
例文をたくさん見れば見るほど、その英単語に対する理解が深まります。さらに、実際にその例文に沿って英単語を使っていくと、その単語に対する「経験」が増えます。この経験を増やすことによって、「使える英単語」が増えていき、最終的には英語を戸惑いなく書ける・話せるようになります。
児童書を使った英単語の学習方法
今回ご紹介する本は、ディズニー映画としても有名な、皆さんご存知のお話です。
Peter Pan(ピーターパン)
著者:James Matthew Barrie(ジェームス・マシュー・バリー)氏
ロンドンに住む3人兄弟が、不思議な男の子ピーターパンと出会い、子どもが一生子どものままでいられるというネバーランドで冒険をする物語です。誰もが一度は抱くような、子どもの頃に描く夢で溢れたファンタジーとなっています。
キャタルではこちらの本を教材として使用しており、レベルは英検4級程度です。
今回は、こちらの本を例として、キャタルのレッスンで実際に行われている英語学習方法の一つをご紹介したいと思います。
例えば、本の中の登場人物の一人である女の子ウェンディについて、
She has got long blonde hair and blue eyes.
という文章があります。こちらのblue eyes のblue ですが、ここで英和辞書を使うとblue=青いという答えを得ることになると思います。
しかし、英和辞書を使ってblue=青、color=色、revolution=革命などといった答えを得ることに慣れてしまうと、英語を日本語に直すという癖がついてしまい、最終的に日本語がないと英語を理解することができなくなってしまいます。そうなると、例えば英語を話す相手と会話をしている際、万が一、英単語を忘れてしまった場合、頭には日本語の意味しか思い浮かべることができない状態となり、会話が滞ってしまいます。
しかし、そういった場合でも、同じ言葉を別の英単語に言い換える力があれば、会話をスムーズに続けることができます。
先ほどのblueを、英英辞書で引いてみると、
The color of the sky on a fine day.
とあります。このように言われると、人は「晴れている日の空の色」をイメージします。英英辞書を使うことで、英単語のイメージを浮かべることができ、blue=青といった日本語を暗記する必要がなくなります。
イメージを認識することでより記憶に残りやすく、また自身が持つイメージの記憶から、新しい英単語へ繋げていくことができます。例えば、blueからイメージできるものとして、sky, day, weatherなどといった言葉が思い浮かび、まるで連想ゲームのように英単語を学んでいくことができるのです。
英英辞書を使って学習効果を高めよう!
脳の記憶は、箇条書きになっていません。blue=青といったような、一つの英語に対して一つの日本語を覚えるのではなく、一つの単語でイメージできる言葉を派生させながら単語を学ぶことで、脳の中のネットワークが広がり、学習効果を高めることへ繋がります。
ぜひ、みなさんも英英辞書を活用し、イメージの幅を広げてみてください!
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