アイビーリーグの隠れた名門校、ダートマス大学。個性的で自由なエリートたちを育てる、“真のリベラルアーツ教育”とは


ダートマス大学の概要はこちら

 

日本人の知らないアイビーリーグのエリート校

アメリカの東海岸に位置する伝統的な私立大学8校の総称「アイビーリーグ」。ハーバード、イェール、コロンビアなどアメリカを代表する有名私立大学が含まれていますが、アイビーリーグ校の全8校をご存知でしょうか。

その中でダートマス大学は、おそらく多くの日本人が耳にしたことのない大学でしょう。アイビーリーグの中で一番規模が小さいためか日本での知名度は低いですが、その卒業生たちの中には政府高官やCEO、ノーベル賞受賞者やオリンピックメダリストなど、様々な分野で活躍しているエリートたちが多くいるんです。

ダートマス大学が誇るのは、少人数教育を中心とした学部レベルのリベラルアーツ教育。しかし実学分野での教育も評判が高く、アメリカ最古のビジネススクールの他にも、工学大学院や医学大学院といった、歴史と実力を兼ね備えている大学院を抱えているため、名実ともに米国内では名門校として高く評価されています。

ベイカー・ベリー図書館のエントランスホールで勉強する学生たち 写真提供:麓えり

そんなダートマスに交換留学をしたキャタルの教師である麓えりさんですが、彼女も留学先を探している中で初めてダートマスのことを知ったと言います。

最初に大学の名前を目にしたときの感想は「アイビーリーグの一つなんだ…へぇ、知らなかった。」
それなのに、留学が終わる際には、「できればそのまま編入したかった!」という、ダートマスの魅力は一体どんなものだったのでしょうか。

 

熱い“ウェルカム感”に押されて

小学校4年生から中学校3年生までをイギリスで過ごした麓さん。帰国後に入学した高校では、「帰国子女」として何か特別なことをする訳ではなく、「普通の高校生」らしく部活動に没頭する毎日を過ごしました。


麓さんの「バイリンガルストーリー」はこちら

そんな高校生活を過ごす中で忘れられなかったのは、「麓は留学に行くべきだよ」という先生からの言葉でした。

大学入学後も部活漬けの毎日でしたが、部活以外の“何か”を求めたとき、この言葉が脳裏によぎりました。当時所属していたゼミの先生にどういう大学に留学すべきか相談したところ、
「アメリカの大学では、有名な教授が所属していても実際に授業を教えているのはTA (Teaching Assistant:授業助手)という場合が多いから、学生数に対して教授の人数が多い大学を選んだ方がいい」と教えてもらいました。このアドバイスを聞いて少人数教育を実践しているダートマスが候補の一つとなりました。

留学先を絞っていく中で最後の決め手になったのは、ダートマスの卒業生たちの“ウェルカム感”でした。卒業生たちと直接話すことができるアメリカ留学フェアで、「私は大学院卒だから学部のことは分からなくて」という消極的な他の大学と対照的に、「うちの大学は学部教育が命だから!」と熱く語るダートマスの卒業生たちの愛校心に背中を押されたのです。

 

寒い冬だからこそ育まれる絆と主体性

卒業後も母校のために熱心に活動する卒業生たち。彼らの愛校心がどのように形成されたのか、渡米後に実感することになります。

まず入学する前に参加する「ダートマス・アウティング・クラブ・ファースト・イヤー・トリップ」では、携帯電話や時計を持たずにアウトドア活動を行いながら5日間過ごし、上級生たちから薫陶を受けます。そして、入学後はほとんどの学生たちがキャンパス内の大学寮や、フラタニティやソロリティといった宿舎付きの学生クラブの寮に住むことになります。このような学生クラブは他の大学にも多々存在していますが、ダートマスの学生の所属率は全国平均より高い約6割!そういった学生クラブや日々の生活を通して、ダートマスの学生たちは絆を深めていくのです。

