子どもの将来に強い学校の選び方(三田国際学園 大橋学園長)


20150324

英語塾キャタル代表の三石郷史によるラジオ番組
《In The Dreaming Class》

今回のゲストは、中高一貫の「インターナショナルコース」を作り、英語に強い三田国際学園の大橋学園長です。
三田国際学園は、英語で通常教科も教えるイマージョン教育を導入するなど、今、大きく注目を集めている学校です。
グローバル社会で活躍できる人材を育てることを目的とした三田国際学園の取り組みとは?
これからの時代を見据えた教育改革に迫ります。

英語塾キャタル代表の三石郷史によるラジオ番組《In The Dreaming Class》、今回は三田国際学園 学園長 大橋清貫先生にお話を伺った。

塾経営から学校教育に入ったきっかけ

三石:「まず三田国際学園の紹介をしてください。」
大橋:「前身は戸板女子中学校・高等学校という名前だったのですが、この4月から校名を変更し三田国際学園となりました。女子校の教育を長くやってきましたが、創立から数えてちょうど100年になりました。次の100年をさらに活躍する学校にするために世界標準の教育をしようということで再スタートしました。」
三石:「先生は塾の経営をご自身で始められてそれから学校に転身されましたが、塾の経営を始める前は一般企業でサラリーマンだったわけですね。一般企業で働いていた方が教育にどんな問題意識をもっていたのですか。」
大橋:「チャンスとそれにふさわしい環境さえあればどんな子でも伸びるという信念がありましたので、機会があれば塾を作りたいとずっと考えていたのですが、いよいよその時が来たという気持ちが勝って学習塾を開きました。」
三石:「塾を離れて学校教育に向かわれたそのパッションの移り変わりはどこにあったのですか。」
大橋:「中学生や高校生が学校教育でどうしてもっと能力が伸びないのだろうと常々思っていました。学習塾の側からはもっと学校でこうやってくれればこの子たちはもっと伸びるのにと思っていました。自分がもし学校を作ったときにはこういう教育をやってみたい。そうすれば学習塾とコラボしてもっともっと子どもたちは伸びるのにとずっと思っていました。機会があれば学校教育に入ってみたいなというのが目標の一つでした。」
三石:「実際に学校教育をやられてみて塾と学校の共通点が何かありますか。」
大橋:「似ている点は先生になる人は子供たちがみな好きで、子供たちの笑顔が見たいから教壇に立っていることだと思います。学校と塾とが違うところは、塾は民間ですから塾間競争が激しくて月単位でやめてしまうことも可能です。学校は入学したら普通は卒業までずっといますよね。中には結果を出そうと頑張っている先生もいますが、学校では競争原理は入ってきません。」

 

三田国際学園でのアクティブラーニングの授業の実際

三石:「今の三田国際の中では塾の学習法を学校の中に取り入れているのですか。それとも全く違うやり方をしているのですか。」
大橋:「学習塾ではほとんどの先生が生徒の学習意欲を引き出すことに力を入れていました。学校教育は長いこと一方通行的な授業をやってきました。残念ながら大学入試が知識を問う問題が圧倒的に多いので、生徒にたくさんの知識を覚えさせることに力を割いていたのが現実です。」
三石:「三田国際では一方通行ではないやる気を引き出す授業をどのように行っていますか。」
大橋:「いま教育界ではアクティブラーニング(相互通行型授業)という言葉が流行っています。一方通行型の授業では生徒は常に受け身になって教えられたことしかできなくて「習っていないのでできません」という答えが返ってきます。これでは社会に出たときに困ります。企業の第一線で活躍される方が「最近の学生は習ってないことはできないと簡単に言うがそれでは困る」とよく言われます。学校教育では答えのある分野に対してはトレーニングしてものすごく優秀な人間にするのですが、自分で問題を解決しようという教育はほとんどしていないのです。」
三石:「今アクティブラーニングに対して学校教育に取り入れるのは簡単ではなく、国を挙げて取り組む課題だと思うのですが。」
大橋:「学校では研修がないと無理だと思います。いま2年目が終わったところですが、1年間はアクティブラーニングの研修を繰返しやっていました。先生方は実践を通してその効果に驚いています。」
三石:「先生方はどう学んでいるのですか。」
大橋:「先生方は自分からは話さないでむしろ生徒に考える時間をたくさん与えます。考えるきっかけとして、最初の5分ぐらいで先生が「今日の授業はこういうことをみんなで考えよう」とトリガークエスチョンを投げます。あとはグループで自分の考えをお互いに言い合っていく中で思考が研ぎ澄まされていくのです。いままで恥ずかしいとか自分の意見を言うのがいやだとかで発表をしなかった生徒も参加するようになります。」
三石:「評価はどうするのですか。」
大橋:「いままでのように記憶力や計算のスピードや正確さを問う問題はあまり適切でありません。思考力を問う問題として例えば英語のエッセイの途中まで示して続きを作れという問題を出していくのです。もちろん英語の知識は必要ですが、前半の英文をどうやって展開していくかを自分で考える必要があるわけですね。」

