言語教育から見た子どもの英語力を伸ばす秘訣とは?ICU・岩瀬さん | バイリンガルへの道

言語教育から見た子どもの英語力を伸ばす秘訣とは?ICU・岩瀬さん

言語教育から見た子どもの英語力を伸ばす秘訣とは?ICU・岩瀬さん

岩瀬さんの海外歴と学校歴

6歳〜11歳 アメリカ ケンタッキー州
11歳~13歳 愛知県 地元の小学校、南山国際中学校
13歳~18歳 アメリカ ケンタッキー州 現地校
18歳〜 日本 国際基督教大学(ICU)

英語の所持資格

英検1級・TOEFL iBT 113点

2つの言語を通して世界の見え方が変わった

バイリンガルでよかったと思えた瞬間とは?

大学に入って、日本育ちの友達と何気ない会話をしている時に「やっぱり世界の見え方が違うよね、うらやましい」と言われました。私は親のおかげで、海外で育ち、2つの言語を通して2つの文化を経験してきました。それによって、無意識に文化というものを客観的にみて、自分や他人の行動も客観的に捉えられるのだと思います。2つの言語を自由に扱うことができると表現力が二倍になり、他人の言葉の理解もより深く把握できると思います。

また、翻訳や通訳すれば同じ内容になってしまうことも、原語を知っていると言葉の雰囲気やニュアンスが理解できると思います。翻訳の過程で省かれてしまうことで、ミスコミュニケーションになるようなものも原語を理解していることで減ります。

現地の友達との交流と読書で英語を身につけた

英語を一番勉強した時期と勉強法は?

一番勉強した時は渡米した時です。
1回目にアメリカに行った時は、まだ小さかったので泣きながら母親とABCを夏休みに勉強したのを覚えています。学校に通い始めたら英語が分からなくて、先生が同じ学年だった日本人の子を常にそばにおいてくれましたが、その子は私のお世話係をするよりも自分のアメリカ人の友だちと遊びたくて嫌がっていました。それをみて、私も誰かに頼るのは嫌だと強く思い、英語ができるようになりたいと必死に頑張ったのを覚えています。自分からアメリカ人の子に話しかけてみたり、英語の本をたくさん読んだり、家庭教師と勉強して、ESLを渡米して2年立たずに卒業し、3年生の時には他の生徒と同じカリキュラムで勉強できました。

2回目にアメリカに戻った時は正直二年しか日本に帰っていなかったので、英語を忘れていないと信じていました。でも2年間英語にあまり長時間触れずにいたら、なかなか思う通りに話せませんでした。友達に再会した時に英語が下手になったと言われ、ショックだったのを覚えています。英語の本をまた読み始め、アメリカ人の友達としかいないようにしていました。
今英語が身についているのは現地の友達との交流と読書好きだったことが大きいと思います。

自分で日本人としてのレッテルを貼っていた

海外で苦労したことはありますか?

私は3歳から高校卒業までクラッシックバレエを習っており、冬になると「くるみ割り人形」の舞台に立っていました。高校3年生の時に初めて主役に選ばれ、アジア人なのに主役をやって受け入れてもらえるのかすごく心配で、ダブルキャストでもう一人の主役が絵本通りの女の子だったので、その子と比べて不のスパイラルに陥ってしまいました。日本人だということをすごく意識してしまい、誰かに何か言われたわけでもないのに自分で勝手にネガティブになっていましたが、本番後に観客の子に褒めてもらえたことで救われました。
ケンタッキーで生活して10年目で初めてこんなに自分の人種を意識し、私にとってはすごく精神的に苦しい時期でしたけど、その経験があって今の私、そして私の考え方があるのかなと思います。

本当に学びたいものを自由に学べるリベラルアーツ

日本に帰国してからは、どうやって英語力を維持していますか?

ICUがバイリンガルなキャンパスなので、授業や友達を通して英語を維持しています。履修してきた授業の半分は英語で講義も試験も行いました。帰国してから3年経ってもアカデミックな英語を維持することができているのはこのおかげだと思います。
私生活でも、周りの友達の大半が英語を話すことができ、会話の半分以上は英語でしています。あとは本を読むのが大好きなので、古本屋さんとかで洋書を見つけては本を読んでいます。

なぜICUに進学を決めたのですか?

アメリカの高校が6月卒業だったので、日本での大学入学を9月にできるところを探しました。学部によっては9月入学がある大学でも、受け入れ人数が少なく、帰国子女が多いところがよくて、その中でも自分の勉強したい内容があり、バイリンガルな環境に魅力を感じ、ICUへ進学を決めました。

教えるということが小さいころから好きで、英語や勉強を高校生の時から教えていたので、言語教育がリベラルアーツの専攻の1つにあったのが決め手でした。

リベラルアーツとは?

