未来を生きる子ども達に必要な力とは?(花まる学習会 高濱正伸代表)



 

「メシが食える大人」=モテる力を持った人である

メシが食える大人とは、一体どういう人のことなのでしょうか?

花まる学習会では、子ども達が幸せになるためには「メシが食える大人」になることが大切だと考えています。「メシが食える大人」というのは、経済的に自立している大人という側面もありますが、それ以上に物事に対する柔軟性や忍耐力が備わった人間という意味があります。世の中には、「この会社はおかしい」「あの上司がいるからできない」という理由で、仕事をやめてしまう人がいます。正直、この世の中は理不尽で満ちています。そんな理不尽な環境に揉まれる経験を通して、自分がどう考え、何を決めるかということが幸せな人生を送る上でとても重要となります。経済的に自立するためには、それ以前に克服しなければならない課題があるということです。

「メシが食える大人」を、もう少し分解させて説明すると。。。?そして、そのような大人に育つために必要なことは何ですか?

 「メシが食える大人」は、「モテる力」を持っています。モテる力とは、物事に対する柔軟性・忍耐力が備わった上で、他人に理解を示すことができるスキルのことです。モテる人の特徴として、兄弟が多い、部活で厳しい環境にあった、喧嘩・ぶつかり合いなど、何かしらの理不尽な環境を経験し、それを乗り越えた人達が多いことが挙げられます。小さい頃に自分とは立場の違ういろいろな人と交流を持ち、このような経験をすることによって、物事に対する柔軟性や忍耐力を養い、他人を思いやる気持ちを育てることへ繋がります。このような経験がない状態で思春期を迎えると、物事の裁量が分からないために、深刻ないじめへ発展してしまうことすらあります。
 多様な経験は、人間力を養います。子どもはとても柔軟であり、いろいろな人と出会い交流することで、物事の裁量を判断することができるようになります。トラブルを含め、多様な経験総量を子ども達に与えることがとても重要であると考えます。

 

「考える力」の土台、そして「没頭する」大切さ

近年、「考える力」という言葉をよく耳にするようになったと思いますが、「考える力」を養うために、幼少期にできることとは一体何なのでしょうか?

そもそも考える力とは、まず「気付く力」が土台となります。気付く力=感性を養うものは、子どもの頃の遊びにたくさん詰まっています。例えば、川へ遊びに行った際、石ころをひっくり返してみると、そこにはたくさんの種類の虫がいます。山であれば、葉っぱが何枚か落ちていたとして、その葉っぱは決して一種類ではなく、見た目や触感など様々な違いを持っているでしょう。そのような違いを五感でもって体験すること、それが感性を磨くということに繋がります。感性が磨かれると、物事の違いに気付くことができるようになります。音楽一つをとってみても同じことが言えます。たとえ同じ曲であっても、演奏者が違えば、まるで別のものに聞こえます。感性が磨かれていれば、その事に気付くことができるのです。考える力とは、まずこの気付きがあって初めて養われます。
たくさんの体験をすると、自分で気付くことが増えていきます。その気付きは疑問となり、考えるようになります。このようにして、考える力は蓄積されていくのです。論理的思考の構築は小学校5年生以降から始めれば良いことであり、10歳までのテーマは、五感を養うことに尽きると考えています。

音楽などといった芸術は、よく感性を磨くと言われていますが、感性を磨くということは、そのものにふれるという意味なのでしょうか?

 どのようにして感性は磨かれるのか、それは何事においても「没頭する」ことが、まず重要な鍵となります。子どもも大人も、何かに没頭している時の集中力は凄まじいものです。自分にとって興味深いもの・面白いと感じるものに対し、人は没頭することができます。これは、学習においても同じことが言えます。「勉強しなさい」と言われて、やる気を持って勉強する子どもなんていません。大人であっても同じです。やらされているという感覚が残るものに対し、面白いという感情は生まれないものです。本人がやりたいと思う感情こそが、「没頭する」時間を作り、それは感性を磨くことへ繋がるのです。

「没頭する」ということが、学習においても重要ということですが、子どもの自学自習を確立するために、先生という立場の人・家庭ができることとは何でしょうか?

