ペンシルバニア大学【IVY】 – アメリカで初めて”University”を冠した大学 | バイリンガルへの道

ペンシルバニア大学【IVY】 – アメリカで初めて”University”を冠した大学

ペンシルバニア大学【IVY】 - アメリカで初めて”University"を冠した大学

The University of Pennsylvania(ペンシルバニア大学)の概要

ペンシルベニア大学(The University of Pennsylvania)は、アメリカ独立を20余年さかのぼる1755年の創設で、その設立時(1740年)には、独立宣言の9人の署名者と合衆国憲法の11人の署名者が関わっている。創設者にベンジャミン・フランクリンが含まれ、アメリカで初めて”University”を冠した大学である。
フランクリンは、大学の設立時、ほかのコロニアル・カレッジのように、聖職者を養成する学府に飽きたらず、古典と神学に加えてさらに商業と公務のための実践的教育にかなう高等教育の場を提唱したのだが、ほかの理事の反対で実現しなかった。しかし、フランクリンの提唱した教育計画は、アメリカ初の実に近代的なリベラルアーツ・カリキュラムだったのだ。爾来、フランクリンの理想はこの大学の教育方針に活かされ、伝統的に医学や経済学、法律学など、実学に重きが置かれた研究・教育が実施されている。

ペンシルバニア大学の基本情報

大学属性: 私立
創立:1755年
校訓:Leges Sine Moribus Vanae (Laws Without Morals are Useless: 良識のない法は無益である)
学生数:20,000人(学部生10,000人+修士10,000人)
共学/別学:共学
専攻:経営学、医学、法律学
学期:セメスター制
学費:US$43,000(寮費&食費US$14,000/年)
学生/教員比:6/1
男女比:男 48.9% 女 51.1%
必要なTOEFL点:iBT/ PBT-600
入学率:62.54%(合格者数:3,935人/入学者数:2,461人)
留学生合格率(2014):9.4%
留学生の割合:11.18%
ノーベル賞受賞者数:28名

ペンシルバニア大学の特徴

「ユーペン(UPenn)と愛称されるこの大学は、実学重視のリベラルな校風で知られる。多くの分野で嚆矢となったペンシルベニア大学だが、医学部 (1765年)とビジネス・スクール (1881年) が、ともにアメリカで最初に設立されたことが特筆される。学術分野では経営学、医学、法律学が群を抜き、ビジネス・スクールであるウォートン・スクール (Wharton School) MBAは、ハーバードのそれと並んで、全米ランキング第一位を分ける名門だ。

ペンシルベニア大学はアイビーリーグの一角として、常にアメリカ屈指の名門校の地位を保っている。国内の大学ランキングでトップ8、世界大学ランキングではトップ13で、合格率9.9%(2015年度)は全米最難関の大学の一つである。

1994年、ジュディス・ロディン女史が第7代学長に就任して、ペンシルベニア大学はアイビーリーグ初の女性の学長を迎えた。2004年にはエイミー・ガットマン現学長が第8代学長に就任して伝統を引き継いでいる。

各施設との共同研究が盛ん

ペンシルベニア大学には、すべての施設が同じキャンパス内に集中しているという特徴がある。大学病院、フィラデルフィア小児病院や、アメリカ初の独立生物医学研究所であるウィスター研究所が、キャンパス内にあることで、大学内での共同研究が極めて盛んだ。キャンパス内には、ペンシルベニア大学考古学・人類学美術館: 1887年に設立されたペンシルベニア大学最古の美術館などがある。12トンもあるというエジプトのスフィンクスも有名だ。カレッジホール前には、創設者の一人、ベンジャミン・フランクリンの像が立っている。大学の象徴として、カメラのレンズが多く向けられるところだ。

国内トップクラスの大学院

ペンシルベニア大学の学部は、教養学部、経営学部(ウォートン・スクール)、工学部、の看護学部の4つ、大学院は以下の12で、いずれも国内とトップクラスにランクされている:

アネンバーグコミュニケーション大学院
教養科学大学院
教育学大学院
ロー・スクール(Penn Law)
ペレルマン医学大学院
歯科大学院
デザイン大学院
工学応用科学大学院
看護大学院
社会政策・社会実践大学院
獣医学大学院
ウォートン・スクール(Wharton School)

余談になるが、ペンシルベニア大学は、どうやら大富豪たちのかつての学び舎だったらしい。ちなみに、UPenn は不動産王ドナルド・トランプ氏と長女イヴァンカ氏らを「輩出」している。WealthXがまとめたデータでは、ペンシルベニア大学が25人で1位となったのだ。インドのムンバイ大学、ロモノソフ・モスクワ州立大学など、米国以外の大学も「健闘」している:

1 ペンシルベニア 25
2 ハーバード   22
3 イェール    20
4 南カリフォルニア16
5 プリンストン  14
6 コーネル    14
7 スタンフォード 14
8 カリフォルニアバークレー 12
9 ムンバイ    12
10 ロンドン    11
11 ロモノソフモスクワ州 11
12 テキサス    10
13 ダートマス   10
14 ミシガン    10
15 ニューヨーク  9
16 デューク    9
17 コロンビア   8
18 ブラウン    8
19 MIT     7
20ETHチューリッヒ 6

まとめ

最後に、日本とも関わりがあるウォートン・スクールに触れて、結びに代えよう。本文でも触れたとおり、ウォートン・スクールはパンシルベニア大学の「顔」の一つで、1881年にフィラデルフィアの実業家。ジョゼフ・ウォートン氏が設立したもの、鉄鋼業で財をなしたウォートン氏を偲んで、鉄床(かなとこ)がスクールのシンボルになっている。
ウォートンは、数ある米国ビジネス・スクールの中でも特に国際性を重視しており、毎年約70ヵ国から優秀な学生が集まる。日本からの留学生も多く、今では、日本人のウォートン卒業生のネットワークが1,000人を越え、ウォートンの魅力の一つになっている。現在もその多くが、日本企業、外資系企業を問わず、ビジネス界のあらゆる分野で活躍している。日本では、ウォートン・スクールは母体のペンシルベニア大学よりも知られているほどだ。