入試が変われば日本人の英語が変わるは本当か?

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2015年に示された英語教育改革の方向性とは?

英語教育界に流行語大賞なるものがあったら、2015年の大賞は「4技能」であったでしょう。

文部科学省が、2020年から、センター試験に変わる新しい受験制度において、今までの「リーディング」「リスニング」に加えて、「スピーキング」「ライティング」を加えた4技能試験を導入することを決め、一躍注目をあびるようになった言葉です。2020年を待たずに、スーパーグローバル大学の中では、立教大学や上智大学などを筆頭に、4技能型の選抜が始まろうとしています。

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4技能型試験の、いち早く始めた先駆者であり、難易度的にも頂点にある試験が「TOEFL iBT」です。元々TOEFLは、リーディングとリスニングだけの試験でしたが、2005年に現在の「iBT」と言われるインターネットを使った試験に移行した際に、アウトプット2技能を加えた4技能型試験に移行しました。「リーディング」と「リスニング」のインプット2技能だけを問うていた時代には、キャンパスに英語を使えない留学生が増えてしまい、その問題を解決するために、TOEFLは「ライティング」「スピーキング」を導入したという経緯があります。

実はこの「英語を使えない留学生」のほとんどはアジアからの留学生で、その中に当然日本人も含まれていました。上位大学への日本人留学者数は増加傾向とは言えないのは、TOEFLが日本の学生には難しすぎることも理由の一つであると思います。アウトプットが得意な帰国子女が圧倒的に有利になり、逆にアウトプットの機会を持たずに育った国内の高校、大学生が、ダイレクトにアメリカの上位校に入るのは相当難しくなりました。帰国子女の数も増加をしているわけではないので、TOEFLで100点を取れる母数を増やしていかないと、日本からの海外留学生という、文化と文化の橋渡し役をしてくれる人材が国外に羽ばたいていけなくなります。

とはいえTOEFLが、試験の形式をインプット型の選抜から、インプット力とアウトプット力を均しく測る4技能型に変えたことで、英語が使えない留学生の数は減ったことは間違いありません。受験システムの変更を通じてどのような人材が欲しいかを明確にするという戦略は、この場合はうまくいったと言えるでしょう。

 

TOEFL iBTでは国内の大学受験生の英語力は測れない

では、日本でもTOEFL iBTを導入すれば、生徒の英語力が上がるのかというと、先ほど申し上げた通り、TOEFL iBTは国内の一般的な大学受験生には難しすぎます。下のCEFRという語学試験の格付けを参照して欲しいのですが、TOEFL iBTは「B1」〜「C1」上級レベルの英語力を細かく判定することに適したテストで、高校3年生の平均的な英語力が、準1級以下であると考えるとぴったりとマッチしません。

このギャップを埋めるべく生まれたのが、「TEAP」です。TEAPは、英検を運営する日本英語検定協会と上智大学とが共同で開発したテストで、CEFRで見ると「A2」〜「B2」のレベルで、日本の高校生のボリュームゾーンと考えられる英検準2級〜準1級と完全に合致します。

問題を見てみても、英検や受験問題に慣れている人にとっては、文法問題や図表の読み取り問題などがあって、とっつきやすいと思います。「ライティング」と「スピーキング」のアウトプット問題についても、それほど難易度は高くないです。「ライティング」は要約が中心で受験者の意見を求めるような高度な問題は出題されません。対して「スピーキング」では、自分の意見を自由に伝えるような問題が出題されます。また面接形式であるために、試験そのものの客観性や基準の明確さなど、課題はあると思っていますが、そもそもこのような試験が形式を変更するようなことがあるかはわかりません。

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出典
※英語4技能試験情報サイト「資格・検定試験CEFRとの対照表」より
※各試験団体の公表資料より文部科学省において作成
■Cambridge English:ケンブリッジ大学英語検定機構より
■英検:日本英語検定協会より
■GTEC:ベネッセコーポレーションによる資料より
■IELTS:ブリティッシュ・カウンシル(および日本英語検定協会)資料より
■TEAP:第1回 英語力の評価及び入試における外部試験活用に関する検討会 吉田研作教授資料より
■TOEFL iBT:Educational Testing Serviceより
■TOEIC:IIBCより

 

