なぜ言語の力だけでは海外に馴染めないのか?慶大・鈴木さん


image2(高校の友達のホームパーティーでの写真。一番左が鈴木さん)

鈴木さんの海外歴と学校歴

0歳〜2歳 アメリカ・カリフォルニア州
2歳〜5歳 日本
5歳〜8歳 ベルギー・ブリュッセル
8歳〜11歳 日本
11歳〜18歳 アメリカ・ヴァージニア州、ノースカロライナ州、オハイオ州
18歳〜 慶應義塾大学 経済学部

 

所持資格

TOEFL112点・TOEIC990点・英検1級・仏検準1級

 

言語の力だけでは現地に馴染めない!

-鈴木さんは、最初ベルギーに住まれていたのですね。当時、英語を学んでいましたか?

その時はまだ英語は話せませんでした。
普通のベルギーの公立学校に通っていて、フランス語を勉強していました。授業も全部フランス語でした。

-フランス語はどうやって勉強されましたか?

幼稚園の時にフランスへ行き、フランス語を話している環境にずっといたので次第に覚えてきたのと、あとは家庭教師の先生に教えてもらってテキストなどを一緒に見ながら勉強しました。

-では、小6でアメリカに引っ越した時、現地で苦労したことはありますか?

アメリカに引っ越したとき、どうしてもクラスにいた日本人の友達と一緒に固まってしまうことが多く、最初は英語が上達しませんでした。ESL(英語が母国語ではない生徒対象の英語の授業)のくくりで他の日本人と一緒にされちゃっていたので、ずっとそこに固まって日本語で喋っていましたね。
中学に進学するとまわりに日本人がいない環境になり、自然と英語も上達しましたが、アメリカ人ばかりのコミュニティで自分の居場所を見つけ、アメリカ人の友達と深い仲になるのに苦戦しました。言語の力だけではアメリカのコミュニティに溶け込めないと痛感しました。

-言語の力だけでは溶け込めない、というのは?

たとえばノリや冗談ですね。アメリカ人は結構ノリが良かったり、冗談もすごく言うのですが、冗談を言われた時に面白い冗談で返して笑いを取る、というような会話が最初できなくて。冗談を吹っかけられてもそれに対して「え?」って戸惑った反応をすると、「あ、ごめんね!気にしないで。」と気まずくなってしまうことが最初しばしばありました。やっぱり言葉が分かるだけじゃうまく友達もつくれないし、そのコミュニティにも馴染めないんだなって思いましたね。

-最初は友達をつくるのが大変だったということですか?

はい、そうですね。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA(ベルギーにいた頃の写真。右が鈴木さん)

 

英英辞典を使って、アメリカ人のように英語を英語で考える

-中学の時点で現地校に行き、いきなり本気で英語を話さなきゃいけない状況になって、勉強も大変だったんじゃないですか?

そうですね。今までみんなが小学校でやってきたことを私は知らないままに突然ポンって学校に入るので、「これ去年習ったよね?」と聞かれても「習ってないな…」という感じでした。与えられた宿題をただこなすだけではなく、ちゃんと理解をしながら進めるように心がけて、丁寧に、まわりよりも時間をかけてやるようにしているうちに、だんだん追いつけるようになりました。

-どういうところを特に心がけましたか?

学校の宿題を、まわりの友達は適当にやっていたんですが、私は一個一個の単語が分からなかったらそれを調べて、理解を深めながらやっていました。
一番最初に英語の長文を読み始めた頃は、あれもこれも分からなかったので調べていました。少しずつ英語で理解する感覚がつかめるようになると、前後の言葉を読みながら大体の意味を理解できるようになりました。

-英語を学んでいる生徒さんのなかには、わからない単語を全部辞書で引きがちですが、そうしなくても意味が理解できるということですか? そのスキルに関して、何かアドバイスありますか?

