専門家インタビュー

これからは「自分の考えを英語で表現できる力」が評価される。そのために必要な英語教育とは 上智大学言語教育研究センター教授 吉田研作先生

吉田先生は英語教育、バイリンガリズム、異文化間コミュニケーション教育の第一人者で、 文科省などの外国語教育に関する各委員会にも携わり、英語が使える日本人の育成に関する研究、活動をされている。大学入試にも活用される4技能テスト「TEAP」の開発者でもある。
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スーパーグローバル大学に選抜された立教大学の目指す教育 立教大学副総長山口和範氏

今回のラジオのゲストは、スーパーグローバル大学に選ばれた立教大学の副総長及び経営学部経営学科教授の山口和範先生です。

2014年に文部科学省は「スーパーグローバル大学創成支援」事業を創設しました。世界トップレベルの大学との交流・連携を実現、加速するための新たな取組や、人事・教務システムの改革、学生のグローバル対応力育成のための体制強化など、国際化を徹底して進める大学を重点支援することを決めました。その支援対象となる大学をスーパーグローバル大学と呼び、全国から30校程度の大学が選抜され、それぞれトップ型(タイプA)グローバル化牽引型(タイプB)に分けられています。

トップ型(タイプA)

世界ランキングトップ100を目指す力のある大学を支援。東京大学、京都大学など選抜。

グローバル化牽引型(タイプB)

これまでの実績を基に更に先導的試行に挑戦し、国内のグローバル化を牽引する大学を支援。東京外国語大学、上智大学、立教大学など選抜。
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教育経済学の目線から考える、これからの日本の教育 慶應義塾大学准教授 中室牧子先生

中央が慶應義塾大学准教授 中室牧子先生

教育経済学者である中室牧子さんは、慶應義塾大学にて学んだ後、米コロンビア大学で修士号と博士号を取得されました。日本銀行と世界銀行で実務経験があり、日本銀行では調査統計局や金融市場局において、実体経済や国際金融の調査・分析に携わり、世界銀行では欧州・中央アジア局において、労働市場や教育についての経済分析を担当されました。
その後、東北大学を経て2013年4月より慶應義塾大学准教授として活躍されています。

 

「エヴィデンス・ベースド」という考えの教育経済学とは?

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未来の当たり前を作る 東京大学 i.school のイノベーション教育 東京大学 堀井秀之先生

2009年に始まった i.school からはすでにたくさんの人材が輩出され、様々な分野で活躍している。
i.schoolとコラボレーションして未来フォーラムを開催した雑誌AERAの編集部は、i.school に関心を持った理由について「若くして活躍している方々にかたっぱしからインタビューしたところ、かなりの比率で i.school の修了生だったから」と語ったそうだ。
新しさを生み出す人材を育成するというイノベーション教育について、東京大学 i.school のエグゼクティブディレクター堀井秀之先生に詳しいお話を伺った。

写真中央が東京大学 i.school のエグゼクティブディレクター堀井秀之先生右のキャタル教師の飯田麻衣さんは、実は2014年に i.school に参加していて、大学院時代で一番の有意義な経験だったと語っている。

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人と人、世界を繋げる通訳者の醍醐味とは?キャタル・コミュニケーションズ代表パートナー斎藤元彦さん

本日のゲストは、キャタルコミュニケーションズ代表パートナーの斎藤元彦さんです。

キャタルコミュニケーションズは、キャタルで教師として活躍しているようなバイリンガルの方々が
通訳者として活躍されている通訳エージェンシーです。

斎藤さんには通訳の専門家として、これからの世界におけるAIと通訳の未来、英語教育と通訳の関係性についてお聞きしました。

ぜひ対談をお聞きください。

次の放送では、斎藤さんとキャタル・コミュニケーションズで斎藤さんのパートナーとしてご活躍されている山口 亜希さんをゲストにお呼びして、さらに通訳と英語教育について深く掘り下げた対談をさせていただきます。

お楽しみに!

