大学入試に有利なTEAP!英語ネイティブでもTEAPで良いスコアは取れないって知ってた? | バイリンガルへの道

大学入試に有利なTEAP!英語ネイティブでもTEAPで良いスコアは取れないって知ってた?

大学入試に有利なTEAP!英語ネイティブでもTEAPで良いスコアは取れないって知ってた?

大学入試における試験形式は2020年度から大きく変わり、特に英語は民間の資格・検定試験を導入することが決まっています。その試験の一つであるTEAPについて、特徴や試験の難易度についてまとめました。
また、実際にTEAPを受験した経験者たちの声をもとに、英語ネイティブでもTEAPでは良いスコアが取れないという衝撃の事実についても解説します。

TEAP(ティープ)とは

TEAPは「Test of English for Academic Purposes」を略した名称であり、アカデミックな場面における実践的な英語力を測定する目的で開発されたテストです。日本英語検定協会と上智大学によって共同開発が行われており、2014年からは新規格の英語力テストとして高校、大学を中心に導入されています。
試験項目は「ライティング」「リーディング」「リスニング」「スピーキング」の4項目から構成されています。従来の英語技能検定では測りづらく、実際に日本人が不得手とするスピーキング・ライティングに関しても高い精度で実力を測定できるように、イギリスの大学研究機関であるCRELLAの監修のもと、開発を行っています。

近年では上智大学をはじめとした各大学でTEAPを利用した入試制度が導入されており、英語力を判断できる指標として受験生と学校の双方から注目されています。

TEAPの特徴

日本国内の高校生に合わせてTEAPは設計されており、主に大学受験に臨む高校3年生の英語力をテストする目的で問題が設定されています。大学で学習・研究する際に必要とされるアカデミックな場面での英語運用力を測定するテストとなっており、従来の英語力を試す資格試験よりも実践的な技能と知識を測れることがTEAPの特徴です。

レベル

合格・不合格といった判断がされないことも特徴であり、試験結果は4項目の判定基準ごとに20~100点のスコアで表記され、400点満点となっています。スコアに応じてCEFRという英語力を測る指標も表示されます。CEFRはA1からC2まであり、C2が最も上位になります。TEAPではA2からC1までが評価されます。

難易度

TEAPの難易度は、実用英語技能検定における準2級から準1級ほどに相当します。目安としては高校卒業程度~大学生ほどの水準です。したがって、TEAPは高校3年生が持つ英語力をテストする試験として妥当であるといえます。

TEAPのテスト形式

TEAPは主に高校3年生を対象とした大学入試を想定して開発されており。テスト内容はすべて大学教育(留学も含む)で遭遇する場面を考慮して作成されています。難易度の目安としては、英検準2級~準1級程度で、日本の高校3年生の英語を測定するのに最適なレベルとなっています。

3つのパターンから選んで受験できます。

  1. 2技能パターン(Reading、Listening)
  2. 3技能パターン(Reading、Listening、Writing)
  3. 4技能パターン(Reading、Listening、Writing、Speaking)

 

  • Reading test : マークシートによる択一選択方式(70分)
  • Listening test: マークシートによる択一選択方式(約50分)
  • Writing test : 解答用紙への記入(70分)
  • Speaking test : 1対1の面接方式(10分)

 

出題分野・内容

TEAPで出題される問題は、大学教育で遭遇する語彙・場面・分野(英語で講義を受ける、英語の文献を読み解く、英語で発表を行うなど)を想定した設定・内容となっており、アカデミックな英語 ― English for Academic Purposes ―に特化しています。

試験内容は大学で発生すると思われる会話やスピーチなどが中心となっているほか、各分野におけるトレンドに関する質問が行われることもあるようです。

TEAPの結果報告

TEAPは「合格と不合格」を判断するテストではありません。
4技能を20~100までの「スコア」および、CEFRによる6段階のバンドのうちA2~B2までの力を測定し、「バンド表示」で結果報告されます。

受験資格

高校2年生以上 (受験年度で高校2年生となる生年月日以前の生まれであること)
(例) 2015年度に受験する場合は1999年4月1日以前の生まれであること。

成績表送付

試験の成績は、ウェブで確認できます。そして、郵送でも成績表が送られてきます。
TEAP 試験結果(ウェブサイト)

TEAPIELTSの受験料

  1. 2技能パターン(Reading、Listening)
    6,000円(税込)
  2. 3技能パターン(Reading、Listening、Writing)
    10,000円(税込)
  3. 4技能パターン(Reading、Listening、Writing、Speaking)
    15,000円(税込)

試験開催都市

全国11都市で同時に開催されています。
(札幌 / 仙台 / 埼玉 / 千葉 / 東京 / 神奈川 / 静岡 / 名古屋 / 大阪 / 広島 / 福岡)
★福岡会場は「上智福岡中学高等学校」  福岡県福岡市中央区輝国1-10-10

最新のTEAP試験会場はこちらでご確認ください。

開催頻度

試験の開催頻度は年3回で、2019年度と2020年度では7月・9月・11月に試験が実施されます。受験生が出来るだけ幅広い選択肢を確保できるように、同じ人が1年に複数回試験を受ける事も可能です。

受験生がTEAPを活用するメリット

TEAPを採用している大学

受験を希望している大学が「TEAPを利用した入試」を採用していれば、受験前にTEAP出願基準スコア(大学の基準点数)を取れば英語の試験を受ける必要がなくなります。

2016年度(2015年12月現在)

