目白研心中学校高等学校では、ネイティブ教員のオールイングリッシュの授業を採り入れた独自のプログラムにより、英語の「読む」「書く」「聞く」「話す」の4技能の向上を目指しています。大学受験対策は、多彩なコース・クラス編成と学習支援センターの設置により、予備校などに頼らずに学内で完結できる体制を整えています。MVPやSECといった独自の英語を学ぶ意欲を高める多彩な取り組みが充実した目白研心中学校高等学校について解説します。
学校の概要
目白研心中学校・高等学校は、1923年設立の東京都新宿区にある中高一貫の共学校です。西武新宿線・都営地下鉄大江戸線「中井」駅より徒歩8分と都心にありますが、緑の多い落ち着いた環境にあります。校訓の「誠実・敬愛・感謝」を理想とする教育方針のもと、生徒たちは勉学・クラブ活動にはつらつと取り組んでいます。
中学入試の募集人数は、一般入試、もしくは「英語スピーチ」など3種類の特別入試を合わせて100名です。高校入試の募集人数は、一般入試、推薦入試それぞれで115名(どちらも特進コース・SEC・総合コースを合わせた定員)です。そのほかに帰国生入試があり、中学・高校ともに若干名を募集しています。
基本情報
学校属性:私立 中学校・普通科高校
校訓:誠実・敬愛・感謝
教育体制:併設型中高一貫校(外部混合有)
生徒数:中学校:男子20名・女子109名、高等学校:男子258名・女子529名(年度不明 調査時期により異なる)
共学/別学:男女共学
学期:3学期制
学費:103万4,010円(高校初年度)
帰国子女の受入:有
国内大学進学実績:早慶上理 9名、GMARCH 43名など(2019年度)
海外大学進学実績:ブリティッシュコロンビア大学、モントレーペニンシュラ大学など(2019年度)
学校の特徴
独自の「ACE(エース) プログラム」による実践的英語力の育成
本校では、海外で世界の人々とコミュニケートできる実践的な英語力を育成するため、学園独自のプログラム「ACE(エース) プログラム」による指導を行っています。中学1年から海外のテキストやオリジナルテキストを教科書として、ネイティブ教員のオールイングリッシュ授業を10〜15人という少人数制で実施し、参加型・体験型の学習を通してスピーキング、リーディングなどコミュニケーション能力を磨きます。
一方、日本人教員による授業では、文法や語彙力、構文能力など読解や作文に不可欠の英語の知識を学びます。2つの授業形態の組み合わせによって、「読む」「書く」「聞く」「話す」の4技能の効果的なレベルアップを図っており、週7回英語に触れる時間を作ることで、英語を日本語と同程度に身近に感じられるカリキュラムになっています。
大学受験への対応 ~多彩なクラス編成と予備校いらずの学習支援センターの設置
大学受験に関しては、生徒の多様な希望進路に合わせた多彩なコース・クラスを用意することで対応しています。中学3年生に進級の段階で、国公立・早慶上理レベルの「特進コース」、GMARCHレベルの「総合コース」、海外大学やスーパーグローバル大学レベルの「SEC(Super English Course)」の3コースが用意されます。そして、高校2年からは、SECを除き文系・理系クラスに分けられ、さらに「英語難関クラス」が設置されるなど計6クラスを設置、生徒1人ひとりの希望進路への合格を実現するために最適な環境を整えています。
また、2013年度にスタートした学習支援センターは、生徒の受験へのモチベーションを高め、自発的な学習習慣を促す目的で設置されました。基礎力養成を狙う毎朝の小テストで不合格になると、同センターでチューターによる指導が行われるほか、単元別映像講座や大学受験映像講座のビデオ・オン・デマンドでの受講、さらには受講料の半額補助がある志望校別対策講座までが実施されています。同センターは夜8時まで開いており、大学受験対策が予備校いらずに完結できます。
SECを設置 ~海外で通用する英語での対話力習得を目指す
2013年度からスタートした「Super English Course(SEC)」は、国際社会において英語をツールとして世界の人々と上手に関係を築いていける人材の育成を目的に設置されました。 これは、高校生のうちに海外の生徒と英語で意思疎通ができる対話力を身につけ、その力を試す機会を作ってあげることが大切であるとの考えに基づいています。
SECでは、海外大学受験を想定したTOFEL iBT 80点、英検では準1級合格という具体的な目標を設定しています。海外で通用する英語での対話力は、単なる知識としての英語力に留まらない総合的な能力に裏付けられて初めて意味を持つとSECでは考えます。スピーチや研究発表によってプレゼンテーション力を、ディベートでは論理的思考力を、ディスカッションを通してグループワーク力を磨きます。そして、「教養に裏打ちされた話でなければ説得力がない」との考えに立ち、自国の文化理解を踏まえた世界事情に対する知識と、共感を背景とした異文化理解力を育むことを重視します。
このような全人格的とも言える視野の広い教育の実践の機会として、中学3年での約3週間のカナダ語学研修、高校2年でのニュージーランドへの70日間留学が必修で実施され、英語での対話力の向上を確実なものにしています。
MVPの実施で語彙力を増強
本校のユニークな取り組みとして、MVP(Measurement of Vocabulary Proficiency)と呼ばれる英単語スキルを競うテストが挙げられます。MVPは、語彙力を強化するために毎定期試験時に行われます。中学・高校それぞれで学年やコースの垣根を越えて実施されるので、1年生が3年とスコアを競ったり、総合クラスの生徒が特進クラスの生徒に果敢に挑んだりと、生徒同士で切磋琢磨しながら英語の語彙力を増強できる教育的効果があります。テキストは中学では「キクタン中学英単語」、高校では「キクタンBasic4000」を使用します。
生徒からは「MVPがなかったら、ここまでキクタンを活用して勉強しなかったと思う」という声も多く寄せられ、本校の英語教育に欠かせない催しになっています。
充実した留学・ 海外語学研修制度 ~豊富な国際交流の機会を提供
充実した留学・ 海外語学研修制度により、豊富な国際交流の機会を提供していることも本校の特徴です。姉妹提携校は5ヶ国18校で、1年留学・3ヶ月留学・海外語学研修が設定され、これまでに派遣された留学生は300人を超えます。
カナダ・ウェストバンクーバーへの1年留学体験では、現地学校での英語で自分の意見を言うことに苦労しながらも積極的に発言する姿勢を身につけていきます。また、放課後のクラブでたくさんの国の人々との交わり、ホストファミリーとの家庭生活を通して得られるさまざまな経験が、生徒に確かな成長の実感を与えます。なお、1年留学では留学期間が単位に認められるので、3年間での卒業が可能です。
3ヶ月留学や海外語学研修においても、期間こそ短いものの、英語漬けの生活の中でコミュニケーションに苦労しながら英語で話す楽しさを学んでいきます。生徒たちは、英検やTOEICの受験やネイティブ教員とのコミュニケーションへの意欲を高めて帰国します。
まとめ
本校では、ネイティブ教員のオールイングリッシュの授業を採り入れた独自のプログラムにより、英語の「読む」「書く」「聞く」「話す」の4技能の向上を目指しています。大学受験対策は、多彩なコース・クラス編成と学習支援センターの設置により、予備校などに頼らずに学内で完結できる体制を整えています。さらに、MVPというユニークな英単語テストやSECの設置、留学・ 海外語学研修制度の充実により、英語を学ぶモチベーションを高め、受験の枠を超えた将来の英語力を活用したキャリアへの意欲を高めるための取り組みも充実しています。