 これからの教育には、この「没頭する」ということを保障することが必要となります。子ども達が自分の課題に夢中になるという状態を、学校や塾は常に提供できるようにしていなくてはなりません。簡単なものはつまらないので、ちょっと難しいもの、あと一歩で手が届くというような課題を見つけ、子ども達に与えることが、先生という立場の人ができることだと考えます。


 家庭ができることと言えば、まさに子どもの成長を「見守る」ということです。見守ることは、決して簡単なことではありません。我が子を思うばかりに、様々な声掛けや心配を言葉に出すことは、保護者の皆さんにとっては日常のことだと思います。親は子どもに期待し、その期待から子どもの成長を予測します。その予測と現実にズレが生じた時、「何でできないの?」「○○さん家のお嬢さんは、もうこんなことしているのよ」などといった、子どものやる気を一気に削ぐような言葉が出てきてしまうこともあるでしょう。親が子どもの可能性を摘み取ってはいけません。子どもに必要なものは、保護者が楽な状態でいるということです。子どもは自分で成長する力をちゃんと持っています。我が子を信じる気持ちを大切にし、一番近くで見守ってあげること、これが子どもにとって最も大切なことであり、また保護者の方にしかできないことなのです。

 

次世代に必要な力・人間力とは

AIの発達に伴い、「知」の捉え方が変わっていく現代社会の中で、「メシを食う力」や「モテる力」も変わっていくのでしょうか?

基本的には変わりません。これまでお話ししてきたことは、全て次世代に必要な力・人間力を養うものです。今までは、世の中に必要とされるスキルは処理能力でした。しかし、時代が流れるにつれ、社会が人に求めるスキルが変わってきました。現在、仕事の場へ行けなくなってしまった人達を見ると、「正しい答えを速く出す」ということをやらされてきた人ばかりであり、物事に対して引っかかりを感じる、疑問を持つ、自分で考え抜くという力が、十分に備わっていない傾向にあります。近年はコンピュータの発達により、人が情報を処理する必要がなくなってきました。またAIが発達することで、これまで「知」をベースとして扱っていた職業(論理思考や「知」を教授する職など)は、将来的になくなっていくでしょう。社会全体の中で、AIが活躍する場面が増えるということは、今まで人の職として存在していたものがAIへどんどん移行されていくということです。

AIが活躍する社会で、人間がこれからできることとは何でしょうか?

AIが社会全体に浸透していくことで、コンピュータが中心となった人間味のない社会に変わってしまうのではないかという懸念があるかもしれませんが、決してそうではありません。AIは万能ではありません。AIにとって一番のウィークポイントは、人の心情に伴う行動の「意味」を考えることです。例を挙げると、ある少女が校庭でサッカー部の少年のことを木陰からこっそり見ているとします。その少女はその少年を見ては隠れ、見ては隠れを繰り返しており、少年へ近づいていく様子は一向にありません。この時の少女の気持ちはどのようなものでしょう?という問題があったとします。この場合、AIは「足が悪かったから」というような、少女の心情を全く理解していない解答を出すのです。ここに、人間とAIの大きな違いが出てきます。

このように、意味を掴むこと、考えること、また生み出すことは、人間世界に残るものです。また、人間が持つクリエイティビティや、人と人との繋がりはなくなりません。これらは本来、私達が人間として「面白い」と感じるものばかりです。AIが発達することで、私達はある意味、人間としての原点に戻ることができるのです。機械ができることは機械に任せて、私達は面白味のあるものにより重点を置くようになっていくでしょう。そんな時代を迎える上で、人が人として生きていく力、「人間力」が今後ますます求められるようになっていきます。その人間力を養う為に、感性を磨くということは、とても大切なことなのです。

この記事は、2017年4月14日、ラジオ”In the Dreaming Class”の内容です。ラジオ全音声を聞かれたい方は→http://study.catal.jp/?p=3553


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