  • 上智大学
  • 立教大学
  • 中央大学
  • 青山学院大学
  • 東京理科大学
  • 神田外語大学
  • 獨協大学
  • 武蔵野大学
  • 関東学院大学
  • 学習院大学
  • 北陸大学
  • 中京大学
  • 南山大学
  • 名城大学
  • 関西大学
  • 関西学院大学
  • 近畿大学
  • 神戸海星女子学院大学
  • エリザベト音楽大学
  • 立命館アジア太平洋大学
  • 西南学院大学

TEAPを採用する大学が増えてきています。
最新情報はこちらからご確認ください。

英語試験が免除される

自分が希望する大学がTEAPを活用した入試を実施しているのであれば、複数の大学に対して基準を満たすTEAPのスコアーを取れば英語の試験を受けなくて済む。これは各大学ごとに英語の入試対策をする必要がなくなる。また志望校のTEAP基準スコアーを取得した後は、他の科目の勉強に時間を使うことができる。

試験対策が立てやすい

TEAPでは英検2級~準1級レベルで出題されるので、TOEFLやIELTSと比べて対策が立てやすい傾向があります。

最新情報は日本英語検定協会のWebサイトでご確認ください。
(この情報は2015年12月現在です)

大学側にとってTEAPを利用するメリット

  • 「TEAPを利用した入試」を実施することで、大学生に必要な英語力を測ることができる。
  • 一般入試、公募推薦、学校推薦、AO入試、帰国入試など、種々の受験生の英語力を同一尺度で比較できる。
  • 入試時のTEAPスコアにより英語クラスの習熟度別編成ができ、学生が定期的にTEAPを受け続けることで、学習の効果測定が行える。

TOEFL満点の英語ネイティブでもTEAPで高得点は取れない?

TEAPを受験した知人たちにスコアを聞いてみたところ、中にはもちろん海外歴0の人もいれば、海外歴8年の帰国子女もいました。しかもその帰国子女はTOEFLでほぼ満点を持っている強者です。「まぁ、そりゃTEAPなんてTOEFL満点の帰国子女にとっては楽勝だっただろうな」なんて思っていた筆者。
…しかし、驚くべき事実が。なんと、その帰国子女の方のスコアより、海外歴0年の方が上だったのです!

その方々のスコアの内訳を聞いてみました。

海外歴0年の知人のスコア

リーディング 100
リスニング 100
ライティング 8割
スピーキング 100

海外歴8年でTOEFL満点の帰国子女のスコア

リーディング 100
リスニング 100
ライティング 8割
スピーキング 7割

決定的な差は、スピーキング!

どうやらアウトプット、特にスピーキングで差をつけられたようです。
でも、おかしい。海外(英語圏)で教育を受けていたら、アウトプットの部分こそ強いのでは?なぜ、今回このTOEFL満点の帰国子女は、アウトプットの部分で苦戦してしまったのでしょうか?

ちなみに、帰国子女本人は「ライティングも楽勝だったし、スピーキングも完璧だと思っていました。面接官もネイティブで、相性も良かった」とのこと。また、体調も万全で、予習もちゃんとしていたとのこと。では、この帰国子女の英語力は「ホンモノ」なのでしょうか?
しかし、この人の他の資格を見ると、以下の通り。

  • 英検1級
  • 国連英検特A級
  • IELTS8.5

…文句なしの素晴らしい英語力。これほど資格を出されると、ネイティブ並みの英語力に違いない。
では、今回のTEAPでは、一体どこで何が起きて、あのような結果になったのでしょうか?

TEAPが求める英語力とは「世界に通じる日本人英語」

まず、明らかに差が出たのはスピーキング。海外歴0年の方の発音は、綺麗な発音ですが、ネイティブではありません。しかし、TEAPスピーキングでは満点を取れています。つまり、発音はそれほど考慮されないと言えるかもしれません。
また、スピーキングの内容に関しても、二人ともしっかりと意見を言えており、挙げられた理由も的を得ているものでした。一方、話し方に違いがありました。
海外歴0年の方は、ゆっくりではありながら、しっかりと簡潔に話したそうです。逆に、帰国子女の方は、ネイティブなものなので、割とペラペラと、少し早口に話していたかもしれません。

つまり、TEAPでは、たとえ発音が「日本人英語」でも、「世界に通じる日本人英語」であることを求めている、海外経験があまりない日本人を対象とした4技能試験なのかもしれません。

「英語力が高い=ネイティブ英語」ではない。

よく「日本人は英語が下手」ということを聞いているかもしれません。日頃からニュースでも「英語力が不足している!」というような話題が上がっています。しかし、本当に日本人は英語力が低いのでしょうか?日本人は学校でしっかりと文法も学んでいますし、単語も知っている人は知っています。実際、大学でも「日本人は授業中全く発言しないのに、エッセイ書いたら素晴らしかった」という言葉も教授から聞いたりします。なので、そう簡単に「日本人は英語力が低い」とは言い切れないかもしれません。

一方、実際にその英語を「使う」となると、ためらってしまう人が多いのは事実です。海外にいても、せっかく「正しい英語」を知っているにもかかわらず、アウトプットができず、周りとの会話に置いてかれてしまうケースも少なくはありません。TEAPでは、このような「日本人英語」というコンプレックスを解消し、「日本人英語」でも海外で発信していけるような英語力を期待しているのかもしれません。

TEAP二次試験のスピーキングで高得点をとるためのコツや勉強法まとめ!TEAP二次試験のスピーキングで高得点をとるためのコツや勉強法まとめ! TEAP攻略はリーディングで85点以上取得がカギ!そのためにすべきこととは?TEAP攻略はリーディングで85点以上取得がカギ!そのためにすべきこととは?

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です