立教新座中学校・高等学校- 少人数で「話す」「書く」に特化した授業 | バイリンガルへの道

立教新座中学校・高等学校- 少人数で「話す」「書く」に特化した授業

少人数で「話す」「書く」に特化した授業、立教新座中学校・高等学校

<学校の概要>

立教新座中学校・高等学校(以下、「同校」という)は、学校法人立教学院が設置した男子校で、キリスト教に基づく人間形成を目指している。埼玉県新座市北野にあり、東武東上線・志木駅から徒歩約12分(バス約7分)で通学できる。
アメリカ聖公会の宣教師チャニング・ムーア・ウィリアムズ主教が、1874年において東京築地の外国人居留地に私塾を開いたのが始まりである。その後、立教中学校が池袋へ移転し、高等学校が新座に移転したが、2000年に立教高等学校が立教新座高等学校と改称して、立教新座中学校を併設した。10万㎡の広大なキャンパスには、特別教室の多い校舎や、15万冊の蔵書をそろえた図書館などがあり、施設が整っている。

<基本情報>

私立普通科中学校・高等学校
スーパーグローバルハイスクール(SGH)アソシエイト校
系列校:立教小学校、立教池袋中学・高等学校
中高一貫教育:併設型
生徒数:中学校610名、高等学校955名(2015年4月現在)
共学/別学:別学
学期:3学期制
学費:126万5000円(高校初年度、2015年度)
国内大学進学実績:立教大学、早稲田大学、慶應義塾大学など(2015年)

中学では少人数学習を多く取り入れ、高校では自由選択科目が豊富

中学・高校とも週6日制で、長期休暇中に補習を実施する。中学において、国語、数学、英語では習熟度別などの少人数授業を取り入れていて、学期末には補講・補習の期間を設けている。補習は、学習が授業時間だけでは足りないと教員が判断した生徒を対象とし、補講は、理解が進んでいる生徒を対象とする。
大学における学問研究で必要な学力に加え、専門的な問題発見・解決能力が求められることから、高等学校のカリキュラムでは自由選択科目を充実させ、一部は大学教授が担当している。1年次から自由選択科目があり、毎年70~80講座が開講され、高校の学年が上がるにつれて選択の幅が増える。
また、大学の科目の一部を指定講座として高校3年生の聴講を認める「立教大学特別聴講生制度」がある。大学生と同じテストに合格すると、高校の習得単位になり、立教大学に進学した際には、大学の習得単位としても認められる。

スーパーグローバルハイスクールのアソシエイト校である

SGHアソシエイト校の指定を受け、多言語活用能力、リーダーシップ、異文化コミュニケーション能力の育成に取り組んでいる。関連行事として、ワークッショップ、校外研修旅行プレゼンテーション、高校3年生のギャップイヤー留学、タンザニアの高校生とのskype交流などがある。
中学3年生は2週間カリフォルニアでサマーキャンプをし、市内観光やメジャーリーグ観戦のほかサンディエゴで、数日間ホームステイもする。
高校生の希望者は英国サマースールに参加でき、ホームステイをしながらカーディフの語学学校で研修するほか、ロンドン、オックスフォード、パースも訪問する。また、高校生の希望者は、3週間のオーストラリアに留学する機会があり、ホームステイをしながらアクアイナスカレッジに通う。

高校2・3年生は読む、書く、話すに特化した授業を選択する

同校の英語教育は、国際社会で確実に意思の疎通ができる英語力の育成を目指している。中学1年から高校1年までは少人数の授業を多く実施している。1948年の開校以外、ネイティブスピーカーによる英会話の授業を行っている経験を活かし、現在は5名のネイティブの教員が少人数授業を担っている。また生徒は、スピーチコンテストでの発表や英語検定にも挑戦する。
自由選択科目を充実させる方針である。高校2・3年次における英語の授業は、①読むこと、②書くことに、③聞くことと話すことのいずれかに特化した内容を選択する。

8割の生徒が推薦で立教大学へ進学する

立教大学への推薦基準は、英語力や国語などの学力、他科目の学力、卒業研究論文の認定などである。普通クラスから他大学を受験する場合、立教大学の推薦資格は放棄しなくてはならない。例年20%の生徒が他大学への進学を目指し受験に挑んでいる。
2015年度における立教大学への推薦入学者は264人で、内訳は文学部28人、経済学部54人、理学部20人、社会学部39人、法学部50人、観光学部20人、コミュニティ福祉学部3人、経営学部33人、現代心理学部8人、異文化コミュニケーション学部9人であった。

高校2年から、他大学への進学を目指すクラスが設置される

中学の1クラスは33~34人で、各学年に6クラスがある。高校の1クラスは40人で、各学年に8クラスある。中学・高校とも内部進学者との混合クラスであるが、高校2年生から他大学への進学を目指すクラスを1クラス設置する。
他大学進学クラスでは2年間、受験対応の選択科目を選び、受験に適したテキストや問題集を使うが、立教大学への推薦資格は辞退することになる。ただし、3年次の11月の最終の進路調査で条件を満たしていれば、進路変更も可能である。
2015年における、他大学の合格数は、国公立大学では、東京学芸大学3、東京大学2、首都大学東京2などで、私立大学では、早稲田大学29、慶應義塾大学26、東京理科大学12、上智大学9、芝浦工業大学8名などであった。

まとめ

週6日制で、学力別クラス編成はしていないが、習熟度別などの少人数授業を取り入れている。スーパーグローバルハイスクールのアソシエイト校であり、中学生は海外研修に参加する。
8割が立教大学へ推薦入学していて、他大学へ進学するクラスもある。推薦と他大学受験の併願はできないが、受験期の少し前に決めることができる。立教大学の推薦を受けるにあたり、英語の学力が一定レベルに達している必要がある。