英語教育と通訳の関係性 / 子どもをバイリンガルに育てる方法 斎藤元彦さん&山口亜希さん

本日はキャタル・コミュニケーションズ代表パートナーの斎藤元彦さんと、同じくキャタル・コミュニケーションズでパートナーを務める山口亜希さんをゲストにお呼びしました。

前回の対談から引き続き、お2人に通訳の専門家として、これからの通訳の世界の未来や英語教育と通訳の関係性についてお聞きしました。

特に山口さんは現在4歳の男の子と、9歳の女の子のお母様なので、ご自分がバイリンガルとして培った英語力をどのように子どもたちに教育しているか、についてお伺いしました。

以下の3つのポイントを、対談で掘り下げました。

・AIと通訳の関係性
・若手の通訳者として活躍するには
・子どもをバイリンガルに育てる教育法

ぜひ対談をお聞きください。

夢のコラボ1時間スペシャル:Go Around the World & In the Dreaming Class

左から、ゲスト豊田圭一さん、笹原、ゲスト海渡寛記さん

キャタルが提供するラジオ番組、「In the Dreaming Class」 リニューアルのお知らせです。

7月から「In the Dreaming Class」は新しい枠に移行して、毎週水曜日午前11:40分から12時までの20分番組となりました。
リニューアル後の記念すべき第一回目の放送は、「In the Dreaming Class 」の直前の番組、「Go Around the World」との共同1時間生放送スペシャルをお送りしました。

Go Around the World のパーソナリティの豊田圭一さんはキャタル代表の三石と長年おつき合いをされている方で、ご自身でもインドで英会話スクールSpice Up Academy を経営されていらっしゃいます。
豊田さんと一緒に 「Go Around the World」 のパーソナリティーをされている海渡寛記さんも、マンツーマン英会話スクール、ワンナップ英会話を経営されていて、笹原も含め、英語教育が私たち3人の共通点となりました。
「Go Around the World」 の部分では、笹原ががゲストとしてお招きいただき、「理想の英語学校」について対談させていただきました。

「In the Dreaming Class」では、お二人からバトンタッチして、笹原がパーソナリティを担当させていただき、豊田さんと海都さんをゲストに夢溢れるトークを続けました。
お二人が敏腕経営者で複数の事業を展開されているということもあり、番組では人材育成、特にこれからの時代で活躍する人材や、社会人になっても夢を叶える力を身につけるには、どうすれば良いのか?など、質問させていただきました。

ぜひ、対談をお聞きください。

【スーパーグローバル大学特集】東京外国語大学 林佳世子 副学長(第一弾)

今回の放送は、東京外国語大学の林 佳世子 理事・副学長(スーパーグローバル大学創成支援代表)をゲストにお招きしました。

東京外国語大学にとってグローバル化とは?
スーパーグローバル大学に選抜されてから起こった変化とは?
世界的に魅力的な大学になるための取り組みとは?

などをお聞きしました。
どうぞ対談をお聞きください。

【スーパーグローバル大学特集】早稲田大学 橋本周司副総長(第2弾)

中央が早稲田大学副総長・常任理事の橋本周司先生

今回の放送は、早稲田大学副総長・常任理事の橋本周司先生をゲストにお招きしました。

2032年に創立150周年を迎える早稲田大学では、教育改革のために2012年から様々な施策に取り組んで来ました。2012年から始まった教育改革は、2014年に文部科学省「スーパーグローバル大学創成支援」タイプA(トップ型)に採択されたことで更に加速しています。

早稲田のビジョンは世界で活躍できる意思を持った学生を集めること、学生たちをグローバルリーダーに育成すること、大学の研究が世界の平和に貢献すること、卒業生を世界中で活躍できるよう送り出すこと。それができる大学の仕組みを作ること。

何をやろうとも、自分で考えることができる学生。自発的に考えることが楽しいと思える学生に来てほしい、と橋本副総長からのご意見をいただきました。

多彩な学生を集めるためには、学生の選抜の仕方も変わっていかなければならない、と早稲田大学は早くから考えていたようです。世界中から膨大な数の留学生を惹きつける早稲田大学では特に、毎年決まった日に一斉で入試を行うやり方では続かない、と先見の明を示しています。今年の希望者が11万人の受験生を迎えた中で、点数だけで評価する入試方式ではなく、より全人的な評価をできる入試に変えていき、ダイバーシティ溢れる学生たちを集める居場所になりたい、との願いがこもっています。

