本当に英検は役に立つのか
毎年230万人が受験している英検は、多くの学校でも推奨される、日本で最もポピュラーな英語の技能検定です。その理由の一つは、合否によって英語力を判定するところにあります。 合格・不合格という明確な結果が得られることで、日常的に使わない英語でも目に見えて成果を感じることができます。但し、必ずしも「合格」=「そのレベル(級)の英語力が身についている」とは限らないのが英検の落とし穴といえるでしょう。
現に、英検準 1 級を持っていても、自分の言いたいことを英語で論理的に伝えることができない人はたくさんいます。マークシートによる選択式の解答方法と正解率によって判定される合否が、実践で駆使できる英語力に直結していないことがあるのです。では、英検を受験することに意味はないのでしょうか?そんなことはありません。英検の勉強を通して、将来自分の武器となる英語力を身につけることは十分に可能です。なぜなら英検で必要な英語も、海外旅行で使う英語も、ビジネスの交渉に使う英語も、すべて同じ英語だからです。もちろん高校・大学受験にも同じことが言えます。つまり、勉強するのは同じ英語ですから、そのやり方を変えれば良いのです。
英検で将来に役立つ英語力を身につける
試験に合格するためだけの勉強法ではなく、本当の意味で自分のスキルになる正しい勉強法を行えば、自分の意見を的確に伝えることができる英語力を手に入れることはできます。それは従来の「覚える」勉強法ではなく、「マネする」勉強法です。
単語の意味を暗記するのではなく、英語の音声を聞きながら英語をマネして声に出して、たくさんの例文を言えるようになれば、どんなシーンでも活用できる生きた英語を習得することができます。英検は、その正しい勉強法で身につけた実力を測るための一つの指標としてチャレンジするのに最適な試験だといえます。7つの級にわかれているので、現状にあわせて目標設定をして、年に3回実施される試験で段階的にレベルアップができます。英検に合格するだけでなく、大学受験にも、海外留学にも、就職にも役立つ英語力を身につけましょう。
英検5級〜2級の特長
5級 (筆記 25分 / リスニング 20分 合計 45分)
【内容】家庭、学校、買い物、スポーツ、道案内など身の回りに関する初歩的な単語や会話文の理解が問われる。中学初級レベル。
【単語数】約600語(中1修了の単語数は300~400語とされるので、実際には中学初級よりもレベルが高い)
【合格ライン】60% 前後(30点前後)。リスニングが全体の50%と配点が高い。
4級 (筆記 35分 / リスニング 30分 合計 65分)
【内容】家庭、学校、買い物など身の回りのことに加え、講義やアナウンス、職場に関する初歩的な単語や会話文の理解が問われる。長文では社会生活一般に関するEメールや掲示が出題される。中学中級レベル。
【単語数】約1300語(中2修了の単語数は700~800語)
【合格ライン】60%前後(約39点)。リスニングは全体の46%と配点が高い。
3級 (筆記 40分 / リスニング 25分 一次試験 合計 65分)
【内容】身の回りや文化、歴史に関する基礎的な単語や会話文の理解が問われる。文章が長くなるなど、4級に比べて難易度が大きく上がる。また、3級から二次試験が加わり、スピーキング力が測定される。中学修了レベル。
【単語数】約2100語(中学3年間の単語数の約2倍)
【一次合格ライン】39点前後(約60%)。リスニングは全体の46%と配点が高い。
【二次評価基準】
1.音読の流暢さ(発音やリズム)
2.完全な文章による質疑応答
3.積極的にコミュニケーションを行う姿勢や入室から退室まですべて採点対象となる。
準2級 (筆記 65分 / リスニング 25分 一次試験 合計 90分)
【 内容 】 筆記試験の時間が3級に比べ25分長くなり、特に長文問題の難易度が増す。内容は日常生活に関すること全般。3級までに習得した内容の応用と、長文の全体を捉える理解力が求められる。高校中級程度。
【単語数】約3600語
【一次合格ライン】約60%(45点前後)。
【二次評価基準】
1.音読の流暢さ(発音やリズム)
2.完全な文章による質疑応答
3.積極的にコミュニケーションを行う姿勢や入室から退室まですべて採点対象となる。
2級 (筆記 75分 / リスニング 25分 一次試験 合計 100分)
【内容】社会生活のあらゆる場面を理解し、意見を言えることが求められる。長文ではテクノロジーや環境問題など様々なトピックが出るので、単語を暗記しただけでは対策できない。日頃から多様なジャンルの英文を読んでおく必要がある。また、面接では受験者の意見を聞く質問により重点がおかれている。高校卒業程度。
【単語数】約5100語
【一次合格ライン】約60%(45点前後)。
【二次評価基準】
1.音読の流暢さ(発音やリズム)
2.完全な文章による質疑応答
3.積極的にコミュニケーションを行う姿勢や入室から退室まですべて採点対象となる。


最新記事 by 松尾 雄太 (全て見る)
- 英語ができたら楽しくてカッコイイ!キャタル吉祥寺校の中学生、今野聖士くん - 2018年7月12日
- NYUアブダビ校のリベラルアーツで学んでいること キャタル教師 黒田真梨子先生 - 2018年6月1日
- 英検二次試験直前対策〜スピーキングのテストを解説しました - 2018年5月29日