<学校の概要>
法政大学女子高等学校(以下、「同校」という)は横浜市鶴見区にあり、京浜急行・生麦駅から徒歩5分の場所である。1933年に前身である潤光学園が設立され、同校は1949年に誕生した。そして、2015年にスーパーグローバルハイスクールとなった。
法政大学への推薦資格を取得でき、他大学との併願受験もできる。高校入試は書類選考と学科試験があり、学科試験は既卒生も受験できる。書類選考では英検準2級以上をもっていると加点される仕組みである。2015年はそれぞれ210名と50名を募集した。現在、帰国生入試の導入を検討している。
<基本情報>
★スーパーグローバルハイスクール(SGH)
★SGH研究構想名:持続可能な社会の実現を担うグローバル・リーダー育成プログラム(GLP)の開発
学校属性:私立・普通科高校
校訓:自由と進歩
系列校:法政大学など
教育体制:
生徒数:783名
共学/別学:別学
学期:2学期制
学費:113万9000円(初年度、2014年度)
学生/教員比:21/1
帰国子女の受入:有
国内大学進学実績:法政大学など
<学校の特徴>
英語の授業数が多い時間割を選択できる
英語を重視したカリキュラムで、少人数の習熟度別授業を行っている。1年生の英語は週に6時間であるが、3年生の授業では週に最高12時間である。
また、TOEIC-Bridgeを定期的に受験し、希望者はTOEICやTOEFLにも取り組む。学生の多くは、TOEIC-BridgeまたはTOEICのe-learning教材を購入して、自宅で外国語学習を行っている。
1つのテーマを1年かけて研究する特別講座のテーマのうち、外国語は「English Speech and Presentation」と「笑いとユーモア」で、2年次にある。English Speech and Presentationはネイティブ講師が担当し、会話表現の演習を行って、長い文章でコミュニケーションできるようにトレーニングする。特別講座では、調査、研究、発表、ディベート、論文作成を行い、フィールドワーク、体験学習、大学教員による実習を経験する。
語学研修やグローバルハイスクールのプログラムがある
夏季休暇中に希望者は、オックスフォードやトロント郊外での海外研修に参加する。オックスフォードでの海外研修は法政大学の附属高校3校が合同で行い、学園都市で英語と文化を学ぶ。トロント郊外での海外研修は、自然豊かな町でホームステイをし、語学や体験の授業を受ける。2015年に実施した留学ガイダンスに1年生の約1/4が参加し、学生は高い関心をもっている。
2015年にスーパーグローバルハイスクールとなり、その前はアソシエイト校であった。法政大学や台湾教育センターと連携して取り組む。
卒業生の約8割が法政大学へ進学している
2014年度に法政大学に進学した学生が201人であり、推薦人数は法学部26人、文学部50人、経済学部28人、社会学部24人、経営学部29人、国際文化学部9人、人間環境学部14人、現代福祉学部9人、キャリアデザイン学部14人、スポーツ健康学部4人、デザイン工学部7人、理工学部4人、生命科学部7人の合計211人であった。
他大学に進学した生徒は50人であった。合格人数は、上智大学20、明治大学7、立教大学7、早稲田大学5、慶應義塾大学4、中央大学2、横浜国立大学2、横浜市立大学2、青山学院大学1、東京外語大学1、東京工業大学1、首都大学東京1などである。指定校推薦枠は横浜国立大学2、上智大学1、立教大学2、昭和薬科大学1などである。
法政大学への推薦があり、他大学と併願できる
一定以上の学力がある生徒は、原則として全員が法政大学へ進学する推薦を得られ、それを保持したまま他大学を受験できる。法政大学には15学部38学科があり、平成26年にスーパーグローバル大学(SGU)に指定された。
大学の教員が授業や学部紹介をし、法政大学のキャンパス見学を実施している。また、2015年は、生命科学系への進学が決まった生徒に対して、英語による生命科学の講義を行った。
3年次の文系には、法政大学以外を受験する生徒向けのコースがある
2年生で文系コースと理系コースに分かれ、3年生の文系はさらに、文系アドバンスドコースと文系総合ケースに分かれる。文系アドバンスドコースは、法政大学以外の大学を受験する生徒用である。選択科目は充実していて、大学入試問題の演習ができる講座が多数ある。
学生生活は6日制で、図書館には5万冊以上の蔵書がある。登校は8時55分であるから、遠くからでも通学しやすい。経済的支援については、授業料の約1/3を支給する奨学金給付制度がある。
まとめ
成績要件を満たせば法政大学の推薦を得られるので、現役で進学しやすい。また、推薦枠を維持したまま他大学を受験できるため、他大学を受験しやすく、高校3年次には他大学受験用のコースがあるため、入試対策ができる。
英語の授業は少人数でレベル別に行い、特別講座を通して、プレゼン力や英語でのコミュニケーション力をつけることができる。3年生で英語の授業が多い時間割にできるので、英語を重点的に学びたい生徒に対応している。スーパーグローバルハイスクールのプログラムでは、法政大学との連携が盛んであろう。語学研修の機会があり、異なる環境の2都市から選ぶことができる。