文京学院大学女子中学校高等学校-文理を問わず国際的な人材の育成を目指す | バイリンガルへの道

文京学院大学女子中学校高等学校-文理を問わず国際的な人材の育成を目指す

文京学院大学女子中学校高等学校-文理を問わず国際的な人材の育成を目指す

文京学院大学女子中学校高等学校は、「SSH」と「SGHアソシエイト」の両方の指定を受けています。同校の教育理念は、国際的にスタンダードな文理融合型。英語力に限定されない、これからのグローバル社会で要求される能力を持った人材の育成に力を入れている文京学院大学女子中学校高等学校について解説していきます。

学校の概要

文京学院大学女子中学校・高等学校は、東京都文京区本駒込にある私立の女子中高一貫校です。1925年の創設以来掲げている教育目標は「女性の自立」で、生徒にはグローバル化が進む社会の中で母国語の他に英語でも自らの考えを伝え、他者と意見を交換するコミュニケーション能力を育むことを奨励しています。「国際教養コース」、「理数キャリアコース」、「スポーツ科学コース」という3つのコースを設け、2012年から2017年にかけて都内女子校として初めて「スーパー・サイエンス・ハイスクール」の指定を受けた他、2015年度からは継続して「スーパー・グローバル・ハイスクール・アソシエイト」の指定を受けています。

スーパー・グローバル・ハイスクール構想とは?

高等学校等におけるグローバル・リーダー育成に資する教育を通して、生徒の社会課題に対する関心と深い教養、コミュニケーション能力、問題解決力等の国際的素養を身に付け、もって、将来、国際的に活躍できるグローバル・リーダーの育成を図ることを目的としています。
スーパーグローバルハイスクールの高等学校等は、目指すべきグローバル人物像を設定し、国際化を進める国内外の大学を中心に、企業、国際機関等と連携を図り、グローバルな社会課題、ビジネス課題をテーマに横断的・総合的な学習、探究的な学習を行います。
学習活動において、課題研究のテーマに関する国内外のフィールドワークを実施し、高校生自身の目で見聞を広げ、挑戦することが求められます。
指定されている学校の目指すべき人物像や具体的な課題の設定、学習内容は、地域や学校の特性を生かしたものとなっております。
引用元:http://www.sghc.jp/

また、創設者の理念に則って毎日ペン習字の書写をすること、毎朝の「朝間時間」と呼ばれる授業開始前の時間に漢字や英単語の学習や、裁縫の「運針」を行うことを習慣づけるなど、ユニークな取り組みがあるのも特徴です。

高校入試の募集人数は、理数キャリアコースTクラス、Aクラスそれぞれ30名、国際教養コースTクラス30名、Aクラス60名、スポーツ科学コース25名であり、A推薦(専願推薦)・B推薦(併願推薦)・一般入試が実施されます。

基本情報

学校属性:私立 中学校・普通科高校
校訓:誠実・勤勉・仁愛
系列校:文京学院大学文京幼稚園、文京学院大学ふじみ野幼稚園、文京学院大学、学校法人文京学園
教育体制:中高一貫校(併設型)
共学/別学:別学
学期:前・後期2期制
学費:1,335,120円(中学初年度)631,000円(高校初年度。2・3年次に特別施設費120,000円を分割して納入)
帰国子女の受入:有
国内大学進学実績:筑波大学、お茶の水女子大学、東京理科大学、立教大学など(2019年度)
海外大学進学実績:Sunway University(Malaysia) ,Brigham Young University (ELC)(2019年度)

学校の特徴

ゼミ形式の課外授業「国際塾」

グローバル社会で通用する英語能力を持った人材を育むために、独自のゼミ形式の課外授業「国際塾」を放課後に開講する取組みがあります。

国際塾で目指しているのは「英語によるプレゼンテーションやディスカッションができる」、「英語教育で高いレベルにある大学の入試に対応できる」、「海外大学への進学で要求される」といった高いレベルの英語運用能力の獲得で、英語の4技能をバランスよく身に着けるための講座が年間を通じて実施されています。

