第2回:イェール生が教えてくれた、多様性の理解がライティングから始まる理由とは


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(Harvard vs. Yaleのフットボール戦にて。毎年The Gameは学校行事として大変な盛り上がりをみせています。イェールはここ数年負け続けのようですが、、)

連載第一回目に引き続き、Rewritesの教師として活躍されているMichelle先生にインタビューを行いました。前回の記事ではニューヨークで過ごした幼少期、そして多様性との関わり方についてお話をお伺いしました。第二回目はイェール大学入学後の多様性との関係について、インタビューを行いました。

 

Michelle先生がイェールに入学を決断した理由のひとつは、多様な文化に触れることが出来る環境、だったそうです。学校が生徒達を、とても大事にしてくれているのですね。特にイェールでは学生の約9割がキャンパス内の寮に住んでいるせいか、アットホームな雰囲気に包まれている気がします。そんな環境の中、今までで一番良かった授業はどれでしょうか。

授業の選択肢が多いので決めるのは難しいですね。一番最近の授業だと、今年の秋学期に受けたAfrican American Studiesという授業にはとても満足しました。この授業はアフリカ系アメリカ人初のイェール学部長、Jonathan Holloway教授(*1)が教えています。高校の授業ではあまり取り扱われることがなかった、アフリカ系アメリカ人作者の著書やエッセイを読み、奴隷解放宣言から現在に至るまでに彼らがどのような人生を過ごしてきたのか、差別が激しかった頃に比べ現代のアメリカ社会では何が変わったのか、そして未だに乗り越えられていない壁について学びました。

この授業を受けていた時期に、ちょうど”March of Resilience”(*2) という生徒主催の大規模な反発デモが起こりました。ある教授の発言が、生徒達に「マイノリティーに対して差別的」と捉えられてしまったことが原因でした。このデモはキャンパス内で人種少数派の生徒達が受けてきた侮辱や偏見の実態を、学校全体で話し合うきっかけとなりました。私が入っているアフリカ系アメリカ人主体のアカペラグループもパフォーマンスを行い、”Voice of Color”(=有色人種の声)を学校中に届けました。これらの経験を経て、深刻化する社会問題としっかり向き合おうと改めて考えるようになりました。

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(March of Resilienceでパフォーマンスを行った時の写真。右から2番目、赤と白のストライプの服を着ています。)

(*1)Jonathan Holloway教授:イェール大学初のアフリカ系アメリカ人として、学部長(Dean of Yale College)を2014年度より務める。主にAfrican American Studies, History, そしてAmerican Studiesに関連する授業を教えている。
(*2)March of Resilienceとは(Yale Daily News参照):昨年度秋学期にキャンパス内で行われた、イェール学生主体のデモ活動。マイノリティーに対する差別や偏見をなくそうという思いが多くの生徒を結団させ、ニュースにも取り上げられた。なぜこのようなデモが起きるのか。有色人種、特にアフリカ系アメリカ人は歴史的背景からアメリカ社会では常に差別・偏見を受けていた。このデモでMichelle先生は、「まだまだ道は険しいけど、みんな一緒ならば必ず乗り越えられる。この場から生まれたパワーを糧に、進み続けよう。」、というメッセージを歌でキャンパス中に届けた。デモ活動は、The New York TimesThe Washington Postなどの記事にも取り上げられた。

 

私もデモに参加しました。初めての体験で、生徒達のパワーに圧倒されました。留学生の私も肩を組んで、仲間として受け入れてくれるイェールの暖かさを感じました。移民の国とも言われるアメリカですが、実際に生活していると人種が入り混じっているようで、未だに人種や互いの文化の間には見えない壁があるのですね。
学内の異文化交流活動以外に、海外留学プログラムが充実しているそうですね。Michelle先生も留学されたのですか?