分からないと思っても、そんなに単語一つに執着しなくても大丈夫です。全体を通してみれば、その単語ってちっぽけなことじゃないですか。だから「あれも分からない、これも分からない」ではなく、全体の流れを見て「大体こんな感じかな」というふうにすることが大事です。わからない言葉が多すぎるとそれもできなくなっちゃうとは思いますが、全体の雰囲気を理解することを目標にしながら読むと良いんじゃないかなと思います。

-英語を極めるためにした工夫はありますか?

アメリカ人のように英語で考えられるようになりたいと思っていたので、英語を学び始めた当初から和英辞典・英和辞典は使わないようにして、英語を英語だけで学ぶようにしていました。
アメリカ人は、新しい単語を見て分からないと思ったら前後の言葉を見て予測して、それでもわからなかったときは、英英辞典をひいています。英英辞典の良い所は、簡単な英語を使ってくれることです。幼い生徒さんが使っている英英辞典を見ると、同じ意味の難しい単語がボンと書いてあるのではなく、それを簡単な言葉で、さらに噛み砕いて説明しているじゃないですか。そうすることによって、言い回しも英語で一緒に勉強することができますし、同時に単語の説明の仕方も勉強できちゃうので、一石二鳥だと思います。

image1(中学の友達とハロウィンの仮装をしている写真。一番右が鈴木さん)

 

知識だけではなく、プレゼン力も問われるアメリカの授業

-学校ではどんな授業がありましたか?

中学ではその日に習ったことの復習という感じでワークシートが出たりとか、教科書の練習問題を解いてくる等が多かったです。その中で私が苦手だと思っていたのが、プロジェクトの課題でした。

プロジェクトとは?

ある課題を与えられて、それについて調べてくるというものです。Englishの授業では長めのエッセイを書いてきなさい、とかMathも「この図形の歴史について調べなさい」とか。調べて、それについてパワーポイントを使って発表したり、それに関する芸術作品を作ってそれをみんなの前で発表したり。知識だけあればいいんじゃなくて、結構クリエイティブに考えてやったり、みんなの前で上手にプレゼンしないといけないような課題が中学、高校に多かったです。
最初はみんなの前で英語で話すことに対し、苦手意識が強かったです。なのでプロジェクトが苦手だと思っていました。

-どうやってそのスピーキングの壁を乗り越えましたか?

最初はアメリカ人みたいにスラスラ英語が出てこなかったので、台本を書いて頭に入れて、本当に自分のモノにする勢いで暗記しました。そこから自分の言葉にして、当日は平然とした顔で挑みました。そんな感じでやっていましたね。

image3(写真:高校のグループプロジェクトで1980年代のアメリカの衣装を着て、ムービーを撮影して発表した時。一番左が鈴木さん)

 

それぞれの国の人として認められたい想いで、語学学習に励んだ

-鈴木さんのアイデンティティは?

正直まだよく分かりません。ただ、私は海外での経験によって、様々な国の文化を見て育ちました。海外でどう振る舞おうとするかは人それぞれですが、私はアメリカとベルギーで生活していた時は、それぞれの国の人になろうと思いながらその国に溶け込もうとしました。今は日本で生活しているので、思いっきり日本人になろうとしてしまいます。それが良いか悪いかは分かりませんが、その場の環境に合わせてその国の文化をフルに吸収する傾向があるため、色んな国の文化や考え方を持っているのが私の特色かなと思います。

-例えばアメリカと日本とで、どういう風に変わるんですか?

帰国子女の友達に「英語で喋っている時と日本語で喋っている時で性格が違うんじゃない?」と結構言われるんです。やっぱり英語の環境で育った私と、日本語の環境で育った私は違うんだと思います。例えば英語だと、私は結構皮肉なことを言いますが、日本語だと皮肉なことは日常的に言わないじゃないですか。なので、そういう風に喋り方とか、口癖が違ったりするのかな、と。
あと、外見もその国に左右されますね。アメリカにいた頃は前髪が無かったし、メイクも違ったし、服装もアバクロ着ていたり(笑)。日本に来てからは、タイプが全然違う服も着るようになって。日本で言う「カワイイ」が、日本にいる時の自分は一番好きでも、アメリカにいたら「うーん」と首を傾げてしまったりするので。

-良く言うと、それはすごくフレキシブルだということですね。一体どこからその影響を受けていると思いますか?