TEAPの抱える問題点と課題

今後4技能型試験が受験でも導入されるようになると、国内受験生の英語力とマッチしているという理由で、TEAPがメジャーな試験になる可能性が高いと考えています。しかし、TEAPには大きな問題が2つあります。

①高校2年生以上しか受験できないから、長期的にベンチマーク的な目標として使えない
TEAPの受験資格があり、高校2年生未満の生徒は受けられません。英語は他の教科と比較をすると学力の差が、年齢にではなく学習期間によることが多い科目です。英検の合格年齢も、上位級の準1級でも小学生から大人までまちまちです(*)。TEAPでも、英語の高い小学校高学年や中学生は、良いスコアを取ると思いますが、現状では受験資格が邪魔をしています。
TEAPを低学年にも開放すると、英語力の高い生徒は高校2年生未満でも早めに良いスコアと取って、次のステップとしてのTOEFL iBTや、英語を使った専門的な学習に移るというように、ベンチマーク的に使われます。しかしTEAPは、あくまでも受験用のテストなので、小さいうちからこれを目標・ベンチマークにして学習計画をたてることには適していません。

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(*2010-2013 英検準1級合格者属性:http://english-navi.biz/eiken/1st_data/)

②国際的に認知度の高い試験ではないので、これを取ることで海外進学の道が開けるわけではない
「TEAP」はあくまでも日本の大学受験のために作られた試験で、国際基準として海外のメジャーな大学がどんどん採用しているような流れがあるわけではありません。TEAPは、国内大学が作った、国内大学に入学する人のための試験です。せっかく4技能を学び、テストでも良い点を取ったのだから、自信をつけて海外に留学するべきだと思うのですが、この試験でいくら高得点を取っても、海外の一流大学から評価を受けるわけではありません。留学をするためには、TOEFL iBTなどを受け直さなければいけなくなります。

では、国際的な権威があり、小さいうちから目標にできるような試験について考えてみましょう。

 

TOEFL Juniorのアウトプット2技能追加型の試験に注目!

私が注目しているのは「TOEFL Junior Comprehensive」です。

このテストは、元々インプット系2技能試験の「TOEFL Junior」に、アウトプット2技能を追加する形の試験です。ですので、「TOEFL Junior」だけを受験する人は、マークシートの2技能試験で、「TOEFL Junior Comprehensive」を併せて受験すると「ライティング」と「スピーキング」の2技能の追加となり、この2つを合わせて4技能となります。

CEFRの「A2」〜「B2」とTEAPと同レベルのこの試験は、学年による受験資格制限がないので、小学生でも英語力が高ければどんどん受験をして実力の判定と、成長の見える化のために使えます。また、国際的にも認知度が高いため、短期を含む留学などでも小中高生がスコアを提出すれば、どの程度の英語力であるか客観的に伝えることもできます。

そして何よりも、TOEFL iBTへの接続を意識して作られているので、TOEFL Juniorである程度高得点を取ってからなら、TOEFLに移行してもすぐに高得点が取得できます。実際にうちの生徒でこの接続がうまくいって、TOEFL iBTに移ってすぐに100点の大台を叩きだした生徒もいます。

 

入試制度が変われば日本人の英語力は上がるを本当にする

日本人が英語を使えないのは、英語を使う機会を学校教育が作りそれを指導することができなかったことと、入試で英語を使うことが問われないので使えるようになるインセンティブが低かったことの2つが原因の大部分を占めていると思います。その意味において、入試制度が変わり、英語が使える生徒が評価されるようになれば、「学校教育」「受験」「社会で使える英語」の3つのベクトルが揃い、それが日本人の英語力が飛躍的に向上するきっかけになると考えています。

その中心的存在になるTEAPは、上記のような問題があり、長期的な目的にするのには向いていません。個人的には、TOEFL iBTで100点を目指すことを小学生のうちから大きな目標においておきながら、TOEFL Junior(場合によってはその一つ下のTOEFL PrimaryやTOEIC Bridgeなどから)をベンチマークに学習を進めて、中学生の間にTOEFL Juniorのレベルは終わらせておくのが理想的であろうと考えています。

ゴールが明確になった分、早くから高い目標をもって英語を学んだ人がいい結果をつかみやすくなりました。ただ、このことにいち早く気付いて長期的に準備をしている人は、まだ多くないことも事実のようです。


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