他にも、大学が果たすべき役割、特に生徒の夢を高めることについても、お話をさせていただきました。

・2023年に向けてどのような大学になっていくのか?
・日本の学生と海外の留学生がともに学習する環境作りについて
・これからの大学の入学試験、4技能試験のあり方について

などをお聞きしました。
ぜひ対談をお聞きください。

世界のトップ大学へ進学する国際的リーダーを育てる教育 AIC代表 桑原克己氏

オークランドインターナショナルカレッジ(AIC)とは、2003年にニュージーランド最大の都市オークランドに設立されたインターナショナルスクールであり、世界各国から生徒が集まっている名門進学校です。世界的視野に立ち、価値ある貢献のできる国際的リーダーの育成を目的とし、世界のトップ大学入学者を数多く輩出していることで話題となっています。今回は、AIC代表取締役の桑原克己さんにお話を伺いました。

中央がAIC代表取締役 桑原克己氏


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祝! MIT(マサチューセッツ工科大学) EMBA合格 英語塾キャタル代表取締役 三石郷史社長

本日のゲストは
英語塾キャタル代表取締役の三石社長をお呼びしています。

三石社長の記念すべくMIT Sloan School of Business のEMBA 合格をお祝いするために、ゲストにお呼びしました。

三石社長、おめでとうございます!

対談では、三石社長の子ども時代に育まれたMITへの思いから始まり、キャタルを起業されてからMITに進学するという夢をどうやって達成したかの道のりについてお伺いしました。
そして、なぜ数ある著名な大学院の中から、MITをお選びになったかもお聞きしました。

他にも、

・出願の準備にどのような対策をしましたか?
・どのような選考プロセスでしたか?
・MITから得た知識はどのように生かして行きたいですか?
・今、海外の大学院を目指されている方に何かアドバイスはありますか?

といったことをお話しいただきました。

It’s never too late to follow your dreams!

イギリス教育の強み ~イギリスが実施する受験制度に伴う、学校教育の実態について~Watanabe Office 代表 渡邊和子さん

グローバル化が急速に進む時代の中、日本においても国内という枠にとらわれることなく、あらゆる面で世界へ目を向ける人々が増えてきました。ラジオのゲストであるWatanabe Office 代表渡邊和子さんは、イギリス留学を希望する小~高校生達を38年間支援し続けています。今回は、渡邊代表にイギリス教育の実態や日本の教育との違いについて教えていただきました。


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愛のヨガを教える ヴェーダ哲学伝統継承者 マドゥ・マンガラ・ダース (村田大介さん) (後編)

ヴェーダ哲学伝統継承者の マドゥ・マンガラ・ダース (村田大介)さんとの対談の後編をお送りします。

対談の後編では、マドゥさんとご家族が帰国された後の人生の道のりについてお聞きしました。
日本でもどうにか大自然と共に生きる生活を追求しようと試みましたが、ハワイで送っていたロービーガン食生活が日本の風土に合わず、どうすればハワイで得た心の平安を東京という大都会でも実現できるか模索を続けました。

その模索中にハワイで出会った友人が日本に来たきっかけでクリシュナ意識国際協会 (International Society of Krishna Consciousness) に訪れ、聖典のバガヴァッド・ギーターに出会いました。
実はハワイでも目にしていたこの聖なる本、マドゥさんが瞑想で体験した気づきや覚醒が書かれていました。

バガヴァッド・ギーターを学び、ハワイという恵まれた環境にいなくとも追求できる、真の幸せをもたらす生き方に巡り会えたマドゥさんは、ヴェーダ哲学を学ぶためにクリシュナ寺院の隣に家族で住み込みを始め、ヴェーダ哲学伝統継承者になるべく修行を始めました。

ウェーダ哲学から得た叡智、全てのものに愛を持って生きる方法、人類の人生における目的についてご教授いただきました。
ぜひ対談をお聴きください。

 
愛のヨガを教える ヴェーダ哲学伝統継承者 マドゥ・マンガラ・ダース (村田大介)さん(前編)はこちらから聴けます。

愛のヨガを教える ヴェーダ哲学伝統継承者 マドゥ・マンガラ・ダース (村田大介)さん(前編)

