三浦さんの生立ちや海外歴をおしえてください
東京で生まれて、5歳から12歳まで親の転勤でアメリカに住んでいて、 5歳から7歳までジョージア州、その後、12歳までコネチカット州やニューヨーク近辺に住んでいました。
帰国して、慶應義塾湘南藤沢中等部・高等部に入学しました。大学は、慶應義塾大学法学部政治学科に進学し、大学3年次に、ロンドン大学の東洋アフリカ研究学院に1年間留学しました。
アメリカの小学校に通っていた時、どんな勉強法が三浦さんの英語力を伸ばしたと思いますか?
小学校から宿題に関して明確な指導があったことが大きかったです。
具体的には、
・毎日最低30分、本を読みましょう
・単語を毎日何個ずつ覚えましょう
・各段落を一言二言で要約しながら教科書の指定チャプターを読みましょう
という明確な指導があり、それが毎日先生に確認されていました。なので、宿題に取り組む中で、小学生の頃から自己管理力が磨かれたと思います。また、結果的に小学校時代は本を読む習慣が身に付き、毎日100ページ程度読んでいました。帰国後も、この学習習慣が身についていたので、日本でも英語力を伸ばすことができました。
慶應義塾湘南藤沢高等部の時にも英語力が劇的に伸びたそうですが、どんな授業でしたか?
英語のエッセイ、ディベート、プレゼンテーションなどの授業がありました。エッセイは書き方を教わり、課題も多く出ました。ディベートやプレゼンは月1回の頻度で、与えられた課題に対して調べて発表しました。
慶應の英語教育のおかげもあって、帰国した中学1の時はTOEFL600点に達していなかったのですが、高校3年の時には、特別な勉強をせずにTOEFL660点を取ることができていました。
他にも、意識して取り組んだ英語学習はありますか?
英語を勉強する時は、絶対に英英辞書を使いました。はじめは電子辞書ではなく、紙の辞書を使っていましたね。
それから、類義語をとにかく探すことを意識していました。例えば、エッセイを書くときに、「1段落に同じ単語を絶対に2個以上使わない」と自分でルールを決めて、類義語や対義語を使うことで、英語の表現力や語彙力を磨くことができたと思います。純粋な単語の暗記はやっていなくて、エッセイを書くことで語彙力を増やしていきましたね。
アメリカから日本に帰国した時、どんなカルチャーショックがありましたか?
中学はテニス部で、高校はアルペンスキー部に所属しましたが、部活動の先輩、後輩という文化が最初はわからなかったです。それから、慶應に入ってくる人たちは、みんなハードな受験勉強をくぐり抜けているので、すごく頭が良いと思いました。だからこそ、英語を自分の強みにできるようにしたいと思いました。
アメリカと日本の言語や文化の違いを感じたエピソードはありますか?
英語のクラスになると、日本人もたくさん発言するのに、英語以外の授業、例えば、物理になると、いきなり静かになるというのが興味深かったですね。言語が人の性格にも影響を与えているのかもしれません。
ロンドン大学に1年間行った時に感じたのは、日本人やアジア人は授業の内容をしっかりと理解していて、エッセイにも全力で取り組みますが、授業中の発言が少ないため、教授や先生との関係も深まらず、損をしてしまうことがありました。
なぜロンドン大学の東洋アフリカ研究学院に留学したのですか?
もともと途上国開発に興味があり、大学1年の頃からインドにも行きました。
途上国ビジネスや開発学というのは、日本では少ない学問で、イギリスが発祥地だったので、本場で1年間しっかり勉強しようと思ったんです。慶應大学の交換留学の枠として、学部生が2名、大学院生が1名あり、TOEFL105点以上の英語力と学校の成績によって合否が決まりました。
海外からは、途上国からの留学生もいて、様々な国の立場で、途上国の開発について議論することができました。先進国と途上国の学生がいっしょになって途上国開発について議論して、非常に勉強になりました。
子どもの英語学習にお勧めの洋書を教えてください。
The Great Gilly Hopkins by Katherine Paterson
小学生におすすめの1冊です。
心を閉ざしていた孤児が、すごく楽しい家庭に引き取られて、心を開いていくお話です。
Milkweed(天使の羽根のように/ jerry spinelli)
作者が有名で、ジプシーの子の話です。第二次世界大戦が舞台で少し暗いですが、ジューリッシュの文化を学ぶこともできます。
英語学習をしている人たちにメッセージをお願いします。
多くの言語を話せることで、色んな国と関わっていくことができます。
私は今、発展途上国のインフラ整備に関心を持っているので、英語だけでなく、途上国の言語を身につける必要性も感じています。言語は、勉強次第で日本にいても身につけられると思うので、一緒に頑張っていきたいですね。