 

海外移住の準備として三田国際学園で行っている英語教育

三石:「三田国際に生徒を送り込む家庭はどんな方なのですか。」
大橋:「三田国際を選んでくれるご家庭は、わが子が厳しい社会に出たとき活躍できる人材を育ててくれるかどうかという視点で見てくれています。なかなかそういう学校が中等教育には見られないのです。最近は教育のため海外に移住するというご家庭が増えているのですが、そういうご家庭が私どものような教育をする学校があれば考え直してくれるのではないかと思っています。」
三石:「そういったご家庭の子息は高校卒業後どういった進路を選ばれるのですか。」
大橋:「最近は国内の大学よりもむしろ海外の大学に入られる方が増えてきていますね。」
三石:「その準備期間としてしっかりと英語教育をやってくれるところが必要ですが、三田国際ではどういった英語教育をやっていくつもりですか。」
大橋:「三田国際では英語は本科で8コマ、インターナショナルクラスで10コマです。原則はOEで、ネイティブの先生が授業を行っています。文法の授業も必要なので、週2コマは日本人の先生が行っています。」
三石:「8コマではそれほど多くありませんが、それだけで十分ですか。」
大橋:「他の教科、社会や数学や理科の授業も英語でするということです。インターナショナルクラスでは帰国子女や国内のインターナショナル小学校に通っていた生徒たちを中心にある程度英語で授業はできるのです。そこまでの英語力はないけれど、英語以外の教科も徐々に英語で指導する時間を増やしていくことで英語力がかなり上がっていくと思います。社会の先生は英語の発音があまりうまくないのですが、しかしそれでも自身が授業で使う文献、例えば独立宣言を日本語でなく原文で読むなどしています。」

 

こんな教育を行える環境作りが理想

三石:「大学を卒業して教育ビジネスに入っていこうと考えている次世代の人に対するメッセージをお願いします。」
大橋:「今まで教育学部以外の他の学部の学生が先生にならなかったのですが、これからは違います。先生たちがやりたいと思っていることを教育の現場で実現しやすい時代に入ってきています。教職課程を取られたら学生の間に教育ビジネスのチャンスがありますから、一度体験してみてください。アルバイトなどで体験していただければ教育は面白いなと分かっていただけるのではと思います。」
三石:「もし時間・場所・お金の制限が全くなければ、こんな人に向けてこんな授業をやってみたいという夢の授業を教えてください。」
大橋:「子供たちが自由に考えられる空間を作ってみたいと思います。教室だと机に向かって先生が話すのを聞くことが中心になりがちですが、自由に語り合うのなら何も教室でなくてもソファに横になっても芝生に寝転がってもいいですね。そこで語り合うことの大事さ、そこから学ぶことの大事さ、人の意見を聞くことの大事さ、自分と違う意見を受け容れる子供たちができやすい環境作りをして、できるだけ多くの国の人に来ていただきたいと思っています。」
三石:「ありがとうございました。」


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