 
今回のゲストは、ヴェーダ哲学伝統継承者の マドゥ・マンガラ・ダース (村田大介)さんです。

マドゥーさんは以前ゲストにお呼びしたヤムナさんの旦那様でもあります。
お2人で、鎌倉のご自宅で【生きるヨガ】のクラスを毎月第2土曜日に開催されています。

実は、かつてお笑い芸人を目指していたマドゥーさんは、ヴェーダ哲学やヨガとはかけ離れた生活を送っていらっしゃいました。

ご友人が玄米菜食を始められたきっかけでご自分も始めるようになった菜食生活。
食事を変えるだけで、生活習慣がガラリと変わり、心も体も健康になりました。
夜中心だった生活から、朝は自然と早くに目が醒めるようになり、喫煙の習慣もすっぱりと止めることができました。
都会より森や海、自然と共にいることを求めるようになりました。
自分の驚異的な変化に驚いたマドゥーさんは、奥様のヤムナさんとお嬢さんを連れて大自然と共に生きるためにハワイに移住されました。

ハワイでヨガや瞑想の鍛錬を積み、その経験から得た 「自分と全ての生きとし生けるものとのつながり」の気づきから、マドゥーさんの人生は大きく変わりました。その変化は日本に帰国した後にも続きました。ヨガからどのような恩恵を受けたのか、対談で詳しくお聞きしました。

 
愛のヨガを教える ヴェーダ哲学伝統継承者 マドゥ・マンガラ・ダース (村田大介)さん(後編)はこちらから聴けます。

文系理系の枠を超え、世界が抱える課題を解決する人材を育む「共創学部」を新設 九州大学が歩む、グローバルな未来への新しい一歩

福岡市の中心から西に20キロほど離れた伊都地区に、九州大学の伊都キャンパスがある。275haの広大な敷地に、近未来的な建物群。郊外ではあるが交通の便は非常に良く、空港や博多駅から大学までは直通の電車が走っている。付近には学生のためのアパートや飲食店が建ち並び、ひとつのコミュニティを確立している。
九州大学は現在、これまで分散していたキャンパスをここ伊都キャンパスへと統合を進めており、これにより全体の約3万人の学生と教職員が一同に会し、国公立大学では日本で最大のキャンパスになる。
九州大学の副理事であり、また平成30年4月に新設された共創学部の学部長に就任された小山内康人(おさないやすひと)教授に、九州大学の魅力や、新しい共創学部について伺った。


地質学がご専門の小山内学部長。地質学の魅力について「大陸があるというのは太陽系の惑星の中で地球だけが持つ特徴のひとつ。40数億年まで遡って地球の成り立ちを調べることにより、地球の未来が見えてきます」
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食べるヨガと歌うヨガを教える ヤムナさん(村田 由恵さん)後編

引き続きヤムナさんとの対談をお送りします。

対談の後編では、ヤムナさんとご主人のマドゥさん(村田大介さん)がご自宅で開催されている【生きるヨガ】のクラスについて詳しくお聞きしました。

毎月第2土曜日に鎌倉で開催されている【生きるヨガ】のクラスは、キルタン(歌うヨガ)、食べるヨガ、バガヴァッド・ギーター講座など、幅広いアクティビティが含まれた素敵なセッションです。私も姉と一緒に、なるべく毎月行くようにしています。

うたうヨガでは、神様の名前を呼び、みんなで声を合わせてうたいます。自然と感情が沸き起こり、流れていく。みんなとうたって踊ることで、自然と心に喜びが満ち溢れます。自分の中にいる神様とつながること、を学ぶことができるのがうたうヨガ(キルタン)です。