自分は昔から部外者扱いをされるのがすごく嫌でした。みんなと一緒でありたい。ベルギーでも外国人扱いは絶対にされたくなくて、フランス語もすぐに勉強して喋れるようになって、ベルギー人と同じ生活ができるようにならなきゃヤダというふうに幼い頃から思っていました。アメリカに行った時も似たような意識が強くて。
例えば、同じコミュニティにいた日本人の子が、私のアメリカ人の友達から「あの子、おにぎり食べてない?」と言われていたり。アメリカ人は、外国人に対してすごくオープンな感じではありますが、「違う」ということは認識しているようでした。「違う」と思うとやっぱり扱いも少し変わってきて、自分たちの仲間、というよりは自分と違うから興味を示している、みたいな感じだと思います。そのようには見られたくないなって自分はすごく思いました。もちろん違うことに興味を持ってもらうことはとても良いことですし、日本の文化を別に恥ずかしいとは思いませんが、やっぱり自分の中で、アメリカにいるから、アメリカ人として、アメリカ人に認められたい、という意識が強かったんだと思います。
ただ、いつまでも「遠くの国から来た外国人」っていう感じには思われたくないという意識のおかげで、それが語学勉強のモチベーションになったと思いますし、その文化に慣れ親しむインセンティブにもなったのかなと思います。

 

★鈴木さんのオススメの洋書

The Diary of a Wimpy Kid シリーズ
中学生の主人公の日記という少し変わった形式の本です。同年代の子どもがよく使う話し言葉で書かれており、口語の良い勉強になりますし、聞き慣れた言葉で書かれています。内容も中学生らしいくだらない感じが面白く、中学時代よく読んでいました。

The Clique シリーズ
これは女の子向けですが、こちらも中学生目線で書かれた本です。出てくる単語も中学生が普段使う台詞が多いです。私が中学生だった頃、アメリカの中学生の間で流行っていました。

 

-将来の夢はなんですか?

まだ具体的には決まっていませんが、日本の企業に就職して、その企業を海外(主にアメリカ)に売り込む仕事がしたいです。

-なぜ「日本」ですか?

アメリカに長くいると、どうしても日本に対する憧れが強くて。高校の頃は将来のこと全然考えていなくて、ただ単純に「日本の大学生って憧れるな」「日本の生活いいな」って思っていました。そこから、「自分は今までアメリカにいて、この経験をどうやって活かせるんだろう」と考えた時に、日本の企業にしても個人にしても、日本の組織が海外に進出するときの難しさや困難があると思いまして。そういう時に、自分がアメリカに引っ越して経験したことをうまく活かせるんじゃないかな、と思いました。
そう考えているうちに、自分は日本が大好きだし、日本に役に立ちたいという気持ちが強いから、だったら自分ができる分野で日本の役に立てれば良いなと思いました。

-では最後に、現在英語を学ばれている方をへのメッセージをお願いします。

「これって本当に役に立つのかな?」みたいなことを、根気よく続けると良いと思います。私も最初、文法を勉強していて「これは何になるの?いつ使うの?」みたいな感じでしたが、気付いたらそれがすごく当たり前に身についていました。最初の方に地道に文法の勉強とかボキャブラリーを詰め込んでやっていたのが、今こうやって役に立ってるんだなって思えて。英語はも身に染みてくる知識だったりするので、いずれちゃんと体が覚えます。地道なことは面倒くさいかもしれませんが、根気よく続けてほしいなと思います。

-ありがとうございました。


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