多くの大学が入学時に専攻を決めなくてはならないところ、ICUは一般教養から始まり、2年次の終わりに専攻を決めるというシステムです。文系、理系の区別なく幅広い知識を得た後に、専門性を深めることで、専攻を決めるまでいろいろ試し、じっくりと考えることができたと思います。ICUの魅力はこのリベラルアーツだと思います。

今は主専攻を言語教育で、副専攻を心理学しているのですが、主専攻と副専攻に関連がなくてもよいので専攻を掛け持ちしてより自分が学びたいものを選択していけます。

自分の学びに責任を持つ教育

日本と海外の教育の違いは?

子供の「選択肢」と勉強の「目的」が大きく違うと思います。
アメリカの高校では必修科目があるものの、自ら履修したい授業を選べ、レベル別になっているので、自分で決めることができます。良い風に捉えれば苦手な科目は一般レベル、得意なものは上級レベルと選択することができ、悪くいうと勉学に対してやる気のない子は一般レベル、常に上をキープしたい意識の高い子は上級やAPレベルを受ける、という現状がありました。合わなければ次の年に変更もできるので、自分の学びに責任感を持つことを身に付けられ、いいシステムだと思います。

勉強の目的が日本は受験へ集約されているところです。日本に来て驚いたことは、生徒と親が教育や勉強のことを話す時に「受験」という言葉を連呼する回数です。日本では受験の価値が重く、勉強の目的はその受験に勝つことという人が多いと思います。アメリカでは入試向けのテストはSATやACTのように何度も受けられるし、エッセイや高校での成績が重視されるので、日本のセンター試験に比べると対策出来ることが少ないので、テストのためでなく勉強をしていました。学ぶことと向き合い、それを楽しむという点で日本より良い環境だと思います。

小さい頃から英語に触れ、楽しいという瞬間を増やす

どうやって英語を習得したらいいのか?

英語習得するのは、最終的に何をやりたいかで手段は違ってきますが、主に二つが重要だと思います。
「自分の考えを発信する」こと。
② 音楽、映画でもなんでもよいので、興味のあることと英語をつなげること。

英語アレルギーをどう克服したら良いでしょうか?

アルファベットを見ただけで拒絶反応を起こすようなことはもったいないと思うので、小さい頃から英語に触れ、好きな事とつなげるといいと思います。
すでに英語アレルギーになっていると克服するのは大変ですが、英語を使って楽しいという瞬間が増えれば、克服していけるはずです。日本の子はポジティブな体験が少ないからアレルギーが増えていると感じますが、英語の音楽を聞く、英語圏に旅をするというハードルの低いことから始めるといいと思います。
自分のやっていることを振り返り、周りの人に褒めてもらい、成功実感を増やしていくことが継続に繋がると思います。少しでも会話が成り立つと、「英語ができた」という実感が得られると思います。

学ぶことが楽しいと感じられる環境づくり

自分のアイデンティティは?

大学のために日本に引っ越す前は、私の国籍は日本人だけど中身はアメリカ人だと思っていました。でも日本に帰国し、周りのさまざまな人と交流していく間に自分のアイデンティティは一つの国や文化では表せないと強く思うようになりました。

将来の夢は?

誰かの成長につながる環境づくりに携わっていきたいと思っています。
私は人が「学ぶことが楽しい、好き」と感じられる最高の環境をつくりあげたいです。子供が勉強を好きになるか、嫌いになるかは「環境」の影響が大きいと思うので、モチベーションを活用し、勉強につなげ、いずれは自分の歩みたい道を見つける手助けをしたいと思います。

モチベーションはどうやったら上がるのでしょうか?

モチベーションは持とうと思って、持てるものではないと思います。いろんな人と触れ合ったり、新しいことを体験や発見した時に、モチベーションが自然と上がるものなので、自分の中で何か楽しめるようなとっかかりを探しにいくのが大切です。

子どもの英語学習におすすめの洋書

Green Eggs and Ham by Dr. Seuss

小学校低学年が対象の本です。絵本を読むのが子どものころから好きで、Dr. Seussはリズムがあって、楽しみながら読めました。何度も読んでいると、英語が自然とわかるようになり、英語に触れるスタートの本としておすすめです。

英語を勉強している人たちへメッセージ

楽しんでください!
言語を学ぶにはこれが一番大切だと思います。イヤイヤ勉強しても、苦しいだけです。楽しみ方はそれぞれでいいので、自分の学びに楽しさを感じた瞬間を大事にしてください。たくさんの日本の子供に教えてきましたが、共通しているのは間違えることへの恐れ、抵抗が強いということです。特にスピーキングです。どの言語でも常に完璧な人はいません。ネイティブでもよく聞いていると間違いだらけですよ!言語は人と人をつなげるために存在するものなので、間違えを恐れず、相手とのコミュニケーションを楽しみ挑戦し続けてみてください。伝えようという意思があれば、英語は伝わるし、どんどん話せるようになります。

色々な教育現場を体験したなかで、英語塾キャタルの教育はよいと思います。教師が全員バイリンガルで、生の英語に触れ合う機会があり、英語を話すことが前提の環境のなかで、読むことやボキャブラリー、文法が繋がっていくベースがよい、楽しく学べる場だと思います。