慶應大学の山本さんに学ぶ、日本での英語勉強法とは?なぜ多読が大切なのか? | バイリンガルへの道

慶應大学の山本さんに学ぶ、日本での英語勉強法とは?なぜ多読が大切なのか?

慶應大学の山本さんに学ぶ、日本での英語勉強法とは?なぜ多読が大切なのか?

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バイリンガルになって良かったと思うことは?

自分の視野を広げられることですね。
日本語だけでなく、英語が話せることで、交流できる人の数が圧倒的に増えました。
言語が違うと、価値観も異なることが多いので、多様な価値観の人とコミュニケーションをとることで、新たな視点を得られると思いました。
それから、情報収集の量も圧倒的に増えますよね。
世界中には、もちろん日本語よりも英語で書かれている本や文献が多いので、日本語だけだと、情報収集に制限が出てしまいます。大学に入った時に、そのことを実感しましたね。

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山本さんの海外歴や英語習得の経緯を教えてください。

私は日本生まれで、5歳の頃からアメリカのカリフォルニア州にあるオレンジカウンティに移りました。ABCも分からないまま現地の小学校に入って、初めは学校で話されていることがさっぱり分からなくて大変でした。とにかくコミュニケーションが取れるようになりたいと思って、片言な英語で分からないことは分かるまで先生に質問していきましたね。
半年くらい経った時に、ある日突然パッと英語がわかるようになったんです。小学1年が終わる頃には、自分から英語が話せるようになりました。その後、中学進学のタイミングで日本に帰国して、中学、高校は頌栄女子で勉強して、大学は、AO入試で慶応義塾大学の法学部に進学しました。
高校生の時に、ニュージーランドに1カ月ほどホームステイをしたり、大学に入ってから、2カ月間インドネシア、1カ月間ベトナムで、英語を教えるボランティア活動もしました。おかげで、世界中に家族と呼べる人たちができたのは、すごく大きな財産ですね。

日本に帰国した時のカルチャーショックは?

日本とアメリカの授業スタイルの違いに驚きました。
アメリカは、生徒がアウトプットする機会が多かったのですが、日本の授業は、先生が生徒に一方向的に教える、インプット重視の授業だったと思います。アメリカでは、積極的に発言することが評価されたのに、日本では、教えられたことをひたすら覚えることが評価の対象になっていたので、最初は戸惑いましたね。
友達との関係も、周りに合わせることが大切だという空気があって、日本的な協調性の取り方にも、はじめは違和感を感じましたね。

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慶應義塾大学のAO入試はどんな内容でしたか?

AO入試の内容は、まず書類選考があり、志望理由や自己アピールを書きましたね。
その後、論文試験および個人・グループ面接がありました。AO入試全体を通して、「今まで何をしてきたか?これから何をしたいか?」という過去から未来へと一貫性のあるストーリーを伝えるということを特に意識しましたね。

帰国後、英語を忘れてしまう人もいますが、山本さんは、どうやって日本にいながら英語を伸ばしたのですか?

一人っ子なので、家庭では英語を話す機会はほとんどありませんでした。学校で英語の外人の先生との会話するのが唯一のスピーキングの練習でしたね。英語で話す機会が少ない分、とことん洋書を読むことにしました。中学時代は、外人の先生の部屋に行って、先生におすすめの洋書を聞いて、ひたすら読んでいましたね。日本でも映画で人気の”Twilight”なども読みました。
高校に入ってからは、小説だけではボキャブラリーが増やせないと思ったので、TIME誌を読んだり、CNNを観ることにしました。最初は難しかったので、自分の興味のあるテーマから入って、慣れてくるうちにジャンルも広げて、多様な分野に触れていきましたね。
アメリカにいた時は、英語を使わざるを得ない環境がありましたが、日本では、使う環境を自ら作らなければなりません。一番英語の勉強をしたのは、中学、高校だったと思います。

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洋書はどれくらいのペースで読んでいましたか?

1週間に2冊ぐらい、月に8~10冊のペースでした。電車はいつも本を読む時間にしていましたね。中学の時は、当時一番好きだった作家AviとAlex Shearerの本をとことん読みあさりました。また、ファンタジーも好きだったので”Eragon”や”Inkheart”、Darren Shanという作家による本もたくさん読んでいました。映画化されているものについては、本を見たあとに映画を見て、比較するのが好きで、ナルニアやハリーポッターのシリーズも本と映画の両方を楽しみましたね。
高校の時は、”The Outsiders”や”Flowers for Algernon”、Gossip GirlのシリーズやSarah Dessenという作家によるラブストーリーのほか、TIME誌などを読みました。
Goodreadsといったインターネットサイトで高校生が読む洋書ランキングを見て、人気な本はすかさずチェックしていました。

おすすめの英語の勉強法はありますか?

自分の経験でお伝えすると、たくさん洋書を読んで、分からない単語を英英辞書で調べて、ボキャブラリーを増やしていくことですね。手書きの単語帳や、電子辞書の単語登録を使って、どんどんボキャブラリーを増やしていくことをお勧めします。
他に、私が取り組んでいるのは、慶應の授業として受けている、英語のプレゼンテーションですね。自分の好きなトピックについて調べて、プレゼンテーションをしていきます。
それから、また海外で学びたいと思って、カナダのマギル大学に1年間留学することになっています。モントリオールにあるので、英語だけでなくフランス語も身につけたいと思っています。

小学生におすすめの英語の絵本を教えてください。

簡単なものだとBiscuitっていう犬のお話や、作家Dr. Suessによる絵本ですね。私が小学生の時もDr. Suessは何度も読んでいました。他には、Junie B. JonesやMagic Tree Houseのシリーズ、Ronald Dahlによる本ですね。

 

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これから海外に行く人たちにメッセージをお願いします。

私は、5歳の時にアメリカに行きましたが、小さかったので、日本の文化についてあまり話せなかったんですね。今考えると、すごく惜しいっていうか後悔があります。
例えば、学校で母国を紹介するイベントなどがあった時に、おりがみとかアニメとか簡単な事なら話せたのですが、もっと深い文化について聞かれても、答えられなくて・・・。
日本人として、日本の文化を海外の人たちに発信できることは大切だと思います。私もこれからカナダのマギル大学に留学するので、今度はしっかりと日本文化を伝えたいです。