そして秋に入学して冬が近づくにつれて、学生同士の一体感はより強くなっていきます。


後述のメープルの森に向かうまで。スノーシューズがないと深い雪に足をとられてしまう 写真提供:麓えり

というのも、ダートマス大学のあるニューハンプシャー州の冬は、なんと気温がマイナス20度にも下がり、太ももの高さまで積もるような深い雪に包まれる冬。大学の近くにある唯一の繁華街は、こじんまりとしていてすぐに遊び飽きてしまう。じゃあどうするか。自分たちで楽しむしかない!寒くて鬱々としてしまう状況を逆に楽しんでしまうその発想はダートマスの学生ならでは、と麓さんは言います。

「ウィンターカーニバルでは、“人間犬ぞり”をしたり、凍った池に穴を開けて飛び込んだり。そんなクレイジーなイベントも、寒くて長い冬をいかに楽しく過ごすかの工夫なんです」


スキーやアイスホッケーも盛んで、オリンピック選手を多数輩出している 写真提供:麓えり

そして寒い冬は3月の春休みになっても続きます。多くの学生が暖かい南の方へ旅行する中、麓さんは「ニューハンプシャーらしさ」を体験するため、メープルシロップ作りのメンバーに。大学の敷地内にあるメープルの森では、メープルシロップの採取が昔盛んでした。その伝統を再興するために始まったこの活動も、学生が主体となって山小屋を建てるところからシロップを商品化するまでに至りました。

寒くて雪が深い環境だからこそ作り上げられる、自分たちだけの世界。そこで育まれる主体性と発想の豊かさによって、ますます個性が磨かれ、絆が深まっていくのです。


幹に蛇口を取り付けて樹液を採取。薪で火を焚き煮詰めて販売するところまで、学生の手で行われる 写真提供:麓えり


完成したメイプルシロップの数々 写真提供:麓えり

 

学生自身が作っていく、オーダーメイドの学び

学部という枠組みが強い日本では、まだまだリベラルアーツ教育の考え方は理解されにくいものかもしれません。また、一般教養と呼ばれる文系科目から自由に授業を選ぶと、結果的には“広く浅い”知識だけになってしまい社会で通用するような専門性が得られないのでは、と不安に思われる人もいるでしょう。

リベラルアーツを実践するダートマスではそんな不安な声どころか、文系理系といった学問の領域を横断できる環境こそが、自分たちの個性を際立たせるために大事だと信じている気風があります。

日本では政治学科に所属していたため、ダートマスでも政治学の授業をメインに履修しようとしていた麓さんに周囲の学生は、

「政治学ばかり取るの?!もったいない!歴史学、コンピューターサイエンス、ネイティブアメリカン学とか、せっかくなんだから色々取ってみた方がいいよ!」と。

そんな声に押されて、ネイティブアメリカンに関する授業や言語学、歴史学など、日本で在籍していた政治学科では決して取ることができないような科目を履修することとなりました。

しかし、そういった幅広い科目履修の方法は、滞在期間が限られている交換留学生だからこそではなく、他の正規の学生にも当てはまるスタイルだったのです。

「2年生のときに専攻を決めるのですが、ダブルメジャーがとても多かったんです。しかも、思いもよらない組み合わせが多くて。例えば、『数学と歴史』とか、『音楽と数学』とか。だからとても卒論がユニークで面白かったんです。」

誰かが決めた学びのレールにとらわれずに自らその学びを作っていく。そして一見関係のなさそうな学問同士の掛け合わせだからこそ得られるオリジナルな視点を追求していく。そんなユニークな学生たちの要望を満たすことのできる、自由でレベルが高い教育環境だからこそ、本当の考える力を身に付けることのできるリベラルアーツ教育を実現できるんですね。


サンボーン・ハウス図書館の壁沿いの小部屋は、一人で集中するにはぴったりの勉強空間である。午後のティータイムの時間には紅茶とクッキーが振る舞われるという伝統も 写真提供:麓えり

 