学校側が全ての学生に最低ひと夏、海外の学校で学んだり、研究したり、インターンシップやボランティア活動に参加することを勧めています。私も大学2年次の夏に、アルゼンチンで公共衛生学の研究を行いました。学内プログラムではなかったのですが、学校が研究資金を出してくれました。他にも資金援助制度や、様々な種類のフェローシップ(奨学金プログラム)に出願する機会が用意されています。私が応募したフェローシップは、一時期のプログラムに対して上限120万円まで出してくれました。既に学校から資金援助を受けている生徒 (ちなみにイェールでは二人に一人が資金援助を受けています)には、自動的に学校から留学資金が支払われます。学校が全面的に資金面や研究内容の援助をしてくれるので、私のようにあまり裕福ではない家庭出身の生徒にも、海外で学ぶ機会が与えられます。

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(留学中、アルゼンチンのサッカー場にて)

 

120万円はすごいですね!確かに夏が近づくにつれて、フェローシップや留学プログラムのながーいリストがたくさん送られてきます。誰もがこのような制度を受けられる環境は、長い歴史を持ち、資源豊富なイェールだからこそ実現可能なのでしょうね。

そうだと思います。留学プログラム以外にも、アイビリーグの一校として名が知れているため数々の著名人がキャンパスに訪れます。卒業生の学者やビジネス・政治界の重鎮、俳優に料理人、音楽家、映画監督、ジャーナリストなど、様々な分野で功績を挙げているゲストスピーカーのストーリーから学ぶことが出来ます。他では聞くことが出来ない、とても貴重な話を世界的に有名な方々から聞くことができるのは、イェールならではの特権ではないでしょうか。例えば以前、ドミニカ共和国の前大統領がキャンパスに訪れたことがありました。先月は 先程お話したHumans of New Yorkの写真家、Brandon Stantonが講演会を行い、一時期仕事を失い、資金ゼロのままニューヨークに引っ越した話や、昨年ホワイトハウスでオバマ大統領にインタビューを行った話をシェアしてくれました。このような素晴らしい機会を与えてくれるイェールという環境に、心から感謝しています。

 

更に凄いのは、そういう方々が授業を教えているということですよね。メキシコ人の友達は、前期からメキシコ前大統領のレクチャーを受けています。先日クラスディナーで一緒にお酒を飲んだと、興奮気味に教えてくれました。
卒業まであと2ヶ月弱ですが、今後はどのような道を進むのでしょうか

私自身低所得世帯に育ち、両親もあまり教育熱心ではなかったことから、教育改革に興味があります。そこで卒業後はまずYale-­NUS(*3)のDean’s fellowとして、一年間シンガポールで勤務することが決まりました。Teach For America(*4)派遣プログラムにも合格していたので、迷っていたのですが、イェールとは卒業後も深く関わっていきたいと思い、Yale­-NUSを選びました。キャンパスでは主にアドミッションオフィスで勤務することになると思います。アジアでもまだ数少ないリベラルアーツ制度の大学により多くのアジア人学生がリーチアウトできるよう、取り組んでいきたいです。

(*3)Yale­-NUS Collegeとは:イェール大学とシンガポール国立大学(National University of Singapore)が2011年に協定を結び立ち上げた、4年制私立大学。在学生は1年次と3年次に1学期ずつ、イェール大学で学ぶ機会が与えられる。
(*4) Teach For Americaとは:大学卒業生を貧困世帯地域の公立校に派遣するプログラムを運営する、非営利団体。選考に受かった学生は数ヶ月に及ぶ研修後、二年間教師を勤める。プリンストン大学の卒業生、Wendy Coppが1991年に設立。2010年の全米文系学生・就職先人気ランキングでは、GoogleやAppleを抑えて1位に選ばれた。

 

Michelle先生の卒業間近にして起きたデモは、アメリカ人の間にまだ差別の意識が残っていること、そして差別問題がアメリカに根付いてしまっていることを明らかにしました。国内の課題と海外での学びを経験し、教育という分野に改めて深く取り組みたいと語ってくれたMichelle先生。次回は彼女にとって、ライティングとはどのような意味を持つのか、そして多様性の理解にどうしてライティングは必要なのかお聞きしました。

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