対談では、キルタンが私たちにもたらす効果や、毎日実践できるバクティーヨガについて、詳しくお聞きしました。

ぜひ、対談をお聴きください。

 
食べるヨガと歌うヨガを教える ヤムナさん(村田 由恵さん)前編はこちらから聴けます。

創立わずか34年で東大合格者ランキング全国4位 渋谷教育学園中学校・高等学校

千葉市幕張にある渋幕から78名、渋谷区にある渋渋から25名、両校合わせて103名。これは渋谷教育学園中学高等学校の2017年の東大合格者の数である。さらに東大だけではなく、ハーバードやプリンストンなど米名門大学の合格者もトップクラス。田村哲夫校長は東大卒業後、銀行マンだった30代に、父親の経営する都内の女子高を引き継ぎ、当時は全国で最も若い校長先生として話題になった。その後、定時制の女子高をわずか30年余りで全国有数の進学校に飛躍させ、たくさんの優秀な人材を世界に輩出している。


*左が田村校長、渋谷校の8階にある図書室で収録が行われた。キャタル渋谷校とは道路を挟んだ並びにあり、番組内で田村校長にリクエストいただいた有名な曲「春の小川」はこの道路を流れていた小川のことを歌っているそうだ。

 

著書が東大の入試問題に ― 「校長講話」で自己の客体化を

田村校長が年に6回、1時間かけて行っている校長講話は、同校の大きな特徴の一つである。講話ではどのようなことを話しているのだろう。

「話す題材はシラバス(新学期の初めに配布する学習設計図)に載せています。毎回どのようなテーマで、どの教材を使うか、だから生徒たちはその日の講話の目的をわかっていて聞いています。ただ中1で入ってきた時は、正直難しくて何を話しているかよくわからないようです。でも高校生になると理解できるようになり、卒業生は社会に出て、ああ、あの時校長はこのために言っていたんだなってわかってくれるようですね。終わったら一人一人からメモが出てきます。中には批判する子もいるし、みな刺激を受けて、よく考えていますよ」
校長講話の目的は「自分自身を客体化して自分をみること」。これについて田村校長は「最近、メタ認識っていう言葉があり、それは人間が自分自身を認識するときに、自分の思考や行動を客観的に把握するっていうことなんですが、これは誰にも教えられないんですよ。あなたはこういう人間だ、なんて、他人は言えないですよね。だから自分でできるようになるためのお手伝いをしているんです」
田村校長の著書が、16年の東大の現代文の入試問題に採用された。「まさに自己の客体化の意識が成熟しているかどうかを量る出題でした。東大だと知識だけじゃなくてそういう力も見られているんです。生徒たちは問題用紙に僕の名前をみて喜んでいましたね」


*1000人以上収用可能の講堂。音響や照明が整っていて音楽や演劇など部活の発表場所としても使われている。(渋谷教育学園幕張中学校・高等学校HPより抜粋)

 

大学は議論をする場所 ― 大学入試にむけての取り組み

校長講話では進学についても取り上げるそうだ。「小中高と大学との決定的な違いは、大学は、入った生徒はまだ未熟であっても、教えている先生はノーベル賞をもらってたりする。でも、大学では全員平等、誰でも対等に議論していいんですよね。つまり議論できるかどうかが問題、それが大学入試です」
そのために必要な能力について、入試ではどのように量るのだろうか。「計算力とか記憶力とか正確さなどの、いわゆる技能や知識をチェックするのは全体の2~3割ですね。残りは技能ではない部分なんです。まずは論理的思考力、そしてもう一つは意欲とか目的意識といったその人の資質をチェックしているんですよね。だから知識を詰め込んでいけば入れるっていうことではないんです」
最近の大学受験の傾向として、考える力が重視される欧米化が進んできていると言われているが、同校ではこの能力を付けるために早くから取り組み、そのため生徒たちの意識も高いということが、東大進学者数に見られる強さの理由の一つであろう。

 

一般生でも海外大学へ ― TOEFL iBTで3ケタが目安

渋谷学園というと、東大だけではなく、欧米のトップ校にもたくさんの学生が進学していることで注目されているが、どのような取り組みをしているのだろうか。また、これは帰国子女生が多いことが影響しているのだろうか。

