<学校の概要>
東京学芸大学附属国際中等教育学校(以下、「同校」という)は東京都練馬区にあり、西武池袋線・大泉学園駅から徒歩8分 の場所である。2006年に附属大泉中学校と附属高等学校大泉校舎が統合して開校し、多様な人と共存でき、国際社会で活躍する力をもつ生徒を育てることを目指している。
同校は、スーパーグローバルハイスクール、スーパーサイエンスハイスクール、国際バカロレアの認定校である。中学1年の入学者に選抜を行い、高校1年では編入試験のみ実施する。入試にA方式とB方式があり、A方式では外国語作文の配点が250点中85点である。
<基本情報>
★スーパーグローバルハイスクール(SGH)
★SGH研究構想名:多文化共生社会の実現を支える組織力・対話力・実行力の育成
学校属性:国立 普通科中学・高校
校訓:
系列校:東京学芸大学など
教育体制:中高一貫校
生徒数:697人(中高合算、2015年4月1日現在)
共学/別学:共学
学期:3学期制
学費:44万2400円(高校1年次編入生の場合、2015年)
学生/教員比:
帰国子女の受入:有
国内大学進学実績:早稲田大学、慶應義塾大学、上智大学、立教大学、明治大学、中央大学、東京大学、一橋大学など(2014年度)
海外大学進学実績:ユニバーシティ・カレッジ・ロンドン、ニューヨーク大学、リッチモンド大学、ワシントン・アンド・リー大学、ウェズリアン大学、ニューヨーク大学、ベロイト大学、グリネル大学(2014年度)
<学校の特徴>
多様なプログラムで自然に英語力を伸ばす
模型を作ってプレゼンテーションをする、物語を作る、社会問題を取り上げてプランを提案する、デザインを考えて文章にまとめる、事件を取り上げて議論する、要約や英文記事を書くなど、多様な学習を行う。
中学校の英語は、日本人教諭が週4時間し、外国人教師が週2時間Learning in Englishの授業をする。各クラスは2つのレベルに分かれ、Core クラスでは、身近なトピックや社会問題をテーマとしてスピーチ、ディスカッション、エッセイなどを実践し、Advancedクラスでは、英語圏の同年齢相当の水準で、社会問題、科学、倫理、文学などの分野を学習する。
イマージョン授業や進路に合わせた英語の授業を行う
中学3年以降は、各教科の内容を英語で行い、ディスカッション力をつける。中学3年生は全員が社会、理科、数学のイマージョン授業を受け、高校4年以降はそれらの科目のイマージョン授業を選択できる。
高校英語は1科目につき数種類のクラスから選択し、日本の大学入試に向けて演習を行う、海外進学を目指す、文学を学ぶなどのクラスがある。
国際バカロレア ワールドスクール、MYPに加えてDPも始まる
同校は国際バカロレア ワールドスクール(IB認定校)として、高校1年生までの生徒全員にミドル・イヤーズ・プログラム(MYP)を行ってきた。国際バカロレアがグローバルスタンダードの教育としている教育課程が実践されている。
MYPの担当教員は国際バカロレアの研修に参加する必要があり、校長や副校長も管理職のための研修を受け、教諭の半数以上は、国際バカロレアが主催する研修会に参加したことがある。
2015年にディプロマ・プログラム(DP)の認定校になり、2016年4月から各学年1クラス(15名程度)のコースを設置する。DPのカリキュラムを2年間履修し、試験の成績に応じて国際バカロレア資格(国際的に認められている大学入学資格)を取得できる。
DPの授業は、「日本語DP」の対象科目などを除き、英語、フランス語、スペイン語のいずれかで実施され、4000語(日本語8000字)の個人研究論文、知識に関する学習100時簡以上、芸術や奉仕などの体験学習150時間以上というカリキュラムである。
早稲田大学や慶應大学に多数進学している
2014年度卒業生の124名の合格数は、早稲田大学41、慶應義塾大学34、上智大学28、立教大学26、明治大学13、中央大学11、東京大学6、一橋大学5などであった。国公立大学の合格実績は現役30、既卒7である。
海外大学の合格者は上記大学に1人ずつであり、2013年度の卒業生は、ハーバード大学、スタンフォード大学、イェール大学などに1人ずつ合格している。補習は、放課後や夏季休業中に行っている。
海外大学への進学に対応する授業や、アメリカに海外留学する機会がある
TOEFLやSATの問題演習をする英語科の授業を開講し、アメリカの大学へ進学を希望する生徒は、高校2年生でPSATを校内受験できる。また、留学や海外大学に関する説明会も開催している。
2014年に海外留学した生徒は、アメリカに15人と、イギリス、カナダ、アイルランドに1人ずつである。1年以上の海外留学に取り組んでいて、留学中に取得した単位は31単位まで認定されるので、遅れずに卒業できる。
高校2年生は海外ワークキャンプを行い、バンクーバーなどの学校でディスカションし、ホームステイをする。
まとめ
6年間を通じて、英語の授業は多彩な内容であり、ディスカッションやプレゼンテーションの力をつけることができる。外国人教師の授業が多く、イマージョンクラスも比較的多いなど、自然に英語が身につくプログラムである。高校英語の授業は進路に合わせて選ぶことができ、検定試験対策も選択できる。
国際バカロレアの中等教育プログラムを実施し、包括的学習、多文化理解、コミュニケーションの基本理念を実践している。スーパーグローバルハイスクールとなり、ディプロマプログラムも始まると、さらに幅が広がる。
国内難関大学への進学を期待でき、海外大学への進学者も比較的多く、トップレベルの大学に合格する卒業生を輩出している。
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