準備万端で挑んだ小テストでまさかのゼロ点

帰国子女として再度英語圏へ留学した麓さん。特に苦労することなく留学されたのでは? と思いきや、「最初は泣きながら勉強した夜もありました」とのこと。

最初に履修した政治学の授業で課されたのは、膨大な量の参考文献のリーディング。文献の内容を理解して知識を得るために難しい単語を一つずつ調べながら読んでいたため、とても時間がかかってしまい、真夜中まで図書館にこもる日々が続きました。そして、授業を録音して何度も復習して挑んだ小テストでしたが、点数はまさかのゼロ点。

またゼロ点。そして他の授業でも同じようなことが…。

途方に暮れて先生の研究室へ通ううちに、研究室の前に並んでいたクラスメートと話すようになり、そこで初めて現地の学生の“勉強のやり方”を知ることになります。

「参考文献を読むのは知識をつけるためじゃなく、授業内でのディスカッションのためだから全部読んでいないよ、って聞いてびっくりしました。文献はあくまで自分の意見を作るためだって、そこでようやく気づいたんです」

最後の学期に履修したゼミの授業では、周りの学生から学んだこの勉強のやり方で、ようやく手ごたえを感じました。このようにして自分で考えていく力を身に付けることができたこの授業のノートは、麓さんにとっての一生の宝物です。


大事にとってあるこの授業のノートは「自分らしい意見を作るため」のメモ書きがたくさん

 

学びだけではなく、人生もキャリアも自分たちで作っていく

ダートマスらしいリベラルアーツ教育を経験した麓さんは、ダートマスには文武両道でカッコいい学生が多い、と話します。

「本当にいつ勉強しているんだろう? っていうぐらいに、スポーツやフラタニティーなどの学生生活を思いっきり楽しんでいました。私が勉強してもいい点数が取れなかった授業にいたクラスメートたちは本当にスマートに勉強していました。例えば一番練習がキツいボート部に所属しているのに、最高得点のA+を取り続けている人がいたりして。…今までに出会ったことのない、次元の違う人たちでした。」


ダートマスグリーンの大学グッズ。愛校心の強い学生たちからは「緑の血が流れている」というフレーズも聞かれる

そんなダートマスの学生たちは、卒業後どこで活躍しているのでしょうか。アイビーリーグの中でも、卒業後の平均年収が特に高いといわれており、学歴と能力を存分に生かして優秀なコンサルタントとして活躍しているケースも多々あります。しかし、そういった社会的な成功の枠組みにとらわれず、世界の辺境の地で活動するなど、あえて“エリートらしくない道”を選ぶ人の方が「カッコいい、ダートマスらしい」とのこと。

そもそも、ダートマスに入学した理由は「アイビーリーグだから」ではなく、「ダートマスだから」という人が多いとか。誰かが作った価値観ではなく、自分なりの価値観を大事にしていき、自分らしく世界に羽ばたいていくダートマスの学生たち。

なかなか日本人にとっては馴染みがないダートマス大学ですが、“真のリベラルアーツ教育”を提供するこの環境では、学生たち自身の主体的な学びが尊重されるのです。頭が良いだけではなくオリジナルな世界観を持って自分なりの道を切り拓いていく学生たち、本当にカッコいいと思いませんか?


全米の中でも指折りの美しさをもつダートマスの秋。今年はどんな個性的な学生たちを迎え入れたのだろうか 写真提供:麓えり


【無料レポート】バイリンガルの英語学習法 7Steps

多くの日本人を悩ませてきた「英語ができない」理由とは?
なぜ今までの英語勉強法では、英語を「書く」、「話す」ができなかったのか?
3,000人以上の小中高生が英語を使えるようになった
「バイリンガルの英語学習法 7Steps」レポート無料公開!

・日本人とバイリンガルの英語学習の違いは◯◯にあった
・英語を◯◯で学ぶことが「使える」英語習得のカギ
・英検にも合格できて、使える英語も身につく学習法とは



など、特別無料レポートを読むだけで、お子さまの英語学習が劇的に変わります。
是非、お子さまの英語学習にお役立て下さい。

ダウンロードはこちら

SNSでもご購読できます。

関連記事