「海外大学への入学者数を増やすための手段は特に意識していないですよ。校長講話で、バカロレアだったり、ギャップターム(秋入学の大学では入学前と就職前に一定の空白期間があること)などの解説はするので、生徒たちはいろいろな選択肢を意識するようになります。実は、帰国子女でアメリカの大学に行く生徒は半分もいないですよ。むしろ一般生がおもしろそうだなって挑戦する。学校には専門の部局があるんです。アメリカのリサーチユニバーシティ(研究型大学)に行きたい人、リベラルアーツ(教養型大学)に行きたい人、希望によって伸ばしてくれる担当の先生がいます。対策は中3くらいから始めますよ、その頃からやらないと間に合わないから。目安としてはTOEFL iBTで3ケタですね、それだけ取れれば向こうの大学の授業を普通に聞けるということですので、そこだけクリアすれば一般生でも大丈夫、年に何回もチャレンジすればいいんです」

 

卒業生に聞く英語の授業 ― 教科横断型でさらに高いところへ

渋渋の卒業生である慶應大学生の鳴釜和佳子さんに、当時の英語の授業内容を伺った。

「私は帰国子女クラスの授業を受けていました。ネイティブの先生と20名くらいの生徒で、いろんなジャンルの本を題材にして授業を進めました。この本のレベルがとても高くて、中3の時にトモス・モアの「ユートピア」とか、そのあとはジャレド・ダイアモンドの「銃・病原菌・鉄」など、テーマが難しかったので最初は苦戦しました。クラスでのディスカッションを通して、クラスメイトのいろんな意見を聞いたり自分の意見を述べたりして、最後はタームペーパー(期末レポート)にして提出します。その過程で、しっかり理解を深めることや、論理的に考えるという力が身に付きました。タームペーパーは先生が良かった点悪かった点をフィードバックしてくださるので、それを次の課題図書に生かせるよう意識して、それを何冊か続けていくことによって自分の成長を実感することができました」

渋谷学園の英語教育の強さについて、田村校長はこう語った。

「それは担当している先生の能力と、受ける生徒の意欲ですね。ネイティブの優秀な先生を採用していますし、生徒もできる生徒しか入れていませんから。そうすると、在校している生徒の一割くらいは、英語を教える必要はないんですね。だから英語の時間を使って、教科横断型の授業ができるのです。普通は中高生の段階では、教科で独立した教材を使い教科ごとの勉強をしますが、本校では、英語という言葉の問題にプラスして、歴史的な考え方や地学的な知識など、英語であっても他の教科につながっていることを体験させることができる。この仕組みが生徒たちの英語への意欲を刺激しているのだと思います」


*情報の授業で使用するコンピューター室。昼休みや放課後にも開放されていて自由に使うことができる。ディスプレイが机に収納でき、動画編集やプログラミングができる高性能PCも設置されている。(渋谷教育学園幕張中学校・高等学校HPより抜粋)

 

修学旅行は現地集合現地解散 ― 「自調自考」という理念

同校のホームページを開くと「自調自考」という学校理念がまず目に入る。

「自らの手で調べ、自らの心で考える」という意味で、明治時代からある言葉だそうだ。渋谷学園では、修学旅行や宿泊研修、校外学習などほとんどの学校行事が現地集合現地解散とのこと。田村校長はこれについて「学校で全て用意してもらってやるのと、自分で用意してやるのとは全然違うんですよ。なんでも自分でやってみないと分からないし、気づかない。好きじゃないことだってやらなきゃいけないことはたくさんある。だからルールも生徒たちが決めますし、僕たちは口出ししません。自由の中にこそ、渋谷の強さがあると思っています」

最後に、田村校長が考える「夢の授業」とは、また教育という仕事について伺った。

「夢の授業っていうのは、決して教える側の価値観で100%生きてくるものではなく、教わる側と教える側がバランス良く拮抗した時に実現するものだと思います。人間と人間のぶつかり合いが教育っていう仕事なんですよね。私自身、教育に携わった人生でした。教育はとてもやりがいがあり、やってよかったと思える職業ですよ、こんな満足感を得られる仕事は他にないなって、それだけは若い人たちに言いたいですね。日本は、社会全体でもうちょっと意識を持ってもらって、優秀な人に教育に参加してもらいたいです」

 
この記事は、2017年4月28日、ラジオ”In the Dreaming Class”の内容です。ラジオ全音声を聞かれたい方は→こちらからどうぞ