夢を叶えるためにICUを中退し、日本医科大学に進学した渡辺さんの超勉強法とは? | バイリンガルへの道

夢を叶えるためにICUを中退し、日本医科大学に進学した渡辺さんの超勉強法とは?

夢を叶えるためにICUを中退し、日本医科大学に進学した渡辺さんの超勉強法とは?

渡辺さんの海外歴と学校歴

0歳〜5歳 アメリカニューヨーク州
5歳〜13歳 東京 St. Mary’s International School
13歳〜15歳 アメリカマサチューセッツ州 Eaglebrook School
15歳〜18歳 アメリカコネチカット州 Pomfret School
18歳〜20歳 東京  国際基督教大学(ICU)※2年次に中退
20歳〜23歳 受験勉強
23歳〜現在 東京 日本医科大学

なぜICUを中退してまで、医者を目指したのか

ICUの2年生の時に東日本大震災が起こった被災地にボランティアに行きました。その時の体験が、僕の人生を大きく変えました。被災地に行くまでは、正直、「どういう企業に行くといいのか?」という視点で、就職セミナーやインターンのことを考えていました。ICUは3年生で専攻を決めるのですが、当時は専攻して学びたいことや、やりたいことが見つからずにいました。
しかし、ボランティアに参加したとき被災地で活動されている方々を間近で見て、他の人の命に関われる仕事にこそ、自分はやりがいが持てるのだと、頭ではなくハートで感じました。
被災地でのボランティア活動は、学生のボランティア団体だったので、がれき拾いが中心でした。被災地の方々と直接お会いしたとき、どれだけの惨事で大変であったかをお伺いでき、初めて事の大きさを実感し衝撃を受けたのを覚えています。
災害派遣医療チームDMAT( Disaster Medical Assistance Team)の方々の活動も聞いて、医師というプロフェッショナルが、怪我などの身体面だけでなく、精神面も同時に改善できることにすごく惹かれました。その時に「これしかない!」と確信を得ることができました。

2年間の浪人生で、モチベーションを持続できた理由

親にも反対されていたので、2年半の勉強生活は本当に大変なこともありました。「医者になりたい!」という気持ちが薄れてしまうのが怖かったので、勉強の合間には医者の職業について調べたり有名な医者の本を読んだりすることで、モチベーションを維持するように努力しました。

もう1つは退路を絶ったことです。ICUを休学するという選択肢もあったのですが、逃げ道を作らず、やらざるを得ない状況を自分で作ったことでモチベーションを高めていきました。親は猛反対でしたが自分勝手な性格なので(笑)「どうしても」ということで、医学部に合格してからやっと許してもらえた気がします。

渡辺さんの「人生の目標」

ICUの時は全く見えていなかった僕にも、「人生の目標」というものができました。今は日本の医学部にいますが、日本の国家試験と同時にアメリカの国家試験も取りたいと思っています。
英語ができることでアメリカの最先端の医療を学び、優秀なドクターになるという夢が広がっていったと思います。

2年半の受験勉強の末、医学部に合格した渡辺さんの勉強法

一言で言うと「反復」です。医者は曖昧な知識では患者さんに悪影響を与えてしまうリスクがありますので、完璧に身につけるまで反復することを大切にしています。
僕の能力では「1回では覚えることが出来ない」、「そこまで頭が良くない」と自覚しているので、すべての科目において完全に習得できるように、何度も何度も反復することを意識しています。
僕は帰国子女だったので英語は有利でしたが、日本語は全く使っていなかったので、それ以外の科目は本当に大変でした。正直、ここまで大変だと分かっていなかったからこそICUを中退して、医学部を目指せたのかもしれません。
英語なら単語カードを繰り返し読んで、覚えていくことがおすすめです。僕は受験勉強のときは、B5の30ページのノートを1日で1冊潰そうと取り組んでいました。とにかく汚くてもよいので、殴り書きで同じことを何度も書いて覚えていきました。受験の直前は、1.5冊、2冊とペースを上げていきました。

多国籍の学生が集まるアメリカのボーディングスクールで学んだこと

僕が通った全寮制のボーディングスクールは、様々な国から生徒が集まっていました。アジアだと、中国、台湾、韓国、タイ。アメリカ人以外に、メキシコ人、アルゼンチン人、インド人など、本当にいろんな人がいました。学校はマサチューセッツ州の Eaglebrook Schoolと、コネチカット州の Pomfret Schoolを卒業しました。
そういった多国籍な環境の中で、「自分とは違う価値観を持った人たちと、どううまくやっていくか?」ということを学べたと思いますし、彼らと一生の友達になることができました。

彼らは、一般的な日本人と比べて自己主張は強いのですが、他の人の意見も「1つの意見」だと認めるところがあると思います。自分の意見だけが絶対に正しいとは思っていないですね。「あ、そういう考え方もあるんだ」って多様性を持っているところが、様々な価値観、人種の人たちと協力していくコツだと思います。苦手な人がいても一緒に寮生活をしているので、どうにかして仲良くなろうとします。ボーディングスクールは刺激的な環境でしたね。

Pomfret School ハロウィーンパーティーにて。右から二番目が渡辺さん。

Pomfret School ハロウィーンパーティーにて。右から二番目が渡辺さん。

子どもの英語学習におすすめの洋書

Hatchet(by Gary Paulsen)

小学5年生の時に読んだ本です。飛行機が無人島に墜落。生き残った13歳の少年の唯一の持ち物は小さな Hatchet(斧)。この道具のみを用いたサバイバルストーリー。小、中学校で一番繰り返し読んだ本だと思います。

Goosebumps(by R.L. Stine)

ホラー小説のシリーズ。上のリンクは#1で、現在#62まで出ているらしいです。小学生のころ週に1冊のペースで読んで、サマリーを書いていました。クラスでサマリーを一番多く書いた生徒には僕の大好きな fruit rollups というアメリカのお菓子がもらえたので、はりきって読んでいたのを覚えています(笑)。Hatchetと同じように、一度読み始めたら一気に最後まで読んでしまいます。

英語を学ぶ子どもたちへメッセージ

「資格だけの英語」ではなく、「使える英語」を身につけるという意識で勉強に取り組んでほしいです。もちろん、英検、TOEFL、TOEICのスコアは大切ですが、英語はコミュニケーションツールなので、英語を使って何をやりたいのか?ということを考えて、完璧でなくても実際に英語をコミュニケーションツールとして使っていってほしいです。
本来、英語は合格、不合格で判断するものではなく、コミュニケーションが成立すればよいと思っています。失敗を恐れず、どんどん実際に英語を使ってみてください。そのほうが英語を楽しく、継続して学べると思います。