国際塾の授業は基本的に全て英語で行われますが、「basic」 から「super advanced」の5つのクラスがあり、初学者から上級者まで英語に関心がある全ての生徒が、普段の授業や部活と並行しながら、自分に合ったペースで努力を重ねていくことができるのが特徴です。実績として、ある年度の高校2年生では、GTEC(全国の650校以上で実施されている「英語コミュニケーション能力テスト」)の点数の伸び率が高い上位30名のうち29名が塾生だったといいます。

国際塾の講座はただ授業を受けるといった一方的なものではなく、講師や生徒同士が互いに意見を交わして議論する双方向的な演習形式となっており、英語の知識に加えて相手の意見を正しく理解し、自分の考えを適切に表現して伝えるといった英語を用いた実践的なコミュニケーション能力を学べる場となっています。

最上級のsuper advancedのクラスでは主に高校3年生や海外帰国生が学んでいます。講座にはネイティブの講師も参加するため、発音や語法についても安心して学べる他、帰国生が海外で身に着けた英語力を維持して、さらに向上させることにも役立っています。

豊富な異文化体験プログラム・中長期留学

中学3年生向けに「Maple BEST」 (Bunkyo English Study Tour)と呼ばれるカナダの都市ビクトリアで行われる語学研修旅行がある他、高校2年生は語学力の向上と異文化理解・交流を目的とした、オーストラリア、シンガポール、マレーシアの高校に渡航して行われる研修旅行に参加します。高校2年次の研修は国際教養コースの生徒だけではなく、理数キャリア、スポーツ科学コースの生徒もそれぞれ異なる海外渡航先での研修を受けることとなっています。

夏休みや冬休みには、中~長期の姉妹校提携校への語学研修や派遣留学も盛んに行われています。派遣留学では、同校の代表者として選抜した生徒をアメリカのセントベネディクト大学、ニュージーランドのオタゴ女子高校へと派遣しています。セントベネディクト大では、英語の授業に加えて同大教授によるパブリックスピーキングの講義を受ける、25日間の語学習得を目指したプログラムを実施しています。オタゴ女子高では、3ヵ月~最長11ヵ月の長期留学が実施され、語学力を高めてさらに幅広い知識を獲得することを目指します。

また、国際ロータリークラブの青少年交換派遣留学に生徒を推薦していて、ロータリーに合格を認められた生徒はヨーロッパ、アメリカ、アジア、中南米、インドといった地域の現地高校にて10ヵ月間の留学を経験することができます。

スーパーグローバルハイスクールアソシエイトとしての取り組み

同校は2015年度から継続して「スーパー・グローバル・ハイスクール・アソシエイト(準SGH)」の指定を受けています。SGHの認定基準は「語学力育成のみを目的とした研究は支援対象外」としており、社会課題への関心、英語でのコミュニケーション能力、課題解決能力といった国際的な教養を育むことが要求されます。
同校の取組むSGHプロジェクトは、「グローバル・リサーチ―アジア探求―」「コミュニティ・デザイン―東日本大震災の地域社会再生研究―」「グローバル・デザイン―多文化共生社会の研究―」です。

中学1年次から高校2年次にかけて、研究発表の機会や校外学習、研修旅行を通じて課題研究に取組む技法を学びます。また、並行して中学2年次からは「グローバル講座」として、SGHプロジェクトに繋がる研究活動などを外部専門家の協力を得ながら実施し、グローバル人材としての資質や探究活動の基礎を身に着けることを目指します。

英語力を養成するプログラムとしては、英語のインプット・アウトプット量を増やすための能動的な学習の実践や、先述した国際塾や、語学研修、海外連携校とのプロジェクトがあります。

まとめ

国際塾や充実した異文化体験プログラム、提携海外大学への派遣留学制度といった同校の国際教養プログラムに共通しているのは、ただ英語の知識を身に着けるのではなく、国際的な課題解決のために英語を使ってリサーチする力、コミュニケーションする力、発信する力を養成することを目指しているという点です。

国際教養コース以外のコースでも海外研修旅行が行われるのも特徴で、過去には理数キャリアコースの生徒が、スーパー・サイエンス・ハイスクールとして提携する海外校との科学交流を行った実績もあります。
「SSH」と「SGHアソシエイト」の両方の指定を受けたこともある同校の教育理念は、国際的にスタンダードな文理融合型の素養に合致します。英語力に限定されない、これからのグローバル社会で要求される能力を持った人材の